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地球防衛軍

1.ガミラス戦争時


[艦艇]

イスカンダルからの技術提供を受けて大ワープの可能な波動エンジンの搭載に至った宇宙戦艦ヤマトは別格として、この時代の地球艦隊の艦艇にはワープ能力はなく、機関出力も低かったため武装も貧弱なものとなっていた。波動エンジンが装備されていないため、動力は核パルス推進システム、核融合炉と液体燃料に拠っていた。そのため艦内空間の大部分を燃料タンクに充てざるを得ず、艦載機およびその運用に必要な燃料・弾薬・搭乗員・整備員(食料も!)のためのスペースなどあろうはずも無く、当時の建艦技術では、「空母」という艦種は存在できなかったのである。(なにしろ、自艦の行動に必要な燃料・弾薬で手一杯、戦艦クラスですら偵察機数機の搭載がやっとで、戦闘機や攻撃機を搭載するなど考えもつかない夢物語だったのである。)

このような技術的背景から、地球防衛軍艦隊の艦艇は砲雷撃能力に特化したものになっていかざるを得なかった。大艦巨砲主義と言うよりは水雷戦隊のイメージがしっくり来ると言える。何しろ、戦艦である沖田艦でも、武装は(ガミラスに較べてだが)非常に貧弱で、事実上ミサイル駆逐艦の「敵に肉薄して必殺の魚雷を撃つ」という戦法でしかガミラス艦と戦えなかったのだから。

「宇宙戦艦ヤマト」の劇中、冥王星海戦のシーンでは、そのミサイル駆逐艦が、簡単に誘爆し爆沈していたが、これは、ミサイル駆逐艦は高機動を得るために艦内のスペース・防御装甲を極限まで削って小型化・高速化したためである。ミサイル駆逐艦は、燃料・弾薬の缶詰が航行しているようなもので、乗組員からは「ミサイル缶(Missile-Can ミサイルの缶詰)」と呼ばれていたことがこの事実を如実に表している。(余談であるが、日本語の「みさいるかん」、英語の(カタカナで読み方を書くのは難しいが)「ミィソル カァン」がいずれも「ミサイルの缶詰」を表しており、本当の呼称とニックネームが全く同じ発音の日本艦隊だけでなく、各地区艦隊でこの隠語が使われていたのは偶然とはいえ、興味深いものがある)

さすがに艦隊旗艦用の戦艦である沖田艦では、事情ははるかにマシで、一撃で轟沈と言う事はなかったが、逆に、艦隊旗艦として戦場での残存性を確保するために、最低限必要な燃料搭載量、速度・機動力を確保した上で可能な限りの重装甲が施されたために、低速力・低機動力になるのは免れず、戦場においては鈍重な機動しか出来なかったのは、「ヤマト」劇中でもよく描写されている。それでも、その重装甲のおかげで当初の設計目的どおり戦場での残存性は高く、冥王星海戦であれほど被弾しても、なんとか地球まで帰還できたのだから、艦隊旗艦としての役割は十分に果たせており、設計思想そのものは間違ってはいなかった。

この時代の地球防衛軍艦隊の艦艇の特徴を一言で表すなら、「機関性能の低さによる貧弱な火力」と言えるだろう。ヤマトの帰還後、地球艦隊再建に伴い波動エンジンの量産が可能になるに至って完全にこの欠点は克服される。しかし「地球艦隊では手も足も出なかったガミラスを、ヤマトと波動砲が葬り去った」という行き過ぎた評価から、地球艦隊の艦艇は究極兵器である波動砲と砲雷撃力の強化にひた走ることになるのだが、それについては後に詳しく述べる。

