3番目の月

2002年3月2日のサンジの生誕記念に投稿した作品に加筆修正を加えた物です。

初めて書いたゾロサン。しかも、邪使用!!

お恥ずかしいものではありますが、少しでも気に入っていただければ幸いです。




3番目の月         2002.3.2サンジバースデー記念に「SACRA」とらい晶様に捧げたものに少し加筆修正
「敵襲だー!!」

 見張り台から、ウソップの叫び声が聞こえる。

 台所で昼の準備をしていたサンジと、手伝いをしていたチョッパーは

 そのままラウンジを飛び出して見張り台のウソップが指し示す方角に目を向けた。

 大砲の音がいくつか近い所でし、海に水しぶきがあがっている。

 「おいおい、結構でかいんじゃないか?昼飯の時間が遅くなっちまうぞ?」

 さすがGM号の乗組員だけあって、初めから負ける事は考えてもいない。

 (クソみてーな輩より、食事の事の方が重大事だ。)

 「チョッパー、クソ腹巻起こして来い。あーあと、クソゴムもだ。」

 真剣な瞳で見上げてくるチョッパーにそう伝えると、彼は「わかった。」と

 大きく頷いて船尾に向って走り出した。

 「さーて、簡単に片付けちまうか・・・。」





 (ルフィとゾロと3人で30人ずつ相手にすりゃいい。ていうか、そんなにGM号は一度に乗り込んで来られるほど大きくねぇが・・・。)

 ルフィは早々に何人かまとめて海にぶち込んでいる。遥か彼方に飛んで行く影も見えた。

 「ご愁傷様。我らが船長に喧嘩を売っちゃぁ、無事には帰れねぇな。もちろん、俺にもだがな。」

 周りを取り囲まれていようが関係なく、タバコを取り出すと火を付け、大きく一口吸って煙を吐き出した。

 そんな態度が相手を刺激したのか、汚い言葉を吐きながら襲い掛かってくる。

 「慌てなさんな。すぐに、うまい料理を出してやるから。まず、首肉!!」

 一番手近な1人に蹴りをぶち込む。

 「肩肉!!背肉!!胸肉!!・・・・」

 次々と蹴り飛ばしていくと、残ったやつらは、距離を取り直しそれぞれの武器を構え直した。

 「あまり時間をかけてられねぇから、とっととまとめてかかって来な。」

 間合いをつめようとしたその時、目の端にラウンジに向おうとしている奴をとらえた。

 (やばい、ナミさんとビビちゃんの可憐なティータイムを邪魔されちまう。)

 なんとか、敵を乗り越えてあそこまで行けないものかと算段している、その時。

 ウソップが見張り台の影から打ち込んだ弾が、見事に敵に命中し

 ラウンジ前から敵を移動させる事に成功した。

 サンジは、ナミ達の「優雅なひと時」の無事にホッと一息ついた。




 ただそれだけで、敵から目を離したつもりはなかった。

 だが、その、ほんのわずかな隙に。

 まわりを取り囲んでいた連中が、輪を狭めて一気に襲い掛かろうとしているのに、

 一瞬気付くのが遅れてしまった。

  (ちっ、間に会わねぇ。骨の一本ぐらいはくれてやるか。)

 そう覚悟した目の前に、黒い影が疾風のように立ちはだかった。

 「よお、ラブコック!!よそ見してると料理が焦げ付いちまうんじゃねーか?」

 「うるせークソまりも!!てめーこそ、受け損なってんじゃねぇっっ!!」

 ゾロは目の前で俺が受けるはずだった剣やヤリのようなもの十数本を3本の刀で受け止め、

 俺の足を狙っていた1本の鉈を自分の左脇でおさえて、

 その鉈の刃からは真っ赤な血がしたたっていた。

 「ゾロっっ!!!」

 「心配すんな。俺ぁ、二度と負けねぇって誓ったんだ。こんなところで殺られたりしねぇっ。」

 その後のことは、

 早くこの戦いを終わらせなければと

 ただそれだけで

 自分がどうやって敵を片付けたのか、よく覚えていない・・・・・。





  









