確 率
ギャンブル公平な方法?
一攫千金の確率降水確率
多い方が勝つ?ルーレットは難しい!?
神は存在する?
同じ誕生日の人に遇う確率

ギャンブル
現在的な意味での確率(論)とは,サイコロ投げ、経済現象、天気予報など予め知ること ができない結果を、数量的に予測しようする数学の一分野である。 そして,確率といえば教科書にでてきたようにサイコロを思い出す人が多いと思うが, そのサイコロは,古代より"ギャンブル"の道具として利用されてきた。

紀元前3,500年前のエジプトの墓地には,距骨を使ったゲームに興じる人々を描いているし, ローマ皇帝マルクス・アウレリウスは,常にお抱え賭博師を同行させていた。 かのサンドイッチ伯爵は,博打をしつづけるために,彼の名を冠した食べ物を考案し, ジョージ・ワシントンは独立戦争中でもテント内でゲームに興じていた。

いまも昔も,人はギャンブルの虜になっていますね。

ギャンブルの最古の原形は,アストラガラスとかナックルボーンと呼ばれるサイコロゲームの一種とされている。 当時のサイコロは,羊などの足首からとれる四角い形の骨であり,これが今のサイコロの原形である。
一攫千金の確率
誰しも一度は買ったことがあるだろう宝くじ。では,一体当たる確率(金額)はいくらだろうか?
第440回ドリームジャンボ宝くじの1等2億円が当たる確率は、販売予定枚数4億枚なので,0.0000001%。 また,1枚購入した場合の当たりに対する期待値(事象が発生する平均値)は143円*となります。
*Σ1等から7等の各等が当たる確率×当選金額
要するに「一枚(300円)買うと、平均して143円分回収できる」という意味になり, とても割のいい賭けではないようですね。ただし,実際の宝くじの購入になると,合理的な計算ができなくなり, 一攫千金の夢が現れる行動に出るようですが・・・

私の結果は,18,000円投資の4,800円バック。期待値にも届かない結果でした・・・。

多い方が勝つ?
1936年、アメリカ大統領選挙に先立って行われた選挙予想調査で、有権者約1,000万人のうち237万人を調査したL誌の結果が外れ、
2万人を調査したG社の結果が当たったという。(その結果、L誌は廃刊に追い込まれた。)

ルーズベルト ランドン
L誌の予想 43.0% 57.0%
G社の予想 54.0% 46.0%
実際の得票率 60.2% 39.8%
このような結果を生んだ原因は様々あるが、最も大きな原因は両者の調査方法の違いにある。
L誌は自誌の愛読者名簿や自動車登録者名簿などからサンプルを抽出したため、標本が (当時の)比較的恵まれた人たちに偏ってしまい、一部の意見のみを誇張した結果 となってしまった。
一方、G社は、住所・年齢・性別などに注意しながら、有権者全体の構成と抽出サンプルの 構成をできるだけ一致するように調査を行ったため、全体の意見を反映した結果を導くことができたのである。

いまでも新聞等を始めとして、多種多様な調査結果が掲載されているが、調査方法など不明確なものが多く、 その結果が本当の姿を表しているかどうかは、非常に疑問なところである。

このときG社が採用した方法は、現在では割当法(quota method)と呼ばれており、 多くの調査で利用されているが、実際にこの方法で調査を行うことは難しい。 1948年の選挙予想調査では、G社等、複数の調査期間が割当法による標本調査を行ったが、 結果はすべて「はずれ」。
このことは、すべての項目において母集団と同じ構成になるように サンプルを抽出することの限界が示されたことになったのです。こののち, 「母集団を構成する1人1人を等しい確率で抽出する」ための方法(ランダムサンプリング) が考えられました。

神は存在する?
「神が存在するか,存在しないか,2つに1つを選んで人生を過ごさなければならないとき,あなたならどうしますか?」

上記の問いに対し,コイン投げのように,繰り返し実験などができればそれなりに結果がでるかもしれない。 しかし,それはたぶん無理で,例え何らかの形できたとしても,その確率は50%/50%でしかないと思う。

ブレーズ・パスカル(1623〜1662)は,将来の結果を推測することで 神が存在するか否かを決めています。彼の考え方(意思決定方法)は概ね次のとおりです。

もし,神が存在しない場合,敬虔な人生を送ろうとか,また戒律を破る生き方をしようとそれほど重要な問題とならない。 しかし,神が存在する場合,戒律を破る生き方をすると,永遠に天罰を受けることになるが, 敬虔な人生を過ごしている方は,祝福をうけることになる。どうせ生きるのであれば, 天罰より祝福をうける方が望ましいので,神が存在することを前提に,敬虔な人生を送ることを選択する。
つまり,神は存在する方を選ぶというのです。なるほど,一見非常に合理的ですね。 ただ,なんとなく「神が存在するかどうか」を考えてる時点で, 「神は存在することを前提にしている」と思うのは僕だけでしょうか?

