情報センター通信 第26号


  町田市に「市民自治の時代」は訪れるのか

焼きうどん的発想で町田の市民自治をひらく会

初の市民公募

町田市が初めて市民公募をしたのは、1989年5月に設置した「町田市情報公開・個人情報保護運営審議会」の市民委員枠の中でした。この審議会は、情報公開・個人情報保護制度(1989年10月施行)について、登録から運用に至る制度のチェックをおこなう市の付属機関で、学識経験者、町内会自治会代表、小中学校PTA代表、労働団体代表、商工団体代表、市民団体代表、公募市民という構成でした。 初の市民公募から15年、町田市では相変わらずの学識・団体代表・市民公募形式で、2〜6名程度の公募市民の参加で審議会・委員会などが設置されてきました。例外は2000年11月設置の「環境基本計画」の専門部会で、職員30名、公募市民23名という構成でした。市民参加の意義や、行政側のサポート体制、審議の進め方に問題が残ったといえます。現在策定中の子どもマスタープランでも、同様に、子ども委員会に12名の子どもたちが参加しています。

市民自治への市民の取り組み

その間「市民自治基本条例」とは何なのか、その条例があれば何がどう変わるのかといった点について解説したパンフレットを作成し、できるだけたくさんの人に読んでもらおうと配布しました。 町田市で起こっている、超高層マンション問題、新市庁舎建設問題、ごみ有料化問題、ごみ最終処分場閉鎖問題、小山田・小野路地区の再開発問題など等、市民の関心は高まっていますが、未だ問題の解決には至っていません。行政には市民の信託に応える誠実で真摯な姿勢が、市民には、要求や批判だけでない、主体者としての意識改革が、さらに議会には、最高議決機関として、市民の意思を誠実かつ的確に反映していく、市民との対話システムの構築が求められているといえます。 市民・行政・議会という、自治体を構成する主体のそれぞれの役割や責務を、どのように分担して市の運営を行っていくかを、組織・財政・評価・住民投票制度・地域自治などを含めて、自治体の運営の理念・原則、制度・手続きを市の最高法規として規定したものが「市民自治基本条例」です。この条例は他の条例の上位に位置するもので、自治体の憲法とも呼ばれています。

先行自治体では 

全国各地で、この「市民自治基本条例」を策定する自治体が次々に増えつつあります。しかもその手法は、従来の数名程度の形式的な市民参加ではなく、全員公募という自治体が主流になってきています。公募市民のメンバーだけで素案をつくるのではなく、いかに多くの市民を巻き込めるか、策定途中で何回も何回も市民の意見を聞く機会を持った。「つくる会」の市民メンバーの意識も変わり、当初、市民を恐れていた職員も、全てをさらけ出すことで市民との相互理解が進んだ。

町田市の取り組みは 

2002年1 2月16日、市長へ提出された行財政改革審議会(委員の構成は、学識経験者4名、市民代表4名、公募による市民委員2名の計10名)の報告書「新・町田市行財政改革プラン〜共治(きょうち)の町田(まちだ!)」

市民の主体的取り組みを 

私たちは、行政側の出方がどうであれ、市民自身が主体的に取り組み、さらに広範な市民の論議を作り上げていくことが必要だと考えています。その上で、行政に対して、市民案を提示していきたいと考えます。市民が主体者となる新しい自治の運営を規定する「市民自治基本条例」を、形式的市民参加で「議論は十分」とするほど、町田の議員の見識が低いとは思えませんし、議会自体も、この制度の中で、機能強化とあわせて、より開かれた議会のあり方や、市民との協働のあり方が求められていくことになります。そのことは、市民からの信託の証として、議会が市民に対しての説明責任を果たすことにつながります。