晴天の日
カウンター999をゲットした とらい晶様からのリクエスト作品です。
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とある町の天気のよかった日の出来事
港町に停泊中のGM号。
今日の居残りは、緑色の髪に深緑の瞳を持つ剣士ロロノア・ゾロ。
居残りで見張りのはずの彼だが、今日も、甲板で欄干にもたれ胡坐をかいた格好で、昼寝を貪っていた。
いつもと変わらない風景
なのに、今日は何かが違っていたのかもしれない。
「おーい、ゾロっ!お前、サンジと喧嘩でもしたのか?てか、いつの間にか別れたりしてたのか?」
遠慮のないウソップの声で目を開くと、彼は自分の顔を覗き込むようにしゃがんでいた。
なにやら腑に落ちない顔をして俺の答えを待っている。
俺達の関係を知っていて容認してくれている仲間のうちの1人だけに、発言の内容も容赦がない。
「・・・・そんな覚えはないな・・・・」
「だよなぁ・・・・・じゃ、あれは何だったんだ?・・・・・」
ウソップは腕を組んでなにやら考え込むようなしぐさをして、俺のことをチラチラと見ている。
これは、俺に話を聞いて欲しい時のポーズだということがわかっているから、あくびをしながら、「なんだ?」と聞いてやることにする。
ウソップは身を乗り出すように俺の目の前に正座をすると、勢いよく話し出した。
話半分のつもりで聞かないと、こいつの話に振り回されて偉い目に合う。
「いや、実はな、俺様の天才的な腕を発揮するための掘り出し物がないか、町をぶらついてたら、まあ、これがいろいろといい物が揃っててだな、買うか買わないか迷ってたわけだ。なんとそこに、なにやらソワソワした様子のサンジが俺様の目の前を横切って行った。そこで、俺様は、サンジの様子がおかしいことに気づき、後をつけることにした。何か隠してるなと思ったとおり、そこに誰がいたと思う?」
ウソップは、自分の話に酔ったように、ベラベラと一息に話す。
もちろん、大げさな身振り手振りも忘れない。
(この長っ鼻!人の顔に人差し指を突きつけんじゃねぇっ。)
眉間に皺を寄せて睨みつけたが、ウソップは、別に答えなんか期待していなかったというように、飄々とした態度で続きを話し始めた。
どうも、慣れすぎてお互いの関係に緊張感が無くなってきているらしい。
最近では、すっかり、自分が睨んだくらいでは無視されるようになってしまった。
ナミが睨んだ時は、ビビリまくるクセにだ。
よくない傾向だな・・・。
「なんとそこには、ルフィの兄貴が待ってたんだ。さすがの俺様でも、のけぞるくらい驚いたぜ。エースとサンジが2人きりで会ってなんて不思議だったから、そのまま2人の行く先を追いかけたら・・・・・やつら、小さな宿に入っていったんだ。チェックインも済ませているらしくて、2人で部屋に直行だったぜ。流石に、それ以上はついていけないから、宿の前で、しばらく待ったんだが、出てこないんで、諦めて帰ってきたという訳さ!!」
へへん、どうだい、俺様の情報は!
