【2002年 ヨウスケのアカデミック園芸ワールド】5月







2002.5.31(金)・・・あぁ誕生日
 なんだか知りませんが、23歳になってしまいました。今日紹介するのは、誕生日記念植物(?)ということです。

 Fagus sylvatica ‘Atropurpurea’(ブナ科)

 ブナの銅葉品種です。日当たりの悪いベランダに置いておいたら、芽出しのときからグリーンになったので、外に放りだしたら、1週間もたたないうちにご覧の色に変化しました。もっとガンガン日があたるところでは、漆黒の色に輝きます。まだやさしい色をしています。

 ブナにはさまざまな園芸品種があり、黄金葉、ファスティギアータタイプ(直立型)、枝垂れ・・・・どれも魅力で育ててみたいです。イギリス等では公共の場所に、この銅葉ブナの大木があったりするのですが、日本ではあまり見かけません。

 理由は・・・カミキリムシ(テッポウムシ)にやられるからです。これが入ると大木もイチコロですね。


2002.5.30(木)・・・これもアリウム
 これもAlliumです。

 Allium christophiiもしくはA. albopilosum(ネギ科)

 青紫色の星型の花が集まって咲いています。球根植物で、秋に植付けます。葉の写真がないのですが、葉には毛が生えていて、ゴワゴワしています。長さ30cmぐらいでしょうか。けっこうダラーンとしていて、見栄えはよくありません。

 原生はトルキスタン。したがって雨に弱く、ジメジメしたところでは葉がとろけてきます。

 草丈50cmほどの植物ですが、花茎が太いので、今のところ倒れていません。花後の子房が長く残り、イギリス等では、クリスマスの頃まで残っているため、オーナメンタルとして利用しています。ただし、これは雨が少ないところのお話で、日本では梅雨時期にナメクジでやられてしまうでしょう・・・。


2002.5.29(水)・・・八重花
 なんだか面白い咲き方をしていますねぇ。

 Geranium himalayanse ‘Plenum’(フウロソウ科)

 八重咲きのGeraniumです。造花みたいですね。。。耐寒性あり、耐暑性は・・・そんなにありませんが、それほど無理することなく夏は越えます。

 ブルー紫の色をした花は、細い線の植物と良く合うでしょう。


2002.5.25(土)・・・国際バラとガーデニングショウ出展作品・タイトル「Beauty Color」
 去る5月17日から22日まで、西部ドームで開催された「第4回 国際バラとガーデニングショウ」のハンギングバスケット部門に、出展していました。

 これがその作品。

 Hosta ‘金星’、ArtemisiaCarexSolenostemon等、葉の美しい植物でハンギングを作りました。

 一番上にはHeucheraを植えてあるのですが、画像では大きくなるのでちょん切っています。本当はピンク色の花が咲いています。

 こく作品は、もちろん私が作りました。下の作品も、葉の美しいものを集めてハンギングを作っています。下の作品は・・・いつも仕事をしているある方の作品。名前を公表するのを嫌がったので、伏せておきます。


2002.5.25(土)・・・国際バラとガーデニングショウ出展作品・タイトル「sepia」
 これはこんもりと丸く、仕上がっています。

 派手な色はありませんが、これはタイトルを意識して作ったからでしょう。

 Heucheraの葉の美しさが効いていますね。Festucaなどを使い、細い線の動きなどよく出ていると思います。

 オシャレでシックなハンギングバスケットだと思いませんか?

 私は、どちらかというと・・・自分の作品よりも、こちらの方が好き。


2002.5.20(月)・・・雑草だが・・・
 野原などで普通に見られる植物ですが、これはその黒葉です。

 Ixeris dentata(キク科)

 和名はニガナ。雑草扱いの宿根草です。茎や葉を折ると、白い乳状の苦い汁がでるので、「ニガナ」と呼ばれます。

 これはその園芸品種で、黒葉です。黒い茎、黒い萼・・・。その黒の中から、鮮明な黄色い花を咲かせます。すっごくシックでオシャレな植物だと思いませんか?

