情報センター通信 第24号 2004.3.22発行

        「町田の論点バス・ツアー」に参加して

                  

 

                                             田中誠       

 最近の町田市では、大型マンションの建設、犯罪の多発、廃プラスチック中間処理施設、不法投棄の問題など、どれをとっても日ごろの生活に密着した問題ではありながら、明るい現象ではありません。

 また、庁舎の建設に伴う議論の集約や、子供の人口が大きく減少したことによる小学校統廃合の問題などをめぐっても、様々な議論が沸きあがっています。

これらの事柄に上手く対処するには、市民が主役のあたらしい仕組みづくりがどうしても必要なのです。

 このたび、『焼きうどん的発想で町田の市民自治をひらく会(略称:焼きうどんの会』の主催で、これらの問題に対して、現状がどのようになっているかの実地見聞を行おうということで、2003年11月24日(月・祭日)に『町田の論点バス・ツアー』が実施されました。

 午後から懸念していた雨は降らなかったものの、当日は冬を思わす肌寒い一日でした。

都合で急に不参加の人がいましたが、この新しい仕組みづくりに関心を持った市民15名が、市民が主体であるまちづくり構想の一環としての試み『町田の論点バス・ツアー』に参加して、有益な一日を過ごしました。

 

 貸切の小型バスに乗り込んで、次のようなコースで循環して現地を視察してきました。

 

 1)市役所移転かどうかで騒がれている市民ホール隣の森野二丁目の用地

 2)小学校統廃合された本町田西小・緑ヶ丘小・原小

 3)リサイクル文化センターのごみ処理場

 4)マンション建設で揺れているIBMグランド跡地

 5)小川地区のごみ処理中継所

 6)小川の高層分譲マンション・グランセリーナ

 

  見慣れている風景とはいっても、別の視点から街を見直して見ると、新たに発見することが多く、とても新鮮な体験でした。街づくりの変容ぶりをじっくりと見据えておくことの大切さを感じた一日でした。

 問題意識を持って、新たな視点からこれらの論点の現場を実際に実地見聞してみると、

さまざまな思いが浮かび上がり、じっくりと洞察できて大変に勉強になったというのが多くの参加者の感想でした。

 

 これらの現場から見えてくる問題はそれぞれ異なるとはいえ、それらを上手く解決していくには、私たち市民が街づくりや行政の行動に対して、もっと関心を寄せて効果的に働きかけられる市民参画の仕組みがどうしても必要になってきます。要するに、市民自治のシステムが求められて来るのです。

 どの問題にも共通しているのは、私たち市民が置き去りにされて、街がどんどんと変えられているというのが町田の現状ではないでしょうか。

 

 

  ”なんでだろう?”  

 市民ホール隣の森野二丁目の空き地はどうなるの? 市役所、又は他の施設?

 ・小学校の統廃合に際して、子供たちの気持ちはどうなるの?  

 ・町田のごみ処理はどうなるの? 埋立地は? 生ごみは? 廃プラスチックは?

 ・巨大マンション建設によって、近隣住民の住まいの環境はどうなるの? 

 どれをとっても、土地が関連していて、自然環境と住環境を守ってより良い街づくりを目指していこうという地域住民の声が、無視されているのが現状ではないでしょうか。

 

 ごみ処理施設、巨大マンション、学校施設、市庁舎の耐震問題など、誰が考えても周りの住環境や景観にそぐわないことが市民の意向を無視して進められていくことは決して許されることではないし、承認できることではありません。

 

 何はともあれ、市民がこぞって結集して、超党派の市民活動によって、市民自治への旋風を起こしてゆくことが必要だと思います。

 2月1日の「広報まちだ」によると、市民とともに住みよい街づくりをめざして、『町田市住みよい街づくり条例』が公布されて、2004年4月1日から施行されます。

 このためには、どうしても市民の意向を十分に反映できるようにする市民自治基本条例が必要なのです。