とでも言いたげに、腕を組んで胸をそらせ、得意げな表情だ。
「ほお・・・・」
俺の発した声に、ウソップの身体がビクっと震える。
先程まで、俺が睨んでもへとも思っていなかったウソップが、どうやらかなり不穏な空気を感じ取ったらしい。
全身がガタガタ震えて、冷や汗まで流し始めている。
「うおっと、そうだった!いけねぇっ!買いたい物があったんだった!!じゃな、ゾロ。もっかい町まで行ってくるわ。」
俺が口を開くよりも早く、そう勢いよく言い切って、さっさと走って行ってしまった。
「ああ。今度は、余計なお節介焼くんじゃねぇぞっ!」
ウソップには聞こえていないのはわかっていたが、言わずにはいられなかった。
なんで、そんな話、土産にもってくんだ。
知らなきゃ、それで済んだことだったろうに。
冷静に考えているようで、ゾロの拳はきつく握られ、眉間には皺が寄り、コメカミには血管が浮き出ていた。
このいらだたしい気持ちが、ヤキモチってやつなんだろうと頭の隅の方の冷静な部分で思いながら、目の前の景色が赤く染まっていく気分にしてくれた金髪の恋人の帰りを今か今かと待ち続けるしかなかった。
「なんだ?珍しいな、出迎えなんて。そんなに腹でも減ったのか?」
船から降りて、帰りを待っていたゾロの姿をとらえて、小走りに走ってきたサンジは、満面の笑みをたたえながらも、不振そうに小首をかしげ、買い物の大きな袋を抱え直した。
いつもなら、ゾロを幸せな気分にしてくれる、サンジのその美貌も綺麗な目もサラサラの髪も、全て今の最悪な気分を増長するものでしかなく・・・・いや、もちろん、好きなことは好きで、だからこそ、その大切なものを、他のヤローなんかの目に入れさせたサンジ自身に、カワイさ余って何とやら・・・な気分な訳で・・・
ゾロは、サンジが抱えていた荷物を片手で軽々と引き取り、キッチンまで運ぶ。
「さて、夕飯の準備をはじめるか」と腕まくりをしたサンジの腕を掴んで引き寄せる。
「どうした?今日は変だぞ?」
心配そうに見上げてくる瞳に、危うく吸い込まれそうになりながらも、寸前のところで、踏み止まり硬く一文字の形になっていた口を開いた。
「エースに会ってたって?」
「え?何で知ってるんだ?」
「ウソップがワザワザ報告してきた。」
「ちょっと、約束してたことがあったんだ。」
「宿に入っていくのを見たらしい。」
「へぇ、そうなんだ・・・・」
サンジの態度は、動揺してるようには全く見えず、ゾロが何を考えているのかが知りたくて、真っ直ぐにゾロの目を見つめていた。
ゾロは、澄んだ湖のような輝く青い瞳からツイと目を反らし、掴んでいた腕をそのままに、サンジを引っ張るようにして歩き出した。
船を降りて町の方へむかってズンズン進んで行く。
何も言われず、何処に行くかもわからずに腕を引かれているサンジは、たまったものではない。
掴まれた腕が痛くて、「引っ張らなくてもついて行くから離してくれ」と訴えても答えてもらえない。
それでも、そんな態度に納得出来る訳はなく、諦めるわけにはいかない。
「何だよ。何処に行くんだ?そんなに引っ張らなくても自分で歩くから!!」
腕を引くゾロの顔が見えなくて、何を考えてるかわからなくて、不安になる気持ちを抑えて、何度も同じことを繰り返し訴えた。
「どこだ?」
「何が?」
「やつが泊まってる宿は何処だ?」
「待てよ!」
必死の力で、ゾロの歩みを引き止める。
「何で、エースの宿に行く必要があるんだ?」
「・・・・・」
「・・・・まさか、俺とエースのことを疑ってる訳じゃないよな。俺はそんなこと」
「知ってる」
もしも自分が浮気をするような人間だと思っているのなら、絶対に許さない。
蹴りを脳天にぶち込むくらいでは、気がすまないぞ、という気迫を込めて詰問していたサンジのセリフの途中で、ゾロの言葉が重なり、とぎられる。
「疑っている訳じゃない。お前が、そんなこと出来ないなんて知ってる。当たり前だ。」
蹴り入れようとまで思っていた場面だったのに、ゾロの素直な飾らない言葉を聞いて、ちょっと胸の奥がポウっと暖かくなって先程までの事を忘れそうになる。
信じてもらえていると、こうやって言葉にしてもらうのは初めてで。
何も言わなくても、わかってもらえているとは思っていても、それでも、実際に言ってもらえたら嬉しくないわけが無い。
でも、その嬉しい気持ちをひとまず、横に置いておいても、この行動の意味を追求しないといられない。
「じゃ、何で?」
「お前は、やつの気持ちを知らない。」
「は?」
「なにか理由があったんだろうが、それでも、やつの部屋に入るのは許せん。」
「・・・・」
「しかも、ウソップなんかに見られて、変な想像されたことも許せん。」