 寄せ植え等でも使いやすく、なかなか面白い素材だと思います。ただし、園芸店では入手しにくいかも。日本の分類では山野草になるようです。
 
 Plant Finderには掲載されていないので、イギリスに持っていったら売れそうですね。絶対人気になると思います。


2002.5.19(日)・・・カラス葉
 画像では分かりにくいですが、少しメタリックです。

 これはCampanulaの銅葉品種です。

 銅に緑を足して、その上からメタリックをコーティングした葉色をしています。ホタルブクロの銅葉品種だと思うのですが、定かではありません。

 花は薄いブルー(紫)です。

 ボーダー花壇などの植栽には、面白い素材だと思います。


2002.5.18(土)・・・ベロニカ
 外で撮影したものは、あまりきれいな色が出ていませんが・・・

 Veronica austriaca subsp. teucrium ‘Blue Fountain’(ゴマノハグサ科)

 右と左の画像、同じ植物ですが、撮影する場所で色が違っています。本来の色は左画像の素晴らしい青色です。

 なんとなく小さなデルフィニウムといった感じでしょうか。

 品種名が「青い噴水」。確かにそういう印象も受けますね。

 耐寒性があり、冬はロゼット状になります。花期は短いですが、よい素材だと思います。


2002.5.17(金)・・・スズランのような 只今開花中part4
 ちょっとピンボケでごめんなさい。

 Brimeura amethystina ‘Alba’(ユリ科)

 ヒアシンスをまばらにした感じ、スズランの花に似ている・・・かな?ツリガネソウの花の形にも似ている・・・。

 北東スペインから北西ユーゴスラビアにかけて分布している球根植物です。花に香りはありません。

 アジュガとリシマキアのカーペットの中から、この花が飛び出しています。


2002.5.16(木)・・・テイカカズラの・・・・
 この植物の黄金葉品種は、まだ珍しいのではないでしょうか。

 Trachelospermum asiaticum ‘Gold Leaf’(キョウチクトウ科)

 常緑のつる性植物で、和名をテイカカズラといいます。ゴシキカズラ、ハツユキカズラと同属の植物です。斑入り品種などは、生産販売されていますが、一点のかげりもない黄金葉品種の生産・販売はまだまだないでしょう。

 1年を通して黄金葉で、今の時期は特に色が冴えます。

 成長は、さほど旺盛ではないようです。


2002.5.15(水)・・・昨年も登場 只今開花中part3
 昨年のアカデミック6月4日に登場した植物です。

 Nectaroscordum siculum subsp. bulgaricum(ネギ科)

 長い学名の花ですが、ネギ属に近縁です。昨年は花のアップでしたが、今年はちょっと他の花と合わせてお楽しみください。

 葉ものばかり植栽した中に、すらっと立ち上がるこの植物を選んで植えました。ここは緑、黄色、赤、白などの様々な色彩をもつ葉ばかりが植えてあります。

 シャンデリアのような花姿と、葉のコンビネーション、いかがでしょうか?

 なぜかこの球根、うまく残ってくれません。使いきりですので球根のご注文は毎年早めに。


2002.5.14(火)・・・香るネギ 只今開花中part1
 Allium roseum(ネギ科)

 画像では白く写っていますが、もう少し時間がたてば、ほんのりロゼ。薄く赤みがかってくるネギです。花には香りがあります。いい香り〜。

 後方に見える黒っぽい葉は、Cotinus coggygria ‘Grace’
ただし、この葉の色は今の時期だけで・・・夏になる頃には緑色になってしまいます。


2002.5.13(月)・・・ネギボウズ 只今開花中part2
 Allium karataviense ‘Ivory Queen’(ネギ科)

