荒野のサイクリスト写真集

 第二次チベット旅行編 Part.1 

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西チベットカイラスルート カシュガル〜アクサイチン〜アリ

Kasygar - Aksaitin Area - Ali (Suchuanghu) / 1995 November


98507015 ウイグルの少年
子供の笑顔は世界中で共通だ。くったくがない。寂しい荒野を独りっきりで走ってきて、とある村にたどり着くと、まずガキどもに囲まれる。時としてやつらは猛烈な押し売り的物乞いとなり手強い相手だが、だけれども笑う時は心からの笑顔である。そこには偽りはなかった。


98507016 シルクロード街道
永く住み慣れた雲南省昆明に別れを告げたぼくは、再び自転車でのチベットへの旅立ちのため、中国の西の果てカシュガルを目指し列車とバスで移動する。カシュガルは魅力的なオアシスの街だ。これから向う荒野を前にして緊張するぼくの心を、解きほぐしてくれるかのような優しさがその街にはあった。


98507017 タクラマカン砂漠をゆく
中国新疆ウイグル自治区のカシュガルを自転車で出発したのが一九九五年十一月七日。まずはタクラマカン砂漠を南下する。生きては二度と戻れないという意味の、世界でもっとも過酷な砂漠である。オアシスを結ぶかつての絹の道で、地平線の彼方までの砂丘の中にらくだの隊商を見かけたりすると、思わず月の砂漠を口ずさみながら、シルクロードのロマンにすっかり気分はマルコポーロである。


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98507020 遥かなり峠への道
崑崙山脈・・・・。中央アジアの魅力を語る時、崑崙という響きは、旅人に遥か彼方のイメージを湧き起こらせる。チベットとタクラマカン砂漠を分けへだつその山脈を行く道は、天へも届かんばかりに永遠に登りが続き、そしてあまりにも急峻であった。しかし世界は確実に天に近づいている様相を呈してくる。というのも空の色の様子が、高度のせいでより神秘的な深い蒼さの装いに変ってきたからである。


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98507022 魔のアクサイチンエリア
崑崙山脈を越えて八ヶ月ぶりにチベット高原にたどり着く。アクサイチン地帯は、チベット高原の中でも特に高度があり平均海抜五千メートルを超えるという大平原だ。その気象の激しさゆえに遊牧民すらいない。おかげで野生動物の宝庫であり、野を走るガゼルやキャンなどの大型哺乳類を見る事が出来る。しかしオオカミも多いらしく、現地の住民に散々脅されていたぼくは、何かが視界の中で動くたびにオオカミではないかと気が気ではなかったが。


98507023 完全静寂なる無人地帯
ここは平均海抜五千メートルの世界。極寒の荒野、無人の荒野、薄い空気、文明とは無縁の、神神によってのみ委ねられた世界。あるいは、ここには悪魔が住んでいて、ぼくをどこか遠い世界へと、帰る道のない世界へと連れ去ってゆくかもしれない。


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まだ旅は続きます。聖山カイラス巡礼〜マナサロワール湖〜プラン編へ

第二次チベット旅行編 Part.2 

 

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Hiro Andow

Last Up Date : 2002/03/23.