「・・・・・はぁ・・・変な想像ねぇ・・・で、エースの居場所を言ったらどうなる?まさか、殴ったりとか」
ウソップのクソ馬鹿が!と当人がいないところで罵倒してもしかたないが、帰ったら1度締めておく必要があるだろう、などと物騒なことを考えながら、サンジは殺傷沙汰にだけはならないようにしなければと聞いてみる。
サンジとエースが暴れたら、宿に迷惑がかかるのは必至だ。
「そんなことはしない。やつに会いたい訳じゃないからな。」
「なら、何だって宿なんかに・・・・」
と聞いても答えないだろうことはわかってたけど、一度結ばれた口は開かないのを、いちおう確認する。
「・・・わかった、何もしないと約束するなら・・・それで、お前の気が済むならしゃーねぇな・・・・こっちだ。」
まだ、腕を離そうとしないゾロを今度はサンジが前に立って先導する。
なんだって俺は、またこんなところに戻ってきてるんだろう・・・・そんな思いを押し殺し、愛しい恋人の気の済むようにしてやろうと言う仏心が、この後、悲劇?を呼ぼうとは、この時のサンジには知る由もなかった。
「で?エースの隣の部屋なんか取ってどうする気だ?」
エースが部屋にいる事をフロントで確認して、すぐさま空いていた隣の部屋にチェックインしたゾロに
(いったい何をするつもりなのか、今度こそはっきりさせてもらうぞ)とサンジは気合を入れてゾロに向かい合った。
「こうする気だ」
そう言って、部屋に入って何秒もしない内に、ゾロはサンジを抱きしめ、その綺麗な色白の顔を上向かせ、いつでも赤く誘うように濡れ光っている唇を己のそれで塞いだ。
「んっ」
ゾロの舌は性急にサンジの歯列を割り、口腔内に進入し、サンジの舌を捕らえると甘噛みし、からめあい、口腔内のいたることろを弄り、あまりの気持ちよさに、サンジの身体の力が抜けるまで、永遠かと錯覚するほど深い口づけが続く。
たったそれだけの行為なのに、サンジの身体は蕩けるように熱くなっていく。
愛しい相手には、考えるよりも先に身体の方が素直に反応する。
膝がガクガクとして、自分の身体さえ支えるのが困難で
力の入らない体を腕1本で支えてくれる逞しいゾロの身体にすがりつき、サンジは誘うような濡れた瞳で見上げた。
「どうゆう・・・・ことだ?」
身体は熱くなって続きをせがんでいても、大きな疑問がサンジの頭の中を閉め、それが理性を保たせていて、質問を忘れさせない。
ゾロは眉間の皺をそのままに、吐き出すように答えた。
「見せしめ・・・じゃないな・・・警告・・・・いや、一番近いのは、お仕置きか・・・・。」
「え?」
「男を誘うお前の身体と、人のものに色目を使うヤツに・・・手を出させない為の牽制も兼ねてるな。」
服の上から胸の蕾を手のひらで擦るように動かすと、痺れるような感覚が、ズクズクとサンジの腰を重くする。
「なに・・・言って・・・・・は・・・・ん」
サンジからすれば、ゾロ以外の男を誘った覚えもないし、言い掛かりにすぎない。
そんなことでお仕置きされるなんて屈辱的なことなのに
自分のことで嫉妬と独占欲にまみれている目の前の男に感動すら覚えてしまう。
だって、出会った頃は、あっさりしてクールで、こんなに深くて熱いヤツだなんて思いもしなかったから
今、この時、自分だけを思って嫉妬の炎を燃やしている姿を見せられて、怒ることなんて出来っこない。
明けても暮れても、剣のことだけにしか興味がないようなこの馬鹿がつくほどに真面目な男が、俺を自分のものだと態度で示してくれている。
こんな強い思いを魅せられて嬉しくない訳がない。
「クソ馬鹿だな・・・・」
サンジはゾロにしっかり聞こえるように、微笑みながら言ってやる。
もちろん、両腕はゾロの首にまわしながら。
ゾロはサンジの細くしなやかな身体をベットに横たえると、口づけから愛撫を再開させる。
シャツをズボンから引き抜き、裾から直に肌をくすぐるように優しく愛撫すると、サンジの白い肌は滑らかな手触りで答えてくれる。
まるで手のひらに吸い付くようなその感覚は、ゾロを誘っているようで、たまらない気持ちにさせる。
自分をこんな気持ちにさせる人間が、決闘相手以外でいるなんて過去の自分は考えもしなかった。
愛しくて大切にしたいのに、その気持ちが溢れすぎて、自分でもどうすることもできない。
優しくしたいのに、我慢できなくて、苦しめてしまう。
そんな自分を、この目の前の存在は優しく包み込んで許してくれる。
いつも、どんな時も、疑うことを知らないかのように、俺だけを信じて、身をまかせてくれる。
この愛しい存在を、俺は必ず守り抜いてみせる。
世界一の剣豪になって、必ず!