個人的には,「神は存在すると思うが,手はださない」と思っています。

同じ誕生日の人に遇う確率
同じ誕生日の人って何人いるのだろうって思ったことありませんか? そして,同じ誕生日の人に一体どれぐらいの確率で遭遇するのでしょうか? (ちなみに,私はいままで実際に遇ったことがありません。)

例えば1組40人のクラスの中に、同じ誕生日の人がいる確率を考えてみると (1年は365日、生まれる確率はどの日も同じとする。)
40人のうち同じ誕生日の人が1組以上いる確率は,「一組もいない」確率の裏返しだから次のような式になる。
1-(365/365×364/365 × ・・× 326/365)
したがって,1-0.1088=0.8912と意外に高確率になる・・・・。 でも,じゃあなんで,「いままで同じ誕生日の人に遇わなかったのだろうか?」


公平な方法?
日曜日 NHK教育テレビで10:00から「将棋」の番組を,12:00から「囲碁」の番組をやっています。 (私は意外によく見ています。) 両方とも,2人が先手・後手に別れ,順番に相手の王または領域を獲っていくゲームのため, その順番(先手・後手)が勝敗を左右する ことがあります。

将棋の場合,「振り駒」といって,歩を5枚取って,それを,将棋盤の上や畳の上に放り投げます。 そして表側「歩」の方が多い場合には,振り駒をした人が先手になります。 裏側の「と金」が多い場合には,振り駒をした人が後手になります。プロのタイトル戦では, 記録係が上位者の駒から歩を5枚取って振り駒をします。そして,歩が多い場合には上位者の先手になります。
一方,囲碁の場合は一方の人が何個かの石を握り,もう一方の人がその石の個数が偶数であるか奇数であるかを当てることに よって先手・後手を決めます。

では,将棋と囲碁の先手・後手の決め方はそれぞれ公平な決め方なのでしょうか? (発生する確率は同じなのでしょうか?)


将棋の場合:
5枚の駒を使うので,駒を振ったときにでる全ての組み合わせ数は 2×2×2×2×2=32通りで,そのうち,3枚以上表がでる組み合わせは, 5C5+5C4+5C3=1+5+10=16である。
したがって,16/32=1/2で,先手・後手になる確率は五分五分ということになり,公平な 方法と言える。

ただし,将棋の駒が均等に裏表がでるとは限らないので正確ではないでしょうけれども・・・。

囲碁の場合:
全ての碁石を対象にすると煩雑な計算になるので,(石の数は白石180個, 黒石181個)まず,例えば,4個の碁石から何個かの石を取り出すとき, 石の数が偶数および奇数になる確率を考えることとします。

4個の碁石の中から,すべての取り出す石の数の組み合わせは,
 @4個のうち1個取る場合 41=4
 A4個のうち2個取る場合 42=6
 B4個のうち3個取る場合 43=4
 C4個全て取る場合  44=1
となるため,4+6+4+1=15通りとなる。
このとき奇数は,@とBが発生する確率となるので,(4+4)/15=8/15。一方,偶数は,AとCが発生する確率となるので,(6+1)/15=7/15 と奇数が若干高くなる!
また,5個の碁石から何個かの石を取り出すときも,奇数の出る確率は16/31,偶数のでる確率は15/31と 4個の場合と同様に奇数が若干 高くなる!これは,n個でやっても同様である。

したがって,若干,囲碁の決め方は不公平な方法となる。

ただし,nが大きくなればなるほど,1/2に近づくので公平といっても問題はない気がしますが・・・。
また,奇数が出る確率が高いことを両者が知っている場合は,不公平にはならないと思います。

降水確率
天気予報で一番気になるのは、「降水確率」ではありませんか。 電車通勤の私は、傘を持っていくかどうかの判断をするために欠かさず確認する数値です。 (降水確率50%以上なら傘を持って出勤していますが、それ未満なら気分によりけりです。)

さて、その降水確率ですが、その計算は概ね次のように行っているらしいのです。
・予測区域の現在の「温度」「湿度」「気圧」「風力」等を詳細に測定
・過去60年分のデータと比較して、測定した大気の状況と同じような状況の気象を抽出(全数)
・1mm以上の雨が降った回数/全数で算出。(発表は四捨五入10%刻みで、任意の時間帯別)
つまり、降水確率とは「ある区域のある時間帯に1mm以上の雨が降る可能性」を表しているものということになります。 したがって、発表される降水確率では、「0%」といっても4%未満の確率も含まれていたり、 1mm以下は対象になっていないので全く雨が降らないということではないし、「80%」が「40%」 より降水量が増加したり、雨足が強くなるということはわからない・・・・。

ということは「降水確率」だけでは、傘を持っていくかどうかの判断材料にはならないの かもしれません。降水量別の予測 「明日、1mm以上の確率50%、5mm以上の確率20%・・・」とか があればいいのになぁ。

2002.7.25、気象庁は平成13年度の天気予報の的中精度を発表しています。それによると、夕方発表する 翌日の(予想)降水確率は、実際より50%以上違った「完全な外れ」が年間26日で、予報と40%以上違った 「ほぼ外れ」の17日を加えると43日間あったそうです。
つまり、翌日の降水確率の数値は、12%(43/365)の確率で40%以上数字が違う可能性があるということですね。
ルーレットは難しい!?
東京都を始め新たな財源確保の手段として「カジノ」 が注目し始められている。
カジノといえば,誰もが思いつくのがルーレットであろう。 300年以上の歴史を持つ最も古いカジノゲームの一つであるが,その手軽さ,華やかさから カジノに初めて来た人が最初に手を出すゲームである。
ルーレットには,数字の0の扱い方の違いで2つのタイプがある。数字の0のみがあるヨーロピアンタイプと, 0と00のあるアメリカンタイプである。アメリカンタイプで一般的なルールで説明すると,概ね次の通りある。
・ルーレットの目は0と00と1〜36の数字で,全部で38個。
・それに対して,1つの目に賭けた場合の配当は36倍。
・その他の賭け方の配当も同様の倍率(もしくはそれ以下)で計算される。
つまり0と00の分,2/38=5.26%がカジノの取り分(ハウスエッジ)というわけです。
ルーレットで勝てる確率ははっきりいって高くありません。でも,やりたくなるのでしょうね。やっぱり,雰囲気がたまらない?

ちなみに,ルーレットはフランス語で小さな回る車≠ニいう意味です。




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