 決して油断してたわけじゃねえ。だけど、実際、俺のせいでゾロの傷を増やしてしまった・・・。

 チョッパーに手当てをしてもらい、怪我をした当の本人は「大したことねぇ。寝りゃ治る」

 と言ってそのまま本当に眠ってしまった。



 真っ白な包帯の下に隠れている、左わき腹の抉れたような新しい傷・・・。

 自分が傷つけられたほうが、どんなに楽だったか。

 きっと目の前で眠っている男にはわからないだろう。

 かばわれた事で

 しかもそのせいで大切な存在が傷ついた事実に

 本当の傷は無くても、同じぐらい、いや、それ以上に心の傷が痛む事を。

 思いが強ければ強いほど、痛くて・・・・・、胸が痛くて、喉の奥も痛くて、

 身体中が悲鳴をあげてるように震えてくる。

 祈るように握り合わされた手が、小刻みに震えて止まらない。

 ゾロが怪我をするなんて、今までいくらでもあったのに、

 なんで、こんなに苦しいんだろう。

 いや、今回だけじゃない。

 今までだって苦しかった・・・。

 でも、大切だって気持ちがどんどん大きくなって、その気持ちと同じように

 苦しさもどんどん増えて・・・・苦しさが増えれば増える程、その分自分の心が弱くなっていく・・・・・。

 強くならなければいけなかった。

 じじぃを守れるくらい強くなったはずだった。

 なのに・・・・・、何にも負けない強い自分でいたいのに・・・・・。








 「泣くな・・・・」

 いつの間に目がさめたのか、ゾロの右手がサンジの頬にふれた。

 「泣いてねぇ!!」

 そう言った勢いで立ち上がろうとした腕を掴まれる。

 「なっ?!」

 思い切り腕を引っ張られ、バランスを崩してゾロの身体の上に倒れそうになる。

 なんとか、ぶつかる前に自分の身体を支えることに成功したが、もう少しで傷口の上に落ちるところだった。

 (危ねぇじゃねーか!!)