守る、なんて言ったら、『俺はそんなに弱くねぇ』って蹴られそうだから口には出さない。
それでも、もし、神様ってやつが本当にいるなら、誓ったっていい。
俺はこいつの為に生きていくことができると。
ゾロの大きな手のひらで、軽く一なでしただけでサンジの白い真珠のような肌は淡く色づき、くすぐったいようなもどかしい感覚を与えていく。それが、徐々に気持ちよさに変わってサンジの中心を硬く立ち上がらせてゆく。
フルフルと快感に震える身体が愛しくて、ゾロは、サンジに愛撫を施しながらも、自身の欲望に身体中の血液が集中していくのを意識した。
だが、今は自分の欲望よりもサンジを気持ちよくさせる方が先決であり、それこそが、ここに来た目的にもつながることなのだから、我慢しなければならない。
長袖のシャツのボタンを外してサンジの身体から脱がせると、その脱がせた服の腕の部分を使って、サンジの両腕を縛る。同じように、先に外していたネクタイで、目を隠すようにしてしばった。
「やめっ・・・・んっ・・・」
言いかけた唇をゾロは自分の唇で塞ぎ、深く舌を絡ませる。
「ん・・・・・・ん・・・・」
快感を産むゾロの手のひらが、両頬から首すじ、鎖骨、胸へと移動していく。
見えないことで、いつもの何倍も移動していくゾロも愛撫を肌で感じてしまうようだ。
胸の小さな蕾は、指で2,3度こねたようにしただけで、赤く立ち上がり硬くしこる。
しつこいくらいにその行為を続けるとサンジの口からは熱くて甘い吐息が漏れ始め、息が苦しくならないように被いかぶせるように奪っていたサンジの唇を解放した。
「あ・・・・んん・・・・は・・・・あ」
解放された口からは、絶え間なく続けられる愛撫へ快感を示す喘ぎ声が漏れ出す。
指だけでは満足しない蕾を濡れた舌で舐るように転がし、空いた片手はズボンの上からサンジの欲望に触れ、軽く握る。
ゾロとの行為に慣らされた体は、この後に与えられる快感を想像し、腰へと更に熱を溜めていく。
舌での愛撫を続けながら、ベルトをはずし、ファスナーをさげる。
ジジジジという音すらが、愛撫のように欲望を高める。
ゾロは下着に手を差し込み、直にサンジの欲望に触れ、硬くなっているのを確認するように軽くさすり、胸の蕾への愛撫を続けながら、サンジの衣服をすべて剥ぎ取った。
サンジの生まれたままの姿は美しく、ほのかにピンク色に色づく白い肌は、なまめかしく男を誘う媚薬のようだ。
ゾロの目に惜しげもなくさらされたその身体を、更に淫蕩で貪欲な自分だけの身体へと変えてゆく。
愛撫を続けるゾロの舌は、胸から無駄な肉のない腹筋でおおわれた腹へ、更に、その下へとゆっくりと移動してゆく。
自らの腹を打つくらいに立ち上がったサンジの欲望には触れず、やわらかな内モモへ舌をはわすと、サンジは耐えられないような喘ぎをもらした。
「や・・・・ああ・・・・あっ・・・」
しばらく、じらすように近くの感じやすい部分ばかりを責めていたゾロも、サンジの腰がじれたように揺れてきたのを見て取り、先走りの液をしたたらせている欲望に舌をのばす。
最初はコリコリとしこってきた玉を優しく舐り、裏スジを根元から先端へと舌を這わす。
サンジは、一番触れて欲しかった所への愛撫に喚起の喘ぎをもらし、あまりの気持ちよさに、自由にならない腕で、ゾロの頭を抱えるように押さえつけていた。
敏感な先端の部分をチロチロと尖らせた舌で突いてやり、軽く歯を立ててやる。
「あっ・・・あっ・・・もうっ・・・!」
喚起の声を上げたとたんに白い液体を自らの腹へと弾かせた。
