情報センター通信 第26号


町田市における「農水省の通知、東京都の子どもガイドライン」の周知について 

 

町田市緑山地域に住む市民から、「住宅の管理組合から、グリーンベルトになっている庭木に害虫駆除の薬剤散布を行うとの通知があった。との相談がありました。その方の話しでは、これまでも定期的に散布が行なわれ、既に5月にスミチオン(注1)が散布され、再度8月に散布の通知だったようです。そこで、直接管理組合への交渉を勧めると共に、町田市に対して、農水省の通知「住宅地等における農薬使用について」及び、東京都の「化学物質の子どもガイドライン(殺虫剤樹木散布編)」についての質問状を提出しました。

町田市の対応〜通知はしたが、実効性に疑問

農水省の通知については、昨年10月16日付けで、子どもガイドラインについては、今年3月31日に通知があったようですが、現場では全く認識されていませんでした。関係諸機関等に対しては、「農水省からの通知については10月中に町田市農協に通知。また、2003年7月号のJA町田市広報誌『きずな』の紙上で農薬使用基準をPR。」また、「子どもガイドラインについては、2004年5月初旬に学務課か ら学校施設管理担当の町田市学校教育部施設課へ送付されたパンフレットと共に通知した。」3.市が委託者として農薬散布してきた場所、予算についての質問には、「公園緑地課  は、市職員の直営作業でスボット的に薬剤散布し、委託散布はない。学校施設については、害虫防除の申し出があった学校に対して委託事業で薬剤散布を実施。殺虫剤樹木散布実施校は、04年度:2校(相原小学校、小山田中学校)。サクラについては薬剤の樹幹注入による防除を実施しているので近年は農薬散布をしていない。としていますが、樹幹注入であれば問題がないかのような認識は問題です。5.東京都の子どもガイドラインに沿って、どのような基本方針を策定したかとの質問には、「公園等については基本方針を定めているが、学校施設については今後、基本方針を定めていく。」. 健康被害の相談を受け付ける窓口をどこに設置しますか、との質問には、「特に農薬による健康被害に関する相談窓口はないが、市民の健康に関する一般的な窓口は健康福祉部健康課になっている。町田市では、市民からの要望に応える形で6年程前から慣習的な衛生害虫駆除の薬剤散布を、物理的駆除との併用に切り替え、町内会・自治会に対しての薬剤散布についても、廃止した経緯がありますが、まだまだ、農薬散布に対する認識が甘く、情報提供も不十分だといえます。相談者からのその後の報告では、反農薬東京グループの情報を基に管理組合に話をしたところ、農薬散布に対する認識の甘さを認め、今後は「セルコート(注2)」を散布するとの対応だったようです。このところ、農薬散布への風当たりが厳しいことから、今後、農薬カプセルの樹幹注入(注3)や、このセルコートの使用が増えてくると思われますが、企業機密よりも健康被害優先の情報開示に転換させていくよう、これからも厳しい追及を続けていく必要がありそうです。また、農薬の展着剤として使用すれば、農薬をより希釈できる」旨の記載があります。

     参照@「化学物質の子どもガイドライン」殺虫剤樹木散布編

この他に、2002年の「鉛ガイドライン塗料編」、2003年の「室内空気編」があります。A農水省消費・安全局長通知「住宅地等における農薬使用について」

やむを得ず農薬を使用しなければならない場合も注意事項等を定め、農薬使用者等に対する遵守指導について要請したもの。 

     注なお、東京都の子どもガイドライン及び農水省の通知の詳細については、下記の反農薬東京グループのHPをご参照ください。

   http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/index2.htm