[航空機]
さて、地球防衛軍の造艦技術はガミラスに大きく水をあけられていたが、航空機、特に宇宙用の航空機については、ガミラスと比して遜色ないどころか、むしろガミラス機を凌駕する高性能な機体が開発されていた。惜しむらくはその艦載機を運用する肝心の母艦、「空母」が存在しなかったことである。艦載機サイズでは波動エンジンを搭載することは不可能であり、必然的に液体燃料を動力源とせざるを得ず、これはガミラスとて同様であった。後に地球防衛軍は波動推進機関を開発し、これを搭載したコスモタイガーIIは驚異的な戦闘力を発揮することになるのだが、それについては対白色彗星戦の項にて詳述する。動力源が液体燃料であったため、あくまで宇宙用の航空機に限った話ではあるが、ガミラスと地球の技術レベルは同水準にあった。特に制空戦闘機については、コスモゼロやブラックタイガーに見られるように、地球の方が技術レベルが高かったことは驚嘆に値する。ブラックタイガー、コスモゼロのいずれも、ヤマト計画において索敵およびCAPにあたることを目的として開発された機体であり、対艦および対地攻撃能力をほとんど与えず、航続距離も犠牲にして(コスモゼロは増槽の追加装備で航続距離を伸ばすことが可能)、制空能力に特化した設計が、ガミラスの航空機との空戦において優位に立てた理由であろう。

[ヤマト]
ヤマトはイスカンダルからの技術提供以前に「ヤマト計画」により設計、起工されており、サーシャが遥か大マゼラン星雲からスターシャのメッセージを携えて来たときには既にほとんど竣工寸前の状態であった。本編では語られなかったが、戦艦大和を改造したヤマトの起工前に、実験艦である試作タイプ(試作1号艦)が建造され、ヤマトの建造前に各種の試験を行いデータを収集している。この試作タイプ(以後、プロトヤマトと称す)には、地球人自らの手によって開発された地球製の波動エンジン第1号が採用されていた。

この地球初の波動エンジンは地球人がゼロから発明したものではなく、ガミラスの波動エンジンを真似たものであった。土星海戦時に、機関に故障を生じたところを地球艦隊に攻撃されて大破、放棄され、月に漂着したたデストロイヤータイプのガミラス艦を、運良く手に入れることが出来、地球人は波動エンジンのテクノロジーを入手したのである。この土星海戦(に限ったことではなかったが)では、戦艦クラスに損傷を与えることなど地球艦隊の戦力では不可能であったし、デストロイヤークラスを放棄させただけでも大戦果であった。しかも、最後の冥王星海戦で雪風が数隻のデストロイヤークラスを撃沈したのを除いて、土星海戦でこの1隻を大破させたことだけが対ガミラス戦争を通して地球がガミラスに与えた損害らしい損害だったという事実は、ガミラス艦隊の前では地球艦隊が如何に無力であったかを如実に物語っている。

「ヤマト計画」とはガミラスの攻撃を受け、放射能に汚染された地球から、選ばれた人間、動植物を搭載して人類の生存可能な新惑星に移住し、地球の生命を保存しようというものである。移住先を見つけるには幾多の恒星系の探査を必要とすることが予想されており、この計画の実現には光速を超える移動、すなわちワープ航法、を可能にする高出力機関が必要であったが、ガミラスのデストロイヤータイプの残骸を得られたことで、「ヤマト計画」は一気に実現に向けて動き出す。

月に漂着した貴重な残骸を徹底的に分析し、完全な理解からは程遠いものの、ガミラス式の波動エンジンを参考にして(実情はデッドコピーに近かったようである)、地球型の波動エンジンの開発は成功した。さらに、残骸の艦内構造からガミラス人が人類と同サイズ程度のヒューマノイド型であることも判明していた。そして、この試作波動エンジンがプロトヤマトに搭載され、ワープその他のテストが行われたのである。人類史上初めてワープに成功した艦艇はプロトヤマトであるが、このプロトヤマトは、データ収集用のフルオート無人艦であり、有人艦艇として地球最初のワープに成功したのが、ヤマトなのである。

地球独自の波動エンジンを開発したとはいっても、「ヤマト計画」ではほかの銀河への航行など想定しておらず、設計はガミラスのデストロイヤークラスを基本にしたものであったため、せいぜい銀河系の中を動き回るのが精一杯といったところであった。しかし、そこへイスカンダルから長距離ワープが可能な銀河間航行用のイスカンダル式波動エンジンの設計図が提供されたのである。しかも、火星に墜落したサーシャの宇宙船はまさしく長距離航行用の大ワープ可能型のエンジンを搭載していたため、設計図だけでなく、実物をもサンプルとして入手でき、ほぼ完成していたヤマトの波動エンジンの改修を短期間で行えたのである。

