1988年、前年までホンダワークスライダーとして活躍していた木下恵司がワークスを離れ純プライベーターとして参戦したマシンです。
私的「いつか作りたいNS/RS500」の中でも上位にランクされていたマシンです。
この年の木下選手は阪神ライディングスクールを母体としたチームから参戦していましたが、急遽参戦を決めたのか、シーズン中盤まではマシンの仕様、特にカラーリングが毎戦変わっていて、模型を製作するにあたり仕様を固めるのに難航しました。
ベースになっているのは、第8戦鈴鹿200kmの時の仕様です。
このレースではウェットコンディションの中、3位表彰台に上がりました。
結果的に木下選手のGP500クラスでの最後の表彰台になってしまったレースだったので、その時の仕様で作りたいと思い製作を進めました。
手持ちの資料をフル動員しましたが、いかんせんプライベーターのマシン。
詳細な資料はなく、当時の雑誌とビデオ、それから当時のレース環境などを踏まえた上で仕様を想像し製作しています。
なので、実車と違う所も多いはずですが、そこはまあ、あくまで模型ですので・・・。(^_^;)
作品の方ですが、ベースは1984型NS500。
ツインスパーフレームは前作までは最初に作った1986年NS500ロッシュ号の複製品を使用していましたが、今回は全面刷新。
以前とフレームの解釈が変わってきたのと、1984年型NSのフレームをベースにした方がリアショック周りがリファイン出来ると思ったからです。
一見するとフレームとシートカウル、ホイルを含めた足回りを改造しただけに見えますが、実際はタンクやカウル本体まで外装はほぼ手を入れています。
シートカウルはキットのシートカウルをベースに改造。
1988年RS500のスタンダードシート(たぶん)の仕様にしています。
タンクはエア抜きとフューエルキャップが一体化されたものに改造。
タンク上面の前方にはストレートで伏せた時のヘルメットの逃がしの凹みを再現しています。
カウル本体はアッパーカウル正面とサイドラインを修正。
上下で2分割出来るように改造しています。
スクリーンは塩ビ板をバキュームフォームで製作。
カラーリングに関しては、鈴鹿200km参戦時のカラーとスポンサーステッカーの配置にしています。
カウル側面と正面はほぼ合っていると思いますが、タンクやシートカウル上面は判りません。
少なくともシートカウル後端部は違うステッカーが貼っているのは確認出来ていますが、どんなステッカーなのか判らなかったのでHONDAの文字でごまかしています。(^_^;)
形にするまでは比較的早かったのですが、塗装段階でかなりてこずりました。
特にシートカウルは、塗装後に新しい資料を見つけては修正・・・と言うのを繰り返した挙げ句、最終的は一度シンナー風呂につけて再塗装するハメになってしまいました。(^_^;)
製作中は右往左往して苦戦、実車との違いを再現し切れずに悔しい思いもしましたが、今まで製作したツインスパーフレームのRS500の中では一番拘りを形に出来たので、完成出来て嬉しいです。(^_^)
これで木下選手のマシンは83年、84年、85年、86年、88年、89年と揃いました。
最終的にどの年式まで揃えることが出来るか!?
それは今後の私の気合い次第です。(^_^;)
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