ワールドゲームズ併設大会

楠見 耕介
秋田で8/16〜8/26に開催された第6回ワールドゲームズの併設大会に行ってきました。翌週の合宿が保育所の夏祭りのため参加できないところだったので、東北新幹線の2階建て車両に乗るのと東京ディズニーランドで遊ぶという家族旅行にくっつけて出かけてきました。

ワールドゲームズ(WG)は、オリンピック競技以外の各種スポーツが4年に一度集まっておこなう総合スポーツ大会です。オリエンテーリングは、第6回の今回が初登場です。バドミントンやトライアスロンなどWGからオリンピック競技になったスポーツも少なくないので、IOFも力を入れている大会です。フィンランドでの世界選手権の直後ですが、世界のトップ選手約80名が秋田に集まりました。
テレインは、93年のO-cupで使われた飯島砂防林です。南がわの旧「中野浜」がWG本戦(個人・リレーとも)の「飯島砂防林」、北側は若干北端をカットして「追分・出戸」として、WGのモデルイベントに使われました。地図は、オーストラリアのプロマッパーと山川プロなど日本を代表するマッパーによって作られたもので、縮尺1:10000等高線間隔が2.5mの精密なものが用意されました。
個人戦はWG独自のミドルディスタンスです。男女とも優勝予想時間は30分。それぞれ、5850m 20コントロールと5150m 17コントロールで、コースの途中で会場からみえる"パブリックコントロール"にもどってくるかたちになっています。さらに観戦者に配慮する形で、A・B・共通の3つのループからなっているコースを、A→B→共通に回るAグループとB→A→共通に回るBグループの2グループに分けられた選手が2名同時にスタートしていく方式が取られました。
伊丹からの飛行機の時間の関係で、18日の個人戦の走る様子は見られなかったのですが、表彰式をすこし見ることができました。プレゼンターにはIOFのスー=ハーベイ会長やJOAの小野清子会長が来ていて、こういう面でもWGに力をいれていることがうかがわれました。テレイン内で選手の走る様子は、19日の深夜にNHKのBSで放送されました。放送が1日ずれたので我が家では留守番の父親にたのんで録画してもらいました。
翌19日のリレーは、各チーム4名が男子→女子→男子→女子のWG独特のミックスリレー形式でおこなわれました。各走者20分あまりのコースで、もちろんビジュアルコントロールもあり、観戦しやすいレース展開になりました。日本チームは、他チームと力の差が大きく、3走松沢の時点で周回遅れになり、残念な結果になりました。
ビジュアルで会場横の土がけの斜面を駆け上がっていくスピードなど、世界のトップは一味違いました。でも、表彰式後コース解説のために拡大地図が貼り出されると、数人の選手がさっと集まってあーだこーだ話をはじめていたことや、チームを組めなかった選手なのかどうかわかりませんが、表彰式後、地図を持った選手がスタートへの誘導を走り出し森に消えていったりと、やっぱり、同じようにオリエンテーリングが好きなんだと感じる場面もありました。

さて併設のほうですが、18日土曜日には、WGのモデルイベントを利用した【体験イベント】、19日日曜には、リレーの表彰式後に【秋田大会】が行われました。トレイル-Oも2日間開催されています。
1日目のほうは、やさしいほうのテレインで、コースも道走りが多いということもあって、大きなミスなく、数年ぶりにキロ9分を切るレースが体験できて満足しました。直進も歩測もこの日は精度ばっちりでした。大林氏はその前日のモデルイベントの学習効果があったということで、キロ8分をきるレース振りでした。それでも、直前にスタートした奥村氏になかなか追いつけなかったとか、ラス前からのレッグで歩いてしまったとか、しきりに反省していました。
2日目は、WG本戦と同じコースを走るMECクラスにエントリー。Bクラス相当のBLUEにでた由里さんとの子守りバトンタッチもなんとかすんで、前日の反省から、熱中症対策に1リットルのエネルゲンを飲んでそのうえ直前に頭から水をかぶってスタート。前日と違って藪の中におかれたコントロールが多くて慎重に進みます。切り開きや小径をつかえるレッグもかなりあったのですが、そのぶんアタックでは細かい地図読みが要求されるところが多く、細かいミスを連発しながら2枚目の地図に。併設大会では、この地図交換がセルフサービスなので、まちがって女子エリートの地図をとるペナが続出してました。後半のループの一番遠い11番へのアタックで、枝を払った右ひじに1cmぐらいはある大きな刺が2本刺さって少々ショック。その影響か、次の緑の中の直進レッグで、コンタ2本分の尾根状のこぶをコンタ1本の尾根と思い込むパラレルエラーから5分以上の大ミスが出てしまいました。思ったより高いなと感じたのですが、そのときに地図で似た地形がないか確かめようとしなかったのが敗因でしょう。
それから、由里さんのレース中に子どもをつれてトレイル-Oをやったのですが、Nクラスながら結構楽しめました。芝生などのオープンとラフオープンの違いも理解していないと正解がわからないところもあって、地図記号の復習になりました。
旅行のもう一つの目的のこまち号の時間が迫っていたので話はできなかったのですが、MLによるとWGの女子コースをはしった桐田さんは、「つぼりまくり」だったそうです。

秋田のまちは、あちこちにWGの看板やのぼりがたっていて、それなりの盛り上がりを見せていました。スタッフ用のTシャツやポロシャツを着たボランティアが町のあちこちで見かけられました。大荷物をもってバスにのっても、親切に道をおしえてくれる人がいたりして、WGのおかげかなと感じたりしました。
また、加賀谷選手が数少ない秋田出身とあってメディアでもオリエンテーリングに注目していたようで、19日の秋田魁新報の1面には男子個人優勝のオーストラリアの選手が「人間カーナビ疾走」の見出しに写真・コメントつきで取り上げられ、スポーツ面には加賀谷選手の写真とコメントが大きく出ていました。

このあと、旅行は2階建て新幹線Maxとディズニーランドとすすんだのですが、帰りにぶつかったのが台風21号です。関空の連絡道が冠水した時間帯の到着便の予定だったので、翌日の便に変更して正解でした。本業とはいえ、この飛行機のことはじめ、この旅行では岡本加代子さんにはお世話になりました。

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