わがまま温泉日記 西山温泉 にしやま
下の湯 旅館中の湯
西山温泉へはJR只見線柳津駅バス30分

下の湯
住所 福島県河沼郡柳津町西山温泉 Memo:
入浴料 \400
電話 0241-43-2021
営業期間 通年
泉質 塩化物泉
旅行日 03/05/01
03/05/01
4年の歳月を経て、ようやくナベさんお奨めの湯を探し当てた。その名は「下の湯」。



コメント

下の湯 「下の湯」目指すが、なかなかたどり着けない。温泉組合の看板にその名は見えるが、この湯独自の看板はない。
 軒先で手作業にいそしむバッサマに、場所を尋ねようとクルマを降りて振り返った瞬間、もはや姿は消えている。何とも素早い、腰の曲がったバッサマである。あとは、呼べども呼べども、応答はなし。どこに姿をくらましたのやら、まさしく仙人の里なのである。
吊り橋を歩いて渡ると左手に「下の湯」 ここいらあたりの人たちって、見知らぬ人間を見つけると、すぐに家の奥に隠れるのよね! かつて、西会津の駐在所でも、同じような体験をしたのにはビックラこいたね〜。TVはつけっ放し、お茶は飲みかけ、それでいて、何度声を掛けても出てきちゃくれない・・・。
 「滝の湯」さんで場所を聞き、ようやく行き方を教えてもらった。このお宿、前回「中の湯」に泊まったときに、予約を真っ先に入れた記憶がしっかりあるのだ。で、なぜ泊まらなかったのかというと、「お盆だから休みにさせてくれ」だとさ。奥会津とはそんな土地柄。

ナベさん、こちらが山ノ内さんちでございます 吊り橋渡り、ごくごく普通の田舎屋を目にした瞬間、ワタシはナベさんになっていた。「そうだ、ここだ、ここだよっ!」てね。二十年ぶりに玄関の引き戸を引くと・・・。開かない〜! 「引いてもダメなら押してみな♪」 開かな〜い! 「こりゃ、あかん」と、大阪弁のダンナの嘆き。
 玄関の戸にカギがかかっているのだ。山ノ内さんちのまわりをグルリ回ってはみたが、野良仕事や釣りなんか、誰もやってはいない。ほんとに誰もいないのか、それとも仙人になっちまったか、どっちかだ。

浴室 いずれにせよ、家の主が顔を出すことあるまい。ふてくされながらの帰り際、悔しまぎれに風呂場の窓を引いてみた。窓の引き戸はスルリと滑る。
 その瞬間、ムッとするような湯気とともに、大好きな硫化水素臭。出入りのない浴室内に、ずいぶん溜め込んでいたようだ。
 浴室内に窓からお邪魔しようかと考えたくらいだが、住居不法侵入なんてかっこ悪いことになっても困るので、浴室内に上体を思いっきり突っ込み、クンクンクンクン、犬じゃないって! 居ぬはこちらの湯の主。
 お湯チョロチョロで温度調整。ダランと伸びた大きな湯の花、湯船の中で空しくさ迷う。遊んでもらいたそうに手招きしていた。



旅館中の湯
住所 福島県河沼郡柳津町大字砂子原字長窪884 〒969-7321 Memo:
一泊二食 \12,000
トイレ共同
電話 0241-43-2424
営業期間 通年
泉質 中の湯@塩化物泉 67.2℃ pH6.8
旅行日 99/08/12 03/05/01
コメント


03/05/01
以前訪ねた折には未だ建築中だった新館も完成し、松の植栽までが大地に根をおろしている。
家族が住むにしては、宿より立派な木造建築だな〜と感心していたのであるが、合点がいった。
まずは大浴場から始めて、徐々に設備拡充刷新中なのだろう。

 「湯の花がドロドロと浮いたお風呂」 十数年前に入ったときの感想を、友人のナベさんから聞かされていた。これはもう入ってみるしかないでしょう!

西山地熱発電所PR館にて ナベさんゆかりの西山部落を捜す。琵琶首なんて恐ろしげな土地まで行き過ぎてしまい、山深〜い部落で場所を聞こうとしたのだが、誰も出てきてはくれない。こわそうなヤクザと、サングラスをかけた情婦と運転手が、金返せとおどされているオヤジを取り囲むように、クルマから降り立ったのだから。
 同じことは、西山支所でも起こった。窓口の職員の目は、かわいそうにも・・・、泳いでいた。
 ちなみに、オヤジのナベさんも、ヤクザの丸ちゃんも心優しき人達で、東京駅近辺の超大企業に、ご精勤。それにつけても、大企業ってのはフトコロが深いなぁ〜。

中の湯 西山地熱発電所を見学したあと、川沿いの宿に入った。お盆の帰省といった感じの出迎えで、何の気遣いもいらない。お盆だから、食事は遅くしてくれと、宿のほうから言い出す始末。客を、この集落の出身者であるかのように思わせる宿なのだ。確かに、若干一名いるからね〜。
 ビールを一杯飲んだあと、別棟の大浴場のお湯をいただく。近隣の日帰り客が多いせいか、浴槽が大きい。いや、大きすぎて、湯口のあたりにいないと、熱い湯の大好きなワタシにはぬるい。
大浴場 反対に、本館の小さなお風呂から出る湯は熱く、微ゆで卵臭。翌朝もこのお湯にした。いずれも「湯の花ドロドロ」ではなかったが、どうやらお宿が違ったようだ。

 お土産コーナーなどもちろんない宿だが、お茶うけにいただいた黒砂糖のかかったまんじゅうが5袋、ショーケースに入っていた。近所のおばあちゃんが作っているのだそうだが、これがなかなかのお味。お土産に、全部さらえて買い占めてきた。

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