モデラーな日々

Vol.14  リペアという楽しみ方


 頑張って製作した作品も、日が経つにつれ傷みが出てきたりします。
 またいくつか模型を作っているうちにスキルアップして、以前の完成品の「粗」が気になってきたりすることもあります。
 思い入れのある作品ほど、もう一度作り直したいと思ったりしますが、一度作ったモデルと同じモデルを作るには相当なパワーが必要です。
 そこで、今ある作品を手直しすることにより、傷んだ部分を修復したり、気になる部分を修正したりして、現在のスキルに見合った完成品にしてしまおう!という試みです。

 今回は、「GALLERY1」のトップにある「’85HONDA NSR500」をリペアした時の様子を紹介します。

 この作品は自他共に認めるスペンサーファンの私がどうしても作りたいマシンということで、製作当時に出来るコトは全てやりきったという、思い入れのある作品です。
 しかし、当時の製作技術が低かったこともあり、最近、塗装が割れてきたりして傷みが激しくなってきていました。
 ハスラム号を製作する際に、同じロスマンズカラーだしカウル類の塗装を一緒にやってしまおう!と思ったのがリペアのキッカケでした。

 塗装が割れてしまっているカウル類。
たぶんベースの白を厚く吹きすぎたのが原因かと。(^_^;)
さすがに目立つようになってきたので、リペアを考えました。

 リペアを開始した当初はカウル類の再塗装だけの予定でした。
 しかし、その再塗装のためにカウルを外されたバイク本体を落としてしまい、木端微塵にしてしまいました。(^_^;)
 仕上がりに不満のあるパーツも多かったので、どうせならそのパーツも塗装し直してしまおう!ってなコトで多くのパーツを再塗装&下処理を施すことにしました。

 落として粉々になったスペンサー号。(T_T)
この地点で多くのパーツのリペアを決意しました。

 ちょうどこの頃、とある場所で’86NSRと’85NSRの違いを検証する小ブームだったこともあり、カウル類を新規に起こしてしまいました。
 元は検証用に試作(?)したものだったのですが、ちょうどいいからこれを使っちゃえ!ってのが真相なんですけどね。(^_^;)

 新規に作ったカウル類。
アンダーカウルの延長やシートカウルの形状変更などしてます。
透明カウルパーツなのは、この段階ではまだ元のパーツの
再塗装をするつもりだったのでジャンクパーツを使いました。

 

旧パーツと新規パーツの比較。
アンダーカウルを延長、後ろ側のダクトを埋めてフラットにしています。
真横からなので判りませんが、アンダーカウル正面のスリットも形状変更しています。

こちらはタンクとシートカウル。
シート下の段差をなくしています。

 塗装はハスラム号を塗装する時に同時に行いました。
 スポンサーロゴ等は検証しなおして、以前製作したものとは違うマテリアルを使用しています。
 一部に自作デカールも使用。
 以前作った時はデカールを作るスキルなんてありませんでしたからね。(^_^;)
 それどころか、クリアコートのスキルすらありませんでしたし。(^_^;)

前作との比較。
上が新作、下が前作。

ちなみに使用したデカールは以下の通り。

タミヤ旧’86NSRロスマンズキットから
・ロスマンズロゴマーク(大・小)
・アンダーカウル金/赤ライン
・ゼッケンベース

タミヤ’86NSRファクトリーカラーから
・KEIHIN
・SAK
・NGK
・OKI
・RK
・アッパーカウル下のHRC

スタジオ27’84NSから
・星条旗

はーださん作’85製作用お助けデカールから
・RosmansHONDA(大・小)
・Castrol
・アッパーカウル金/白/赤ライン

 ちょっとづつリペアも進んでくると、もうちょっと良くしたいという欲望も出てきます。
 前作のフレームとスイングアームの色が気に入らなかったので、再塗装だけするつもりだったのですが、なんとなくフレームとスイングアームをイジりたくなったので、新規にパーツを起こし、形状を変更してみました。
 と言っても、本当に小変更なんですけどね。(^_^;)
 ついでにホイールも小加工しました。


フレームとスイングアームを変形目の字断面から目の字断面へ修正。
スイングアームはスタンド用のステー(?)も変更しました。

タイヤもラジアルタイヤにしたかったので、ホイールをインチアップ。
この辺りは八代NSRで得たスキルです。

 最終的にそのまま使用したのは、エンジンパーツのみだったような気がします。
 今回のリペアのメニューは、以下の通り。

 ・カウル類の新造と塗装。
 ・前後ホイールのインチアップとタイヤ交換
 ・ハンドルグリップのワイヤリングやタンクのエア抜きチューブの追加
 ・カウル類のビスモールドをインセクトピンに交換
 ・リアスタンドをNS500用に変更
 ・トルクロッドの取り回しを変更
 ・インナーフォークをメタルックで再現
 ・エンジン以外のパーツの再塗装
 ・壊れたパーツの交換と修理

 ・・・と、言ったところでしょうか?
 実際にそのまま使用したのはエンジンのみで、あとはなにかしら手が入っています。(^_^;)


前作と今回リペアした作品。
上が新作、下が前作。
本人的にはかなり進化したと思ってるのですがどうでしょう!?(^_^;)
なお、シートカウルのカストロールステッカーのみ自作です。

 ほとんど新規に作り直したのと同じような労力でしたが、あくまでもリペアと言うので、どこか気楽に作れたような気がします。(^_^)
 実際、一番面倒なチャンバーは修理しただけだし、再塗装した各パーツも下地処理に掛かった時間はかなり短縮出来ています。
 ま、半分くらいは新たにキットから切り出してはいるんですけどね。(^_^;)

 前作を製作した当時よりも資料が揃っていることもあり、なんちゃって仕様の妥協点が上がってるのは確かです。
 当時にはなかったクリアコートのスキルも今はありますし、インセクトピンでビスを再現出来る環境も今はあります。
 当時はインセクトピンが手に入りませんでしたし。(^_^;)

 こうして、手元にある完成品に手を入れると言うのも、なかなか楽しいものでした。
 完全に一から作り直すのもいいのでしょうが、リペアを繰り返して、より高い完成度を目指すというのも、ひとつの楽しみ方ではないでしょうか?
 パーツの塗装を剥がしてる時に、パーツを見て、当時、どういう風にして塗装していたかを思い出しましたし、パーツのバリ処理ひとつ取っても、当時のスキルが垣間見れました。
 それは自分のスキルアップを実感出来る瞬間でもあります。
 もちろん、当時に比べてのことですが。(^_^;)
 逆に、当時の方が丁寧にしていたコトなども見えてきますので、最近、自分でも気付かないうちにいい加減になりつつあった作業とかに気付き、気を引き締める(?)効果もあったように思います。

 なんにせよ、新規に作るだけでは気付かないコトに気付いたのは確かです。
 またリペアすることで作品により愛着が湧きました。(^_^)

 ケースの中にある作品を見直して、リペアしてみるのも楽しいモンですよ。
 ちなみに次は’85NS500のマモラ車をリペアしてみようかと思ってます。(^_^)

 


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