一度イッて力を無くした若茎をねろねろとしゃぶり続け、すぐに力を取りもどしたのを確認すると、ゾロは、サンジの腹にねっとりと飛び散っている液体を自分の指に絡ませ、その指を、ゾロの欲望を待って息づいている秘口へとゆっくり挿し入れた。
サンジのそこは、抵抗無く指を飲み込み、誘うように収縮して締め付けて。
「アアアアッ・・・・・」
指を蠢かしてかき回しながら、シコリのようになった部分を指先で探りあてる。
ビクンと跳ねるようにサンジの背中が反りあがる。
「あっ・・・あああああっ・・・や・・・め・・・」
ゾロは、そこばかりを責め続け、止めてと泣いて訴えても動きを止めない。
背を弓のようにしならせ汗を飛びちらせて、サンジの身体が妖しく蠢く。
「はあ・・・ああああん・・・・あああっ」
歓喜の嬌声が部屋の中をこだまする。
指を増やしながら抜き差しを繰り返し、同時に欲望をくわえ込み何度も指のリズムに合わせて顔を上下させ、先端を吸ってやると、サンジは2回目の精をゾロの口中に吐き出した。
ゴクリと喉を鳴らして飲み込むと、はあはあと荒い息で胸を上下させているサンジの細くて形のよい足を肩に担ぐようにして、ゾロは己の欲望をサンジの秘口に押し当て、ゆっくりとサンジの中へと入ってゆく。
サンジの中は、
熱くて
包み込むように蠢いて
気持ちよくて
我を忘れて突き上げたい衝動に駆られながら、なんとかそれを耐えて最奥までの挿入をはたす。
サンジの中や入り口を傷つけないように、自分の大きさに慣れるまでゆっくりとした抜き差しをくり返す。
指とは比べ物にならないくらいのゾロの太くて硬い欲望は、異物感と痛みをも伴っていたが、だんだんと、それだけではない内臓を擦り上げられる妖しい喜びにも火をつけて、サンジを堪らない快感へと導いていく。
「う・・・・ん・・・・は・・・ああ・・・」
最初はゆっくりだったリズムが、次第に早くなって。
それにあわせるように浮遊感が増して、快感だけが身体を支配していく。
快感を追いかけて追いかけて下肢の指に力が入る。
「あっ、あっ、あっ・・・・ああっ!」
自分のあまりに大きな喘ぎ声に、自分で驚いて、少しだけ羞恥心がもどってくる。
これでは、壁の薄い隣の部屋にいるであろうエースに自分の声が聞こえてしまうと、今更ながらに、喘ぎ声を漏らさないようにサンジは自分の口を自分の腕で塞ごうと縛られた両腕ごと口に運ぶ。
その腕をゾロは容赦なく外ずす。
「なん・・・・で?」
「声を抑えられるなんて、まだ、余裕があるんだな。」
そう言ってゾロはサンジの足を肩に抱え直し、更に腰を激しく打ちつけ、サンジの欲望にも手を伸ばす。
「あ・・・ふ・・・・ああっ・ああっ・ああっ・・」
余裕なんてない
もう、限界が近づいて
何も考えられなくなる
恥ずかしさなんて、もうどうでもよくて
何処もかしこもがゾロから与えられる快感で、いっぱいで
「はぁ・・・・俺を感じろっ!・・・・・俺だけをっ!」
サンジはガクガクと頷きながら、すがりつくものが欲しくてゾロの首に腕を伸ばす。
力強く突き上げる欲望を締め付け、逃すまいと熱く絡み付いてくるサンジの身体が愛しくて、ゾロの欲望は質量と硬度を増し、突き上げにも更に熱が入る。
「もう・・・・・駄目・・・・早く・・・・はあ・・・あっ」
その言葉が合図のように、ゾロは一際大きく腰を引くと、最奥まで届けと腰を打ちつけた。
「アアアアっ!!」
「クッ!!」
頭の中が真っ白になるその瞬間、サンジは3度目の吐精を果たし、痙攣して締め付ける秘口に搾られるように、ゾロもサンジの中に己が欲望を吐き出した。
ガタン
「お前らーっ、いい加減にしねぇかっ!!!」
その声の主は振り返らずとも誰のものかわかる。
いつもの飄々とした姿は何処えやら
