HONDA NS500 1985
Freddie Spencer

'85年にフレディ・スペンサーがWGP500ccクラスのR6ユーゴスラビアの予選で使用したマシンです。
キットはタミヤ製「Honda NS500 '84」を使用。
スタジオ27製デカールと一部自作デカールを使用しています。

カウルはアッパー・ナックル周り・前方のアウトラインを中心に形状を変更。
判りにくいですが、アンダーカウルのエアアウトレットの形状を変更。
シートカウルは前方や上面の高さなどを中心に形状変更。


フォークアウターを'84NSR500より流用。
フロントブレーキディスクは'86NSR500より流用。
リアのブレーキディスクは'83NSから流用しカーボンディスクに変更。
ステップは'84NSR500より流用変更。

アッパーカウル、ナックル周りの形状変更。
カウル前方の形状変更。
エアインテークの長さを延長。

判りにくいですが、アンダーカウル左側の出っ張りを再現。
(RothmansHONDAのステッカー中央付近)
スクリーンは塩ビのヒートプレス自作品に交換

シートスポンジの形状を変更
シートカウル上面とサイドのスリットを開口。

 

後方2気筒のチャンバーの形状を変更。
クラッチのボルト周辺にディテールを追加。
リアショックのガス室の形状を変更。

 
ハンドル周りは'84NSRから流用・換装。
アクセルワイヤーの基部とワイヤーを追加。
ブレーキホースはスパイラルチューブを作ってかぶせてます。
キャブレターのメッシュは真鍮のメッシュに交換。
水温計、メーター、メーター下のボックスに配線を追加。
シリンダー周り、ボトムエンドなどのボルトを六角プラ棒で再現。
フレームは横方向のメンバーの形状を変更。
フレームに貼っているクッションを自作

ステアリングダンパーを自作。
ATACの凸モールドを再現。
リアタイヤはタミヤのRC213V用に変更。
ミシュランのタイヤマークはNSR250用を流用。

製作エピソード

 1985年、フレディー・スペンサーは500ccクラスでのレースはNSR500を使用していました。
 前年1984年型NSR500が上手く戦闘力を出せず、NS500を引っ張り出して独走優勝してしまったこともあり、85年シーズン序盤はNS500もバックアップマシンとして準備されていました。
 この年からロスマンズのサポートを受けていたホンダはシーズン前の広報として、様々なバージョンのロスマンズカラーに彩られたスペンサーのゼッケン4を纏ったNS500を登場させていましたが、実戦でゼッケン4のNS500が走行した機会はかなり限られます。
 第6戦ユーゴスラビアの予選で使われたとのことなので、そのマシンを造ることにしました。
 実はスペンサーのNS500でまともに製作するのは初めて。
 NS500とスペンサーの組み合わせが好きすぎて、変な拘りがあり「再現出来る技術が身に付くまで作らない」と思っていたのですが、このままでは技術が身に付く前に加齢による衰えが来そうだったのと、ちょうど40周年というメモリアルイヤーだったので、覚悟を決めて製作することにしました。

 「スペンサーのNS500」を製作するに辺り、今まで数多くのNS500/RS500を製作してきたノウハウを出来るだけ注ぎ込みました。
 ただし拘りすぎるといつまで経っても完成しない事態になるので、自分の中で製作期間を3ヶ月程度と縛りを入れて製作をスタートさせました。
 そう言う縛りを入れないと完成しないと思ったもので。。。(^_^;)

 作品は自分なりにかなり手を入れています。
 一番はカウル類の形状で、アッパーカウル前面は上半分を横から見た時にまっすぐなるように形状修正。
 ナックル周りは下側を一度切り飛ばしてしまい、ナックル開口部(という表現が合っているか微妙)が少し大きくなるような感じで再構築しています。
 カウルサイドは前方を延長してサイドラインがある程度真っすぐなるようにしています。
 それに伴い、エアインテークも前方に延長。
 アンダーカウルは前方のエアアウトレットの形状を変更。
 84NS以降ある左側の出っ張りを再現。
 左右後端の形状を変更しています。
 シートカウルは上面を一度切り離して、尻上がりが解消するような角度で再接着。
 前方部分はシートレールが見えるような形状に加工しています。
 上面、左右のスリットは開口。
 シートスポンジは実車はキットのものと少し形状が違うので加工しています。

 車体に関しても変更点は多岐にわたります。
 まずフロントフォークのアウターは`84NSR500用に変更。
 このパーツと同じランナーにハンドル周り、ステップなどもあるため、それらのパーツも流用しています。
 ブレーキディスクはフロントを'86NSR500から、リアを'83NS500からそれぞれ流用。
 チャンバーはシートレールから取付け基部を切り離し、チャンバーをシートレールにピンで固定するように加工。
 後方2気筒分の前の方(シートレールからエンジンにかけて入って行く部分)を中心に形状を変更。
 溶接跡は一度削り落とし、プラシートを貼り付けて再生。
 フレームは横方向のメンバーを角形状に加工。
 判りにくいですがヘッドパイプ周辺の横方向のメンバーも同じ加工をしています。
 ステアリングヘッド周りには補強のガゼットを再現。
 フレームに貼り付けているクッションはプラ板で自作。
 ステアリングダンパーはプラパイプ・真鍮線で自作。
 リアサスのガス室は'84以降ではキットと形状が違うので形状を変更。
 メーター周りはタコメーター裏にボルトモールドを追加し、水温計は配線基部を作りラジエターと繋げています。
 メーターレンズは透明レジンを流し込んでいます。
 メーター下のBOXにはコネクタを再現し、そこから配線を追加しています。
 アクセルワイヤーは基部を追加して、キャブレターと接続。
 ブレーキホースはワイヤー入りチューブの上からクリアチューブをスパイラル状にカットしたものを被せています。

 エンジン周りは、シリンダーヘッドのボルトモールドを削り落とし六角プラ棒+真鍮線で再現。
 クラッチはボルト周辺に○モールドを追加し、プレート部分は彫り込んでカバーを再現。
 ボルトは六角プラ棒に置き換えています。
 キャブレターはモールドを削り落として真鍮網に張り替えています。
 サイレンサーはチャンバーとの接続部を実車と同じ構成にパーツ分割を変更。
 リアタイヤはRC213Vより流用。
 タイヤプロファイルは違うのですが、付属のタイヤ('98NSR用)よりもサイドウォールのハイトがあり、こちらの方が私のイメージに近いので交換しています。
 ホースやハンドルグリップのワイヤリングはメタルテープを細切りしたものを貼り付けています。
 リアサスのガス室固定用ナイロンバンドはハセガワのホワイトシールを細切りして再現しています。

 ロスマンズブルーは調色。
 クレオスの#326+#322+マゼンタを7:2.5:0.5くらいで混色。
 結構、自分の中ではイメージに近い色になったと思っています。
 ゼッケンベースの黄色も調色。
 クレオスのGXカラーのイエローをベースにキャラクターイエローで少し色味を調整しています。
 デカールは基本的にスタジオ27の昔のロットのものを使用。(カルトデカールの頃のもの)
 Castrolのロゴだけ自作デカールを使用しています。

 他にも細々と加工・変更しています。
 今回、スペンサーのNSということでかなり気合いを入れて作りました。
 過去に製作したNSと比較すると一番の出来であると自分でも思いますが、反面、目指しているNS像にはまだまだ届かない(技量・センスが足りない)と自覚することになりました。(^_^;)
 この作品を糧にさらに理想のNSを目指そうと思います。
 果たしてその日は来るのか!?(^_^;) 

 

Back

Model

Home