 ずんぐりむっくりしたネギボウズです。ブルーグレーの大きな葉に、アイボリーカラーの大きな花が非常に印象的。

 草丈20cmほどで、ボーダーの手前に植栽しています。後方に写っている細い糸のような葉は、Stipa。右隣のやや紫がかった葉はSedumのある品種です。

 ちょっと暗い感じの葉ばかりを集めて植栽している中に、明るさを求めてこのようなネギボウズを植えてみました。


2002.5.12(日)・・・模様斑
 自然斑や模様斑とよばれる種類の斑入り植物です。

 Lamium galeobdolon ‘Silverteppich’(シソ科)

 葉脈は緑色、脈間がシルバーに輝く少し複雑な模様をしています。こういったものも斑入り植物に含められるのですが、これはこの植物がもともと持っている模様で、突然変異的な斑入りとは少し異なります。
 
 このような斑入りを自然斑とか模様斑と呼ばれ、他にはシクラメン、カラジュームなどが挙げられます。

 これは日陰でも耐える、優秀な常緑グラウンドカバープランツです。黄色い花を咲かせ、どんどん蔓延ります。葉の感じがPileaに似ていますね。


2002.5.11(土)・・・庭木の王様
 庭木の王様と呼ばれている植物です。

 Ternstroemia gymnanthera(ツバキ科)

 和名をモッコクという、常緑低木・高木です。モッコクは、日本では重要な庭園樹ですが、全くの緑色であまり面白みがりません。

 これは、新芽がライムグリーン〜黄色の美しい品種で、暗いスペースを明るく演出してくれます。モッコクは陰樹ですから、まさにもってこいの品種ではないでしょうか。

 アセビとモッコクは非常に成長が遅いので、じっくり作りこむ人向きの樹木です。


2002.5.10(金)・・・新芽だけの色。
 新芽だけがこの色です。

 Chloranthus glaber ‘Seiho’(‘晴宝’)・・・センリョウ科

 日本にも分布している、常緑低木で、和名をセンリョウといいます。このセンリョウは新芽がチョコレート色の素晴らしい品種です。

 新芽だけがこの色で、葉が充実して堅くなってくる頃には、この色も退色し、緑に変わります。センリョウの突然変異品種です。

 ある生産者の話ですが、花が咲かないそうです。なぜでしょう・・・・。遺伝子異常でしょうねぇ。


2002.5.9(木)・・・メタセコイア
 「化石植物」と言われているものです。

 Metasequoia glyptostroboides ‘Gold Rush’(アケボノスギ科)

 メタセコイア(アケボノスギ)の黄金葉品種です。

 すばらしい葉色です。この木は非常に大木になり、大きくなると見ごたえがあります。公共の場所の緑化にもっと使って欲しい素材ですね。

 葉のテクスチャーも最高で、言う事ありません。成長も旺盛で・・・露地に植えたら家がつぶれるかも。


2002.5.8(水)・・・ハシバミ
 サクラの葉に似ていますが・・・

 Corylus maxima ‘Purpurea’(シラカバ科

 ハシバミの銅葉品種です。ヨーロッパ、小アジアに分布する落葉小低木です。種(しゅ)は違いますが、日本ではヘーゼルナッツとして親しまれているものと、同属の植物です。

 低温地域では、比較的長期間、この葉色は残っていますが、日本では初夏までで、その後は緑に変わってしまします。今の時期が、一番きれいな状態です。


2002.5.4(土)・・・黄色い☆
 黄色い星が咲きました。

 Triteleia ixioides var. scabra ‘Starlight’(ネギ科)

 北西アメリカ等に18種が知られている球根植物です。ご覧のように、星型の非常にかわいい花を、たくさんつけます。

 色も、嫌味のない黄色(クリーム色)で、上品です。花火のようにパラパラ〜っと花が上がってきて、姿も美しい!

