株式会社 中井建築設計事務所
Nakai Architect Design Office

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鉄と焼入れの話 2004.4.24
最近の鉄骨事情 2004.4.18
監理者不在で途中から監理委託された物件の例    2004.4.16
監理者不在で途中から監理委託された物件の例
この物件は、監理者が不在で工事の途中から監理の依頼を受けたものです。お施主様は工務店を信頼しきっておられましたが、現場を見ると問題は多数ありました。その一例を紹介しましょう。

写真はポーチに当たる鉄骨の柱脚部分で柱には仕上のためのモルタルが塗られています。下地はモルタル塗用の合板ですがその小口や下地材(モルタルより下に突き出ている部分)がこの後ポーチ床の仕上に埋め込まれることが分かります。
埋め込まれた木部は床をコンクリートやタイルで仕上ても水が浸入して腐りやすくこの状況では乾燥することはないと考えられます。下地が腐ればモルタルの剥離脱落にもつながるので寿命は短くなります。
施工者はそういった認識はまったく無かったようです。


最近の鉄骨事情

昨年の暮ぐらいから鉄骨の相場がじりじりと値上がりし、現在は値段の高騰と品薄で現場の工程にも影響が出ているところもあると聞きます。見積もりを取っても有効期限が3日と書かれていたりして日々状況が変わっているようです。鋼材業者に聞いた話では、鉄鋼メーカーは現在フル稼働していて出荷先の多くは中国に向いているとの事です。いずれにしても建築工事の場合工務店が見積もりをしてから契約、着工まで時間がかかるためこのような不安定な状況は早く解消されることが望まれます。

鉄と焼入れの話
一般に建築で使われる鉄(鉄骨や鉄筋)は柔らかい鉄を用います。柔らかい鉄とは、鉄筋をまげて加工することで分かるように柔軟な性質を持っています。反対に硬い鉄は刀や刃金など曲げると「パキッ!」と折れてしまう性質の鉄です。建築で使う鉄は地震などの変形で「パキッ!」と折れてしまうと建物は一気に倒壊してしまいますので、柔軟に抵抗して「グニャ」と時間をかけて壊れるように考えられています。しかしこの柔軟な鉄も溶接やバーナーの炎で焼かれると焼き入れしたのと同じように硬い鉄に変質してしまいます。鉄骨造で溶接する部分の代表は柱と梁の取り付け部分で、阪神淡路大震災ではこの溶接部分の近くが「パキッ!」と割れたような壊れ方が見受けられました。これは、溶接の際の熱が焼入れしたのと同様の作用を及ぼしたものとして、以後溶接時の熱の管理が問題となってきました。対策としては溶接は同じ部位を数回にわたり行うので、加熱しすぎないように間隔をあけて行うことになりますが、溶接作業をする工場では効率が悪くなりあまり積極に取り組んでいただけない場合もあり、事前に指示しておく必要があります。このように、同じ形のものを見積もりをするにしても施工の仕方によっては手間をかけると、その分費用もかかることが分かります。