【2002年 ヨウスケのアカデミック園芸ワールド】8月







2002.8.30(金)・・・出発の朝。
 8月の更新は、本日が最終日です。本日、イギリスへ出発します。帰国は9月12日。その間、リアルタイムで現地から更新できればと思い、ページを用意しました。トップページよりご覧ください。と言っても、現地でうまく接続できれば・・・の話です。

 さて、8月最後の植物は・・・・

 Canna ‘Pretoria Variegata’(カンナ科)

 黄色い斑入りで、遠くからでもよく目立ちます。見事な斑入りで、とてもキレイ。花の色も目のさめるようなオレンジ色で、なかなか優秀な素材です。

 植付け1年目は、この程度の高さ(60cmほど)ですが、植えっぱなしにしていると、高さ2m近くにまで生長します。大株にすると見ごたえがあり、見事です。


2002.8.29(木)・・・クレオメ
 淡いピンク色がとってもキレイ!

 Cleome(フウチョウソウ科)

 クレオメではあるのですが、よく見るクレオメとは様子がずいぶん違います。

 おそらく、原種からの選抜個体だと思うのですが、詳しいことが分かりません。葉も小さく、草丈も幾分低めです。低木状に生育しています。種子は出来ないようです。2001年3月20日のアカデミックで紹介しているLopeziaの花に似ていますね。


2002.8.28(水)・・・カンナ
 夏の花と言えば・・・・

 Canna × generalis ‘Wyoming’(Cannaceae・・・カンナ科)

 カンナはカンナ属に属するカンナ科の植物です。カンナ科は、カンナ属しかありません。
 夏と言えば、カンナの花ですが・・・それは緑色の葉をしているものがほとんどでしょう。これは、キレイな銅葉品種で、品種としては古い時代に作出されたものです。

 花の色もなかなか美しく、見ごたえがあります。葉の色とよく合っています。

 カンナの歴史は古いのですが、日本へはどういった経路で入ってきたのか、どの時代にどういった品種があったのか・・・このあたりは文献が少なく、わかりません。日本の名前のついた品種名はありますが、日本で育種されたものなのかどうかは不明です。

 タキイが出したトロピカルシリーズは、種子系・わい性品種で、日本のカンナの育種はこれぐらいしかされていないと思います。

 水辺が好きな植物で、株元が水にドブンと浸かっている状態でも元気です。カンナの新たな使い方でしょうか。


2002.8.27(火)・・・毛がモサモサ
 なんだかヘンな植物ですね。

 Dicliptera suberecta(キツネノマゴ科)

 和名をヤンバルハグロソウと言います。熱帯、亜熱帯に150種も分布している植物で、草本、木本があります。

 この種(しゅ)は、ウルグアイに原生する宿根草です。葉に毛がモサモサ生えており、光を反射し、白く見えます。水をはじくので・・・少しハダニがつきやすいかもしれませんね。

 花は、濃いオレンジ色〜朱色で、葉とのコントラストが美しい!花はすこぶるよく目立ち、次から次に開花し、春から秋まで咲きつづけます。

 背景に黒っぽい葉の植物を合わせると、なかなか良くなりました。


2002.8.26(月)・・・こんな植物もシルバー
 見事なシルバーリーフ。

 Allamandaなのは分かりますが・・・一体、なんと言う種なのか、品種なのか分かりません。

 葉はご覧のとおり、見事にいい色をしています。花は至って普通の花なのですが、通常のAllamandaよりも小さめで、可愛いです。

 このシルバーの葉に、この花が咲いている姿が・・・なんとも言えない良い姿・・・・。

 今年の夏は少しオシャレになりました。


2002.8.25(日)・・・へ〜んな名前。
 なんとも芸術的な植物ですね。

 Alternanthera ‘Kota kinabalu’(ヒユ科)