ガミラスとイスカンダルは二連星であり、ガミラスが軍事国家となるまではガミラス人も平和な種族で、イスカンダル人との交流も盛んであった。そのため、ガミラス型とイスカンダル型の波動エンジンは波動エネルギーを推進力に転換するという基本原理は同じであった。ただ一点、「タキオン波動の旋波方向の違い」を除けば…。(この違いは後々、宇宙の歴史に大きな影響を与えることになるのだが、それについては後述する。)

ヤマトの波動エンジンは、ガミラス式の波動エンジンのワープ用のデバイス (タキオンエナジージェネレータ、 タキオンエナジーバンク、 タキオンエナジーコンプレッサー、 タキオンエナジーバンクから波動エンジンシリンダーへのタキオンインジェクター、 ワープ突入時のタキオン粒子の波動連鎖反応を誘発するためのタキオンウェーブイグナイター 等) をインスカダル式の大ワープ用のデバイスに換装したものとなった。これによりヤマトは大ワープが可能になり銀河間航行可能な性能を持つことができたのであった。

しかし、まだこの時点では、タキオン波動に旋波方向があり、ガミラスとイスカンダルで利用旋波が異なっていることなど地球の技術レベルでは知る由も無く、ただ単に、イスカンダルの設計図とガミラス式のエンジンを見較べて、大きく異なっている部分、「ワープ用デバイス」だけをイスカンダル式のものに交換した(地球人にはイスカンダルとガミラスの波動エンジン本体の構造はほとんど同じに見えた)のだが、これは大博打だった。プロトヤマトで波動エンジンのテストは済んでいたが、ヤマトは2つの異星文明のエンジンを繋ぎ合わせたため、それがワープ時に期待通りに働くのかどうか、実際に作動させてみるまで判らなかったのである。(通常航行時はワープ用デバイスは推進には使われず、主砲等の補助的エネルギー源として利用されるので、航行には問題ないことが予想できていた。) それが、ヤマトが最初に月から火星へのワープテストを行わなければならなかった主な理由である。(もちろん、新造艦なので、新型波動エンジンの搭載の有無に関係なく、すべてにテストが必要ではあったので、いずれにせよ月-火星間の小ワープテストは行われていたであろう)

タキオン波動の旋波方向であるが、ガミラスでは左旋波が、イスカンダルでは右旋波がそれぞれ採用されていた。左旋波のタキオン波動はタキオン粒子をピンチ効果により収束させる作用があり、高密度のタキオン粒子を得ることができるのである。このため左旋波を採用した波動エンジンは単位体積あたりの出力が高く、旋波の角速度を変化させることで容易にタキオン粒子密度を制御でき(ただし、細かな制御には不向きである)、小型で大出力かつ大変化時の制御応答特性のよいエンジンが得られるのである。これは高速移動が必要で、なおかつ急加速、急減速を頻繁に行う軍事用の艦艇に願ってもない特性であり、ガミラスの艦艇は軍用の艦艇だけでなく、民間用(すべて非常時には簡単に戦闘艦艇に改造できるように設計されていた)の船舶まで、すべて左旋波を採用していたのである。

他方、右旋波のタキオン波動はタキオン粒子を発散させる働きがあるため、エンジン内のタキオン粒子密度が低くなってしまう。しかし、この拡散によりエンジン内のタキオン密度分布が一様になると言う性質があり、これにより安定した出力を得やすくなるのである。その反面、急激な出力変化は困難になるが、低密度で一様分布であるために出力の微調整が容易であり、時空位相とタキオン波動の高精度の同期が要求される長距離ワープに適している。この、出力の安定性と、ワーク特性の良さはイスカンダル人の船舶(イスカンダル人にはもはや戦闘用艦艇は不要であった)に最適の特性であった。