 そう言おうとしたサンジの唇は、ゾロのそれで塞がれて言葉にすることができなかった。

 「んっ・・・・・・ん・・・」

 歯列を割って深く、深く、口づける。

 何度も繰り返されるその行為が、それだけで身体を熱くしていく。

 「傷が・・・・ぁ・・・・・」

 あおられたサンジの身体から力が抜け、ゾロは身体の位置を入れ替え、上から覆い被さった。

 全てを知り尽くしたゾロの唇と舌、そして手が、サンジの身体に優しく愛撫を施していく・・・・・

 今日のゾロの愛撫は、優しくて

 気持ち良いけど、なんだか少し恥ずかしくて

 感じながらも、色々考える気持ちの余裕ができてしまう・・・・

 あぁ・・・俺こいつの顔、好きだなぁ・・・・

 徐々に下に降りていくゾロの顔を見ながら、改めて愛しさをかみしめる。

 キリっとした男らしい眉、意志の強そうな目、

 時々意地悪く笑う口元も。

 顔だけじゃなくて、鍛えぬかれた傷だらけの身体も

 骨が太くてがっしりとした腕や指も・・・・・。

 そして、つややかに低く響く声。

 全てが愛しくてたまらない。

 力の入らない腕を伸ばし、ゾロの頬を撫でた。

 ゾロはその手のひらを口元にもってくると、微かに微笑みながら軽くキスをした。

 そのまま、くすぐるように手のひらで舌を移動させる。

 ただ、それだけの行為に、身体は電流が走ったような快感で震えてしまう・・・

 「あっ・・・・・・」

 これから起こる行為を期待するような、恥ずかしい声がサンジの口から漏れ出てゾロを次の行為へ誘う。





 「う・・・・ん・・・・ぁ」

 両の胸で色づく小さな果実の片方を舌で、もう片方を指でこねるようにされて、気持ちよさに声を抑えることが出来ない。

 「ゾ・・・ロ・・・そこ・・・・も・・」

 しつこく、そこをいじられ、自然に腰が揺れてしまう。

 ゾロは腹に押し付けられたサンジの果実を握り、先走りの涙を流している先端を親指で擦った。

 「やぁあ!!ぅぅんぁ」

 直接的な快感に腰が浮きかけるが、ゾロの強い腕で引き戻される。

 ゾロの舌が胸から腹をたどり下へと降りて行く。

 ゾロは躊躇なく口に含むと先端を執拗に舐め、吸い上げた。

 「うっ・・・・んん・・・・あっぅ・・・」

 声を抑えられない程の快感が全身を駆け抜け背中が跳ねる。

 「ゾ・・ロ・・・・も・・・がまん・・・できな・・・・」

 「まだだ。」

 耳元でゾロがささやく。

 低く艶やかに響く声。

 大好きなその声だけで、イキそうになるぐらい感じてしまう・・・

 なのに、今にもはちきれそうな果実の根元は、ゾロの指でギュっと押えられ、

 思うままに迸らせることができない。

 おかしくなりそうだ・・・・。

 「くっっ・・・・うっ・・・・」

 最奥の蕾を慣らそうと、ゾロの太い指が挿入される。

 しばらく中で指を動かし感じる所を探り出す。

 奥にあるコリっとした部分を擦られると、身体が勝手にビクビクと跳ね上がる。

 何度も繰り返し擦りあげながら出し入れされて、

 前の果実もはちきれそうなのに、出せなくて頭がおかしくなりそうだ。

 ただ、もう、性を迸らせることしか考えられない獣だ。

 「やっ・・・・・ぁぁあっ・・・」

 膝を抱えあげられ、ゾロ自身が蕾にあてがわれる。

 一度、ゆっくり最奥まで挿入すると、その後は、感じる部分を擦りあげながら

 リズムを刻んで出し入れを繰り返す。

 「んっ・・・・んっ・・・・あっ・・・・あっ・・・・」

 何度も何度も突き上げられる快感にシーツを握り締める腕に力がこもる。

 「ゾ・・・ロ・・・・」

 激しく突き上げるゾロの身体からも汗が滴り落ちる。

 何も考えられない・・・・・

 「もっ・・・・だめっ・・・・・」

 頭の中が真っ白になって気を失う寸前

 耳元で囁くゾロの声が聞こえた・・・・・。

 「サ・・・・・・・・」

 それだけで、頭の中がスパークした。










 あれから、どのくらい時間が経ったのか。

 目を覚ますと、隣でゾロが眠っていた。

 昨夜の行為が、傷に良いわけが無いことは、腹に巻いた包帯に血が染みていることであきらかなのに。

 傷口の上に、そっと手を伸ばすと、眠っていると思っていたゾロに腕をつかまれた。

 「傷口ひらいてんじゃないのか?」

 「ああ・・・、夕べ誰かさんが結構激しかったからな。」

 ゾロは、ふざけた口調で、笑いながら答えた。

 (こいつは−!!人が真剣に心配してんのに・・・・?!

  コイツもしかして、気持ちを軽くしてくれようとしてんのか?)

 「なんであんな無茶なこと・・・・」

 「お前が血ぃ流すんなら、俺が流した方が痛くねぇ。」

 「?!」

 「お前の血を流していいのは俺だけだ。」

 「は?」

 「血だけじゃねぇぜ。お前が流すものは全部、俺だけのものだ。夕べみたいに。」

 夕べみたいに、流すものって・・・・・・・・・・・!!

 「よく恥ずかしげもなく、そんなこと・・・・」

 ぼっと、顔に火がついたように熱くなる。

 ゾロは口の端を少しだけ引き上げた。

 「辛そうな涙を流しているお前はいただけねぇが、感じて泣いてるお前は悪くねえ。」

 「なっ!!」

 羞恥で頭に血が昇ってくる。

 ゾロの口端はさらに引きあがり、意地悪く目が笑っている。

 (わざと言いやがった)

 「このクソ剣士!!てめぇは元気が有り余ってるようだから飯抜きだ!!」

 「別にいいぜ。ナミかビビに作ってもらうかな。」

 そう言いながら起き上がると、身支度を整える。

 「ナミさんとビビちゃんに、そんなことさせられるか!!てめーは俺様の料理を

 食ってりゃいいんだ!!」

 ゾロは部屋を出て行こうとしていた足を止めると、ぼそぼそと何かをつぶやいた。

 「なんだ?」

 身体の向きを変え、引き返してくると、顎をつかまれ耳元で囁かれた。

 耳が弱いことを知っていて、しかも自分の声にも弱いことを知っていての確信犯だ。

 ついでに耳たぶまで舐めやがって。

 その後、しばらく腰が立たなくて立ち上がれなかった。

 でも、足の先から頭までユデダコのように真っ赤になったのは、それだけが原因じゃなくて

 囁かれた内容が大半の理由だった。




 「当たり前だ。おれぁ、一生お前を放すつもりは無ぇ。」





 知ってか知らずか・・・・

 それは、最高のバースデープレゼント









                         Fin    


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