2003年11月、町田で起きている様々な問題を、直接自分の目で視て、話を聴こうという趣旨のユニークなバスツアーが行われました。
 この日に訪ねたのは、1)市役所移転かどうかで騒がれている市民ホール隣の森野二丁目の用地 2)小学校統廃合された本町田西小・緑ヶ丘小・原小 3)リサイクル文化センターのごみ処理場 4)マンション建設で揺れているIBMグランド跡地 5)小川地区のごみ処理中継所 6)小川の高層分譲マンション・グランセリーナの6カ所ですこの内、以下の3点について報告します。


@新・市庁舎問題
 市は現庁舎が耐震基準を満たしていないことから、1999年に先行取得した用地に庁舎を移転するべく検討委員会を設置、その中間報告が提出された直後に移転方針を決め、「市庁舎の位置を定める条例」の改正案を議会に提出、2004年3月議会で可決となったものです。しかし、その検討の経緯を見ると、将来に向けての庁舎機能や市民サービスのあり方など、基本的議論が抜け落ちたままの、始めに移転ありきともいうべきものでした。また、市民からは用地の軟弱地盤の問題や、将来に亘る財政負担の問題も指摘されています

A巨大マンション建設問題
 2003年2月、第一種住宅専用地域に16階建610戸の巨大マンション建設計画が浮上し、地元住民は計画の見直しを迫るために対策協議会を設置。指導要綱で「4者協議会」が設置されたが事業者側は一方的に離脱。予定地周辺はオオタカの生息が確認されていますが、生態調査もせず環境省の指導も住民の声も無視して昨年10月に杭打ち機を搬入、一方的に工事を強行しました。この事例は、単に現行法上の問題だけでなく、地域のデザインは誰が描くのかという、まさに「地域自治」のありようが問われた問題だと言えます

Bごみ問題
 2004年3月「町田市廃棄物減量等推進審議会」は市長に、ごみ有料化(可燃・不燃ごみ)の答申を出しました。答申では有料化によって「ごみの減量化と資源化率の向上」「ごみ処理費用の明確化と負担の公平化」「排出者責任の明確化」が図れるとしています。しかし、有料化を前提とした議論に終始し、有料化以外の方法での減量化の事例研究や、生産者責任への言及が余りにも乏しすぎることなど、現在の生産消費構造そのものの問題点を棚上げしたままの議論は、始めに有料化ありきの感を拭えません。

何れの問題も「市民不在」という点で共通しています。行政機構や地域の自治、市民生活に密着した問題について、市民の共感や合意形成のないままに事を進めていこうとする手法は、市の目指す「共治社会」からは大きく逸脱したものといわねばなりません。 


IBMグランド跡地の巨大マンションの建設は、行政指導もあり、当初の16階建てが10階建てに変更されたものの、基礎工事が一方的に強行されています。今後、工事の本格化で、工事車両による生活道路の慢性渋滞が懸念されています。
  対策協議会のHP
  http://taisaku.holy.jp/