ヤマトは偶然にも通常航行時は左旋波を使用し、ワープ時には右旋波のタキオン波動を併用するというハイブリッド型の波動エンジンを搭載していたのである。ヤマトの主砲は波動エンジンからのタキオン波動により励起された衝撃波を使用しているのだが、主砲へのエネルギー供給による推進力の低下を防ぐために、メインエンジンのタキオンエナジージェネレータからだけでなくワープデバイスのタキオンエナジージェネレータからも主砲(だけでなく推進関係以外の各部)にエネルギーが供給されていた。そのため、主砲発射時に左右両旋波により誘起された衝撃波は非常に複雑な時空間歪みを伴うこととなった。この時空間歪は衝撃波とともに進行し、目標に到達すると目標とその周辺の時空間を強烈に歪ませることになる。これが、ヤマトの主砲がガミラス艦に比べて桁違いの破壊力を持てた理由である。また、衝撃波進行に伴い先端に誘起された時空間歪みが衝撃波そのもののに対して鉛直方向に作用するため、衝撃波は進行方向に対して螺旋運動を呈することになり、そのためヤマトの主砲弾は螺旋を描くのである。

最後に、ヤマトの波動砲について述べておく。ガミラスにはデスラー砲があったが、地球の波動砲とデスラー砲は基本的には同じ原理、(薬室に限界まで波動エネルギーを注入し、ストライカーボルトで後方より前方へ向けての伝播(タキオン進行波動)を誘起する) であった。しかし、発射されたビームの色は、波動砲は青白く、デスラー砲は赤く、異なった発光を呈している。デスラー砲では薬室内のタキオン粒子は左旋波の波動のみを有しており、発射されたタキオンビームはその進行に伴って収束していく。そして、時空間の許容値を超えた段階で旋波の反転が生じ、エネルギーは発散、消滅してしまう。しかし、単位体積あたりのタキオン粒子密度が高くエネルギー密度が高いために、タキオン粒子は高エネルギーレベルに励起されており、必然的に高準位(波長の長い領域)の発光を伴うことになり、赤く発光するのである(1)。また、ビーム収束後急速にエネルギーが発散してしまうためにデスラー砲の射程は波動砲に較べて短くなるのである。

一方波動砲であるが、先に述べたようにヤマトでは左旋波と右旋波が併用されていたが、波動砲へのタキオン粒子充填時には左旋波のメインエンジンからだけでなく、右旋波のワープ用デバイスからもタキオン粒子が注入されていた。(エネルギーの充填時に右旋波と左旋波がそれぞれ異なった角速度を持つため、充填時に艦内に響く音は高低2つが混じったものとなっていたのは劇中でも描写されていた。他方デスラー砲の充填音は左旋波のみだったためにシンプルなものであった。) 従って、波動砲薬室内では右旋波と左旋波のタキオン粒子が混在していた。ストライカーボルトにより進行波を誘起され前方への進展をはじめたタキオン粒子群は、拡散性の右旋波タキオン粒子と、収束性の左旋波タキオン粒子がうまくバランスしていたため、結果としてヤマトの波動砲ビームはわずかに収束性を示し、長射程を持つことになった。また、主砲が強力であったのと同じ理由で、ヤマトの波動砲は左右両旋波の複雑な相互作用により非常に強力な時空間ひずみを生み、これが絶大な破壊力を与えることとなったのである。もしも、イスカンダルからの技術提供が無ければ、波動砲はデスラー砲と全く同じであっただろうし、メインエンジンまでイスカンダル式に換装していたら、拡散性の広く薄く、という 「射界は広いが打撃力のあまり無いもの」 となっていただろう。偶然による左右旋波成分の絶妙の混合比が波動砲に絶大な破壊力と長射程を与え、ヤマトの幾多の危機を救ったのである。そして、後にこの左右旋波成分の併用技術が発展し、拡散波動砲や拡大波動砲を生み、また、ヤマトの波動砲においては白色彗星に発射したときのように、ビームの収束率の制御を可能にするのであるが、これらについては、あらためて、対白色彗星戦の説で詳述したい。

