520の紹介とインプレ



はじめに
初めてのキャンピングカーだったジル…、これまで約4年間の経験でキャンピングカーを見る目もかなり肥えてきたつもりです。(笑) そこで520の紹介では主要諸元等はV社並び販売店HP、カタログや書籍をご覧頂くとして、ユーザーとしてファーストインプレを主要箇所別に書いてみようと思います。
ベース車
国内ではディーゼルエンジンの風当たりは強いですが、我が家が選んだベース車はディーゼルターボの4WDで、納車前には販売店に試乗車は配置されましたが、納車後の自宅へ向かう道のりが初乗りとなりました。
運転席の雰囲気は色使いがブラックからグレーになり明るくなったのと、以前の直線基調のトラック然とした無骨な印象は緩和され、現代風とは言えないもののなかなか好印象。 シートポジションは身長174cmの私でも収まり良く、お粗末なシートですが長距離運転も苦労なく出来そう…、実際に納車後の初陣キャラバンでは往復465kmを走破しましたが、腰痛持ちの私でも辛くはありませんでした。
で、気になる走りの方ですが、これは5L型と比べると別次元!馬力、トルク共にとても満足しています。 以前は登坂傾斜角に比例して速度もエンジン回転も落ち込み、談合坂のような登坂では50km台になることもありましたが、80km台で走破出来るかも知れませんね。 更に特筆すべきはエンジン音…、車外ではディーゼル特有のガラガラは煩いですが、車内は結構静かで助手席との会話は普通に出来ます。 あと、シフトレバー周辺の熱処理もされていて不快感は全くありませんでした。
お次は足回り…、こちらはエンジンの出来が良いだけに、ちょっと期待していたのとは違った結果で残念でした。 と言うのは、増リーフで強化したのですが以前のカムロードに比べて剛性感に欠け頼りないものでした。 また、前後の小刻みな揺れと左右斜めへのノーズダンプもあり、ノーマルショックはランチョ9000だと4弱、9000Xだと7弱に相当と聞いて期待していたのですが能力不足ですね…、早々に交換が必要でしょう。
ボディシェル
以前のシェルはスカート部を除くと6分割のFRPパーツを接合し、その部分を覆う補助パーツで形成されていました。 で、今回はリアのコンビネーションランプやバックパネルに接合部分は見受けられますが、通称鉢巻と言われている部分と新設されたルーフスポイラー以外に補助パーツは無く、見た目にも美しく絞り込まれたバンク部の処理と相まって更に流麗なスタイルに進化したかな。 また、まだ詳細は明らかに出来ませんが、520のFRPにはキャンピングカーにとって有益な処理もされており、次世代を感じています。(謎笑)
そしてベース車との絡みにもなる遮音性ですが、以前が煩かっただけに静かと感じています。 そうそう、断熱性についてですが、エンジンの熱は上手く廃熱されているようで気になりませんし、この辺りはここ数年の施工方法に変更もないので以前と変わらないのでは…、と感じています。
バンクベット
絞り込まれたバンクの内部では前方上部、左右で以前と大きな違いが…、以前のジルから乗り換えた方には狭くなったのは一目瞭然かも。 ま、実寸では縦横各5cm小さくなっていますが、主に子供達の就寝スペースとなるので影響はなさそうです。 あと、ベットマットが横折りの2枚から横長の2枚に変わっていましたね。 これはいつ頃から変わったのか知りませんでしたが、スライドベットの出幅が調整出来るのでとても便利です。
ダイネット
ダイネットの広さや開放感が売りのジル、ジルフィックス…、それと比較するとサイドシートが短くなった分だけ座数が減って狭さを感じるかなと覚悟していましたが、もともと昼間は外に出て遊んでいることが多いですし、6人での食事はジルの時でもそれなりに狭さは感じていましたので、改めて狭くなったと感じることはありませんでした。 逆に固定シートになったことで対座間が幅広になり、足や膝がぶつかる不快なこともなくグッド! ただ、シート幅が100cmあって大人が並んでもゆったり座れたジルに対し、520はシート幅が10cm強狭くなってしまったのは惜しまれますね。 あと、固定シート=収納スペースのロジックは520にはなく、セカンドシート下は清水タンク、サードシート下は機器類が鎮座しています。 かろうじてサイドシート下とダイネット床下に収納スペースはありますが、季節物(べープマットや加湿器など)や使用頻度の低いものに限定されそうです。
ギャレー
希望は大きくて深さのあるシンクに換装し、実用的なカセットコンロとの組み合わせでしたが、シンク下の収納が更にミニマムになるので諦めました。 そうそう、モーターエイド化されていて洗い物に重宝します!ボイラーの出番はないかも知れません。 車内自炊が多いのでシンク上のオーバーキャビネットは電子レンジを設置し、3Wayの冷蔵庫はメンテや冷却能力の問題から12Vのバエコ社製に換装しました。 で、余談ですが、換装後の配線は3Wayのガス点火用(1.25スケア線)を使用していましたが、我が家の520以降のオプション装着には走行用(3.50スケア線)を使用することになっているはずです。 これは勿論バッテリープロテクターからの信号でリレーがオンオフするようにお願いしました。 電源経路はサブバッテリー>リレー>冷蔵庫まで3.50スケア線で通り、これにより電圧降下は最小限になっていると思われます。
トイレ
レオバンクスよりも幅広になりスペース的には必要にして十分な広さが確保されています。 ただ、トイレが電動式の水洗から手動式に変わったことやペーパーホルダーがないなど、使い勝手はかなり悪くなりました。 あと、契約前に確認するのを忘れてましたが、オーバーヘッドキャビネットがありません。 ジルのようなウォールキャビネットは要りませんが、ペーパーやケミカル用品などの保管スペースは標準装備して欲しいですね。
リア常設二段ベット
ここは室内で唯一増えた部分です。(笑) 初陣の時に上下段共1泊づつ寝てみましたが、どちらも十分な幅があり安眠出来ます。 3方向に窓もあり風通しも良さそうなので、どちらかと言えば下段ベットがいいですね。 上段ベットは子供達に人気がありますが、窓はひとつしか無いのと揺れを感じやすい…、また、真上はルーフなので朝方は陽射しの受けると寝苦しいかも知れません。
リアベット下収納庫
トップボックスに入れていたスクリーンタープとコット、拡大していたサイド収納庫に入れていたコールマンの四折テーブル、スリムキャンプチェア5脚、ミニテーブル、コンパクトチェア3脚などを入れても全然余裕ありですが、コンテナボックスの利用や棚の増設などなど、収納方法には工夫が必要になると思います。 また、我が家のキャンプ道具の総重量は150kgほどですが、リア荷重なので意識しての整理整頓は必須ですね。
総評
以前のジルと比べて延長されたのは全長たったの17cm…、でも、その恩恵は大きいですね。 ベース車の進化もさることながらジルも第三世代となり、レオバンクスとの融合で派生してきた520は、自画自賛で恐縮ですが良く出来ていると思います。 このレイアウトは更にブレイクしそう…、V社には頑張って貰いたい。
最後に、独断と偏見のインプレはご勘弁を! 520の改造、改良は随時アップしていく予定です。m(_ _)m
2004.11.02