レコンポーザ/98秘伝書
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レコンポーザ/98は、発売からかなりの年数が経っていますが、今でも多くの人が愛用しているソフトです。DTM雑誌の投稿データや連載陣のデータにもレコンポーザ使われていることが多く、通信カラオケのデータ作成にも使われていると聞きます。
さて、このレコンポーザ/98ですが、私はVer2.5をずっと使ってきました。そこで見つけた、便利な操作法や隠し機能を紹介します。また、併用すると、さらに便利になるフリーソフトも挙げておきます。
なお、ここでの操作はすべてVer2.5を対象にしています。レコンポーザ/98のバージョンは、2.5F、2.5G、3.0が存在しますが、一部の機能(特に裏技)は標準で搭載されていたり、無効になっていたりしますので、ご注意ください。
- ・編集時にも音が出る
- 適当なトラックで[ = ]を押して、SOUND 1にすると、[RETURN]を押したときに音が出るので、フンフンと確認しながら入力できます。SOUND 2は、ちょっとうっとうしい。
- ・色が変わる
- メインコマンド画面で[ ~ ]([SHIFT]+[ @ ])。モノクロのノートパソコンで使う以外には、使い道がなさそう。
- ・そこでストーップ
- 演奏中の位置で画面表示を止めたいときは、[SHIFT]+[HOME CLR]。これは基本かな。
- ・カット&ペースト
- カット(デリート)が[ K ]、ペーストが[ Y ]。一度取り込んだらペーストは何度でもOK。
- ・別のトラックへジャンプ
- あるトラックを編集中に、別のトラックの同じ小節へすぐに行きたいとき、[SHIFT]+[数字キー]でジャンプします。
- ・試しに音を出すときに……
- PROGRAMにカーソルを合わせて[HELP]を押したときなどに出る音色一覧では、実際に音が出せますが、その時[ , ][ . ]で音量が、[ < ][ > ]でオクターブが変えられます。
- ・演奏中に音色選び
- 演奏中、[f.3]を押して、バンクか音色番号にカーソルを合わせて[HELP]。演奏中でも一覧を見て選べます。
- ・パンポットの連続的な設定
- パンポットは、範囲を指定した設定ができないので、エクスプレッションやボリュームなどでいったん設定しておき、あとからGTの値を10に置き換えると楽です。
- ・ドラムパートのキーシフトをOFFにする
- [f.5](TR.set)を押し、K#+の欄にカーソルを合わせて[ = ]を押します。ドラムパートはOFFにしないと、PLAY BIASを上げ下げしたときに、リズム楽器までずれてしまいます。
- ・リズムの音色名の変更時のカーソル移動
- [f.9](INSTALL)→[f.1](RHYTHM K#)で、ウィンドウ内の表示が2列になっているのですが、列のカーソル移動には[HOME CLR]を使います。
- ・リズム楽器の名前と音が一致しないときの対処
- [f.5](GS/GM)→[f.4](RHYTHM)で、[SPACE]を押すとカーソル位置の楽器の音を聴くことができますが、違う楽器が鳴ることがあります。これは、KEY SHIFTが0になっていないことが原因です。いったんそのモードを抜けて、0にする必要があります([ < ][ > ]を使う)。
- ・スクロールの仕方が変わる
- 演奏中、ドラムパートを表示させて[ / ]を押すと、いつもと違うスクロールの仕方になります。
- ・タイムベースを変更する
- メインコマンド画面で、[ } ]([SHIFT]+[ ] ])を押すと数字が出て、押すたびにタイムベースが変わっていきます(60,80,96,120,160,240,48)。確かVer2.5は48で固定されていて、変更できるのはVer2.5Gのはずでは……。ちなみに、数値とグラフィック表示の対応が少しおかしくなることがありますが、割り切って使うしかないでしょう。
- ・外部MIDI機器のエクスクルーシブデータを取り込む
- トラックエディタ画面で、[ } ]を押すと、「MIDI IN EXCLUSIVE INPUT」と出ます。これも、Ver2.5Gで加わった機能のはずですが……。
この機能は、ボタン操作でデータを送信できる音源で利用できます。MIDIケーブルで接続している場合は、音源のMIDI OUTから、MIDIインターフェイスのMIDI INにもMIDIケーブルをつなぐ必要があります。シリアル接続であれば、そのケーブル1本で送受信