 葉がよじれていたり、緑やピンクやワインレッドの模様が入るなんとも不気味な・・・見方によっては芸術的な葉をしています。

 茎はガッチリ直立型。葉の表面はややザラザラしています。耐寒性はありません。屋外で使う場合は扱いは1年草です。

 個性が強いので、一鉢でも十分楽しめます。この植物に関しては詳細不明。


2002.8.24(土)・・・これも・・・
 すごい葉の色ですよね・・・・。

 Oxalis hedysaroides ‘Rubra’(カタバミ科)

 そうなんです、これもオキザリスなんです。ワインレッド色のすばらしい葉色ですね。

 コロンビア、エクアドルに自生する1mほどの小低木です。花は黄色で、オキザリスそのものです。

 紙のような葉の質で、ヒラヒラしています。葉は、ビロード状で水をはじきます。従って、夏場の乾燥する時期、ハダニには要注意です。

 なかなか面白い素材で、寄せ植え等に使っていきたい植物です。


2002.8.19(月)・・・ちょっとエグイ
 中央脈が毒々しいですね・・・。

 Rumex sanguineus(タデ科)

 赤すじソレルという名前で販売されています。日本で見られる(属)のはギシギシやスイバなど、そこかしこに見られる雑草です。

 これは南ヨーロッパから南西アジアに分布しているものです。中央脈が赤黒くて、毒々しいですね。しかし、光に透かして見ると、非常にキレイです。

 非常に強健な雑草で・・・こぼれ種でボコボコ増えます。

 寄せ植え等の素材として使うには、面白いと思います。


2002.8.16(金)・・・ギボウシ
 暑いので、涼しめの葉を・・・・。

 
Hosta gracillima ‘Great Expectations’

 1988年に作出された大型品種です。中心部分が、薄黄緑色ですが、栽培する場所により、クリーム色になります。やや強い光があたるところの方が、クリーム色になるような気がします。

 人気の品種です。


2002.8.12(月)・・・ちょっと臭い。
 シルバーリーフの面白い植物です。

 Ragodia parabalica(タデ科)

 オーストラリア原生の宿根草(低木)で、11種が知られています。荒地に生えていることで有名な植物で、乾燥地を好みます。

 一見、タデ科には見えませんが、葉のつき方、形を見ていると、確かにタデ科の特徴が出ています。花はほとんど目立ちません。

 この植物は、ソルトブッシュとして販売されていますが、本当のソルトブッシュはオシロイバナ科のCryptocarpus pyriformisという植物で、画像の植物をソルトブッシュと呼ぶのは間違いですし、混乱の元になります。いくらこちらの方が言いやすい名前であっても、違う名前で呼ぶのは問題がありますね。大問題です。

 自分の名前って、正しく呼んで欲しいですよね。植物だってきっと同じだと思うのです。


2002.8.11(日)・・・ロベリア似。
 黄色いロベリアではありません。

 Monopsis lutea(キキョウ科)

 18種が南アフリカ等に分布しています。ロベリアに似ていますが、柱頭の違いで、ロベリア属とは別になっています。

 這い性で、よく広がります。花色は、クリアーな黄色で見事です。

 葉は、赤っぽくなりますので、赤と黄色のコントラストもキレイです。

 見かけない素材ですが、ハンギング等の素材として使いやすいでしょう。この暑い夏でも、花は休むことなく咲きつづける優秀な素材です。


2002.8.3(土)・・・夏のさわやか素材
 穂が出揃いました。

 Chasmanthium latifolium(イネ科)

 花屋さんで、この穂が売られていますね。結構なお値段です。最近はオーナメンタルグラスなどのイネ科の植物の穂を、アレンジメントで使うことが多いらしく、Panicumなどの植物が、売られているのを良く見かけます。

 この植物に対しての和名はないので、この学名で呼ぶのがベストな方法だと思います。東北アメリカの植物で、6種が知られています。

 落葉性の植物で、冬季は葉は落ちますが、地表面に小さな真っ黒い竹の子みたいな芽を作り、寒い冬を乗り切ります。

 夏の素材としても涼しげですが、秋の黄葉も美しい!秋の夕日を通して見るその姿は、すばらしいの一言です。

 山野草の業者などで扱っていることが多く、園芸店やホームセンターなどでは、ごくごく一部扱われる程度の素材です。