 バックに見える黄緑色の植物は、黄金葉のセダムです。セダムマットの間から、この花がヒュルヒュル〜っと上がって咲くように球根を植え込みました。

 かわいいでしょ?

 日本では、この球根、まだまだ1球「ン百円」します。


2002.5.3(金)・・・テマリシモツケ
 近年、オランダのエスベルト園より発売された植物です。

 Physocarpus opulifolius ‘Diabolo’(バラ科)

 アメリカテマリシモツケの銅葉品種です。4月は、この植物の黄金葉を紹介しました。

 品種名の‘Diabolo’とは、「悪魔」という意味で、おそらくおの葉色をイメージして付けられたのでしょう。非常に強く、夏でも比較的葉の色は変わらずに、なかなかよい素材だと思います。

 ちょうど今ごろ、白い花を咲かせ、葉の色とのコントラストが非常に美しいものです。秋のころの葉色も最高で、これからもっともっと公共の場所に植栽してもらいたい植物です。


2002.5.2(木)・・・ギンドロ
 葉の裏と表で、表情が違う樹木です。

 Populus alba f. pyramidalis ‘Richardii’(ヤナギ科)

 ギンドロの黄金葉品種です。

 葉の表面は黄緑色、裏は白色で毛があります。強光が当たるところでは、更に輝きが増し、非常に美しい黄色になります。

 秋の紅葉も見事です。風にそよぐと、白色と黄色が入り乱れ、とても美しいですよ。


2002.5.1(水)・・・花園フラワーショー
 花園フラワーショーへ出展している作品です。

 「Bronzy Container〜毎日の生活に彩りを添えるコンテナ〜」

 植物の葉の色は緑だけではありません。もちろん秋の紅葉や黄葉はありますが年中赤い葉や黄色い葉ってあるのでしょうか?答えは…もちろんあります。

 春の芽だしから、目を見張るような赤・銅・黄色の葉たち。最近日本でも「カラーリーフプランツ」と呼ばれる植物が多く使われる様になってきましたが、まだまだ多くはありません。そんな植物を多く使ってみました。

 またニュージーランド原生のCarex(カンスゲ)の中には、誰が見ても「枯れている」様にしか見えない枯葉色のgrassがあります。海外ではガーデンのポイントとして多く使われているgrass類ですが、日本ではまだまだ見向きもされません。
 そんな植物達を使って人間の安らぎの原点とでも言える「草原」をイメージしてコンテナを作って見ました。風に揺れる草花を見つめていると…なんだか童心になってきませんか?

 使用植物
 Carex buchananiiCarex flagelliferaCarex testaceaCotinus coggygria ‘Royal Purple’、Gaura lindheimeri ‘Cherry Brandy’、Haloragis erecta ‘Wellington Bronze’、Heuchera parvifolia var. nivalis ‘Pewter Veil’、Persicaria capitataPhormium lineatum ‘Yellow Wave’、Physocarpus opulifolius ‘Diabolo’、Populus alba f. pyramidalis ‘Richardii’、Prunus cerasifera ‘Pissardii’、Trifolium repens ‘Purpurascens Quadrifolium’

Aeonium arboreum ‘Schwartkop’、Bulbine frutescensEcheveria cv.、Graptopetalum paraguayensis ‘Hatsukoi’、Kalanchoe pumillaSedum ‘Acapulco Gold’、Sedum cv.、Sedum hispanicumSedum rupestre subsp. reflexumSenecio rowleyans

 オシャレな和食屋さんの店先に、こんなディスプレイがあればいいなぁ、という思いを込めて制作しました。花ものはありません。すべて葉の色で組合せています。
 30を超える作品が出展されている中で、お手本ともいえる唯一の生活提案型コンテナ。今後日本でも多く流通するであろう素材を活かした、未来提案型でもあります。色を抑え、全体的にシックで落ち着いた大人の寄せ植えを制作しました。皆さんのご意見をお聞かせください。お待ちしています。