この頃、ワタシの興味は確実に「食」にあったようである。お部屋でおいしいランチをいただいて、温泉つかれば極楽、極楽。人目を気遣う必要もない。設備も行き届かない山奥の秘湯なんて、考えもつかなかった。

　ほんのわずかに白っぽい湯は、これまた、かすかに硫黄臭。言われてみなくては分からない程度のもの。まっ、眼前に迫る冬山のくすみを帯びた緑に囲まれながらの入浴なんだもの。気分の悪かろうはずがない。

　すぐ近くに日帰り温泉施設「さわらびの湯」もあり、こちらは木を多用した広々とした空間が印象深い。