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深大寺といえば、「そば」と「植物園」しか頭に浮かばない。自宅から10kmほど郊外(渋滞だと1時間以上もかかるのよ!)に位置するせいもあって、たまに訪ねているのだが、なんと東京のベッドタウンに温泉が湧いたというのだ。
案の定、住宅街の一角に温泉施設「ゆかり」はあった。自転車でやってくるご近所さんも数多い。山奥の秘湯では断じてお目にかかれぬ光景なのだ。
夏休み初日、同じような近場族がいるわ、いるわ。脱衣室では人をかき分け、フロントでもらったキーナンバーと同じロッカーを探しあてる。全部で14種類,20もの浴槽が楽しめるだけあって、浴室は脱衣室ほど混雑してはいない。
内湯は真っ黒に見える。一瞬、何て汚れたお湯なんだろうと、目の前が真っ暗になった。だが、もともと、コーヒーと原油を混ぜたような色のお湯なのである。湯口のところに「飲用できません」と書いてあったが、心配ご無用、これでは誰も飲まないだろう。
地下1,500mからくみ上げたお湯は、色だけではなく、ワタシ好みの熱さでもない。しかし、毎分180リットルの湯量というのは立派なものだ。どれだけ、この浴槽にまわしているかは知れないけれど・・・。ワタシとしては、温泉スタンドやらお湯の宅配をやるくらいなら、売る分まで浴槽に注ぎ込んでくれた方がありがたいけどな〜。
露天は真夏の日差しが浴槽の底までとどく。内湯とくらべると、ずいぶん薄めのコーヒーなのだ。それにしても、内湯と露天以外は、子どもだましのお風呂みたいで、ほんとに狭くて落ち着けない。
サウナはよく効く。ベンチに座ったとたん、出るわ、出るわ、全身から汗がしたたり落ちる。コップ1杯分の汗を流し、2階のお食事処で、ビールをコップ3杯ほど飲み、そば湯のつかないおそばを食べた。
ここは、城山亭という料理屋が掘り出した温泉なので、入浴施設の玄関もなんだか料理屋っぽいでしょ? 料理屋の命は清潔さ。十二分に手入れの行き届いた館内も、大勢の作務衣姿の従業員に支えられてのもの。
「やたら従業員が多いな〜」とダンナは感心しきり。きっと、入浴客の何人かを、従業員と勘違いしていたのかも知れない・・・。実は、ここでは300円で、入浴客に作務衣を貸し出していたのだ。
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