情報センター通信第13号
2001年5月31日発行


環境基本計画策定に参加して 「生活環境部会」―公害防止及び快適環境の創造―
沖原むつ子

町田に越してきて11年目、山の風景があり緑に囲まれた暮らしに満足しています。しかし、徐々に悪くなっている社会全体の自然を含めた生活環境が気になります。今暮らしている地域をより住みやすい環境にする努力をひとりひとりがしていかなければ、いずれどこにもよい環境などなくなってしまうでしょう。親としてわが子に、また、まだ見ぬ孫へ、私たち世代のツケを回したくないという思いで、身近なことから少しずつやっていこうと思っています。
町田でも環境基本条例ができ、環境基本計画・環境基本計画推進計画・行動指針と町田市の総合的な環境計画が形づくられようとしています。数年前、緑の基本計画策定に市民団体からの委員として参加しました。その時はコンサルが中心となってつくる原案にそって審議するため、たたき台である原案の基本的な視点がコンサルまかせとなり、その原点から審議することはたいへん困難なことだと思いました。市民として参加しても現実の問題としては、原案にそっていくつかの修正をかけることができた程度のことでした。しかし、今回は、環境基本計画の原案作成に市民がかかわることができるということで、多いに期待し参加しました。
私が参加したのは、4部会ある中で「生活環境部会」といわれたところです。正副部会長を除く部員は公募による市民5人、職員5人の合わせて10人です。

検討テーマ:公害防止及び快適生活環境の創造
主な検討課題:清らかな大気・水の確保
騒音・振動の低減
快適生活環境の創造(地域美化、アメニティーの向上)
有害化学物質対策、日照・公害対策
監視・観測の充実

作成にあたっては部会原案作成要領がだされ、「部会原案のまとめにあたっては、検討テーマの内容が複数の部課にまたがることがありますが、特に職員は現在の職務上の立場にとらわれずに町田市の環境をより良くする大局的な視点から検討し、最終的には、部会員の総意により決定するものとする。」と前置きし、Step1から5まで、手順が丁寧に示唆されていました。

市民も職員も公募により集められたということで、内容もさることながら、職員がどんな考えを持ち、どんな発言をするのかにたいへん興味を持ちました。現在の所属部課や、以前かかわってきたところで得た知識や経験を生かした考えや発言には重みがありました。しかし逆に職員としてやってきた仕事の現状や経過にしばられてしまい、自由な発想のできない一面も覗かせていました。要領にある「現在の職務上の立場にとらわれず…」というのは職員にとって難しいことと痛感し、職員の視点と市民の視点の違いも垣間見ることができました。
また、市民と一言でいっても主張は様々で、10人の意見をひとつの形にまとめていくことは思いのほか時間のかかることです。また、生活環境の地域別特性や内容の分析をもっと丁寧にやらなければ「大局的な視点…」も絵に描いた餅になり、具体的な施策にはつながりにくいと思います。その点においても、今回の企画のために用意された時間はあまりにも短く、強引であったと思います。
いずれにせよ、部会の中で整理しきれなかった問題点は、「環境基本計画策定委員会」のメンバーである正副部会長に託すしかありません。その力量を見守りたいと思います。