神の目の小さな塵  ラリーニーヴン&ジェフリー・パーネル

創玄推理文庫  ?円(税抜)

 ハードSFの大物、ラリー・ニーヴンと、ジェフリー・パーネルが手を組んだ、最初の作品。この本は、かじたの図書館の他の作品以上に読む人を選ぶかもしれないです。

 まず、舞台となる軍艦が、帆船時代の英国海軍をほうふつとさせる事。勿論、主人公などもろに古き良きイギリスの軍人って感じ。登場人物がこうだから、かなり話も堅苦しいのです。何かある毎に、責任だの、命令だのが絡んでくる。痛快な作品、とはいえません。

  ですが、 この作品に出てくる異星人、モーティは秀逸。その為だけに、このレビューを書いているといっても過言では有りません。あんな不思議な生態故に…。この作品の主人公は、モートという種族ではないか、とも思います。それ以外は付けたし(^_^;)。個人的には贅沢物として、海軍軍人が目がないのがコーヒーというのがちょっと面白い。どう見てもモチーフは英国海軍なのに、何故に紅茶でなくコーヒー?みたいな。その辺がアメリカ人作家のこだわりなんでしょうかね。

 今迄と違って、万人にはお勧めしかねますが、RPGのマスタリング上、ネタにするには良い本です。謎の生物を出すのが好きな方は、是非(笑)。