座った目で抱き合う2人を睨みつける火拳のエース。
ゾロはその姿を横目で確認するとニヤリと微笑んだ。
一度吐き出したくらいでは力を失うことはないゾロの欲望は、まだ、サンジと繋がったままだ。
その腰を軽くグラインドさせると、サンジは濡れた嬌声をあげた。
「や・・・あ・・ん」
快感を貪っていたサンジに羞恥は見られない。
どうやら、あまりの快感に意識が飛んでしまっているらしい。
ここまで、うるさく入ってきたエースの存在に気づいてもいないようだ。
ゾロは、先程までと同じようにサンジの中へ入ったまま、腰を動かしはじめた。
ゾロ自身も侵入者がいることなど忘れたかのように、快感を追いかける。
グチュ
ズリュ
ヌプ
2人の繋がり貪りあう音が響く
アッ、アッ、アッアア
あ・・・ん・・はぁ・・・ん
快感に忠実な喘ぎ声は止むことなく
濃密な2人だけの世界を彩って
お互いだけを
お互いの存在だけを欲していた
「くそったれがっ!!」
どうにも止まらないバカップルに呆れたように荒々しく部屋を出て行くエースの表情は、意外にも晴れやかだ。
「釘なんか刺さなくたって、最初からんなこたぁ、わかってんだよ。」
あの美しい人の心が誰のものかなんて、今更、確認しなくたって最初からわかっていたことだ。
それでも、少しでもかかわりを持っていたいと望むくらいいいじゃないかと、未練たらたらなのを見抜かれてしまったようだ。
「あのやろー容赦ねぇなぁ。」
クククと喉の奥から笑いが込み上げる。
「あいつに任しときゃ、心配ねぇ・・・か・・・。」
心惹かれた人の幸せを
願うのは余計なお世話だろうか
「そうだな・・・まず、自分の世話が先か・・・・」
夜の喧騒に包まれた町へと歩き出す。
うずく腰をどうしたものかと苦笑いを浮かべながら。
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約2年前に晶君からいただいたリクエストでした。
遅くなってごめんなさい。
テーマは「サンジの浮気」。
ゾロ視点で、サンジが実際に浮気(男女問わず・笑)したかどうかはお任せ。
というリクエストをいただいておりました。
果たして、そのテーマ通りに書けたのか?
皆様のご意見をお待ちしています。
このリク作
途中まで考えていながら、進められず捨て置かれておりました。
闇の部分だけになることに2年前の私が耐えられなかったからか
いまでは理由も思い出せません。
でも、たぶん
もっと、ゾロ様をかっこよく
更にグレードアップして!
とか、無いものねだりばかりしていたに違いありません。
私は、そういうヤツです。(笑)
でも、それで作品が作れないのなら、やってる意味がない。
ゾロとサンジのラブラブが書きたくて始めたサイトなのに
自分の作品がなきゃなんにもならないじゃん
少しでも精進して、少しずつでも面白い作品が書けるようになればいいんだから
今、自分の書ける精一杯の物で答えていけばいいんだ
そう思えるようになった2年後の自分がいます。
妥協ってわけではないと思う
それが、ありのままの今の自分
そう思えるから、この作品を発表します
作品って言えるほどのものじゃないけど(笑)
今の自分の中にある言葉で、2人の愛を書き出したから
エッチがたいしたことなかろうと
文章が稚拙だろうと
ラブラブが書ければ、それでしあわせ〜vvv
(ってそれが言いたかったんかいっ)
かっこよいゾロ様は大好きだけど、人間臭いところがあったって
幼い部分があったっていいじゃない?
そこに愛があれば
ね?
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