このように基本原理は同じでありながら、タキオン波動の旋波成分の違いにより波動砲とデスラー砲には違いがあったのだが、対ガミラス戦争時(ガミラス名「帝政壊滅戦争」時) にこの違いが宇宙の歴史に大きく影響した事例を紹介しておく。それは「宇宙戦艦ヤマト」最終話において語られた空間磁力メッキによるデスラー砲の反射である。これはデスラー砲が左旋波成分のタキオン粒子のみの単一旋波ビームだったからこそ、空間磁力メッキで反射できたのである。もしもこれがハイブリッド旋波の波動砲であったならば、タキオン粒子ビームがヤマトの空間磁力メッキ層に到達したときに時空ひずみ(特に両成分の混在により非常に複雑になる時間歪 -物理的に表現するならば、タキオン波動方程式<Langmure-Jinno方程式>の時間項の虚数成分の変分が非常に複雑な周期変動をする-)に耐え切れず、空間磁力メッキは消滅し、ヤマトはタキオン粒子波動による時空間歪により消滅していたであろう。

空間磁力メッキは電磁波・粒子ビームだけでなく、時間変動波も条件次第では反射することが可能だったのである。このことは開発者の真田志郎でさえ開発時にはまだ認識していなかったのである。(地球のタキオン波動物理学はまだ黎明期であり、波動エンジンのメカニズムが理解されていなかったのだから、いたしかない。むしろ、そのような段階で不十分とはいえタキオン波動ビームを反射できるデバイスを偶然であれなんであれ、開発できたと言うのは真田の非凡さを示していると理解するべきであろう。)その意味では、空間時力メッキとも呼べたのである。そしてあと二つ偶然が存在していた。ひとつはデスラーが必中を狙ったためヤマトの舷側面の法線方向からデスラー砲を発射したことである。これにより、デスラー砲から放たれたタキオン波動ビームは正確にデスラー艦に戻ってきてしまったのである。そして最後の、もうひとつの偶然、左旋波の波動ビームの収束性がさらに歴史を(ガミラスの運命を、というべきか)弄ぶのである。ヤマトにとどめを刺さんとしてデスラーが放った必殺のデスラー砲はヤマト舷側に命中する。通常のレーザなどの電磁波兵器であったなら、もしくはデスラー砲が右旋波の波動ビームであったなら、ヤマト舷側の形状が凸面であったため反射されたビームは拡散し、反射ビームのエネルギー密度は低く、デスラー艦はほとんど損害を被ることも無かったかもしれない。しかし、デスラー砲は左旋波のタキオンビームであっため強い収束性を持ち、凸面のヤマト舷側で反射されても、収束の方が強く、反射ビームは高エネルギー密度を保ったまま、デスラー艦を直撃し、これを時空歪により破壊してしまうのである。

「もしガミラスがタキオン波動の両成分を使用していたら…」、「もしデスラー砲をヤマトの真横以外の角度から発射していたら…」、果たしてどうなっていたであろうか? 宇宙史を振りかえるとき、Ifの興味は尽きることは無い…


注 (1) : 一般にはエネルギーが高いと光は白から青、紫になるので高エネルギー状態が赤いのは奇異に思えるかもしれないが、波動ビームの発光はタキオンの脱励起によって生じるため、黒体輻射などとは違って、タキオンの励起レベルに依存する。タキオンのエネルギーレベルは、通常の原子と同じように、高エネルギーのレベルがエネルギーに対して密に存在するため、カスケード輻射時に波長の長い、すなわちエネルギーの低い赤い発光が見られるのである。しかも、タキオンは特殊なエネルギー準位の構造をしており、共鳴放射準位への上からの遷移は禁止されており、共鳴準位よりも上のレベルからの遷移はすべて、準安定状態に収束してしまうので、高エネルギーの波動エネルギー流は青み非常に弱い。これが高エネルギータキオン流が赤く、低エネルギータキオン流が青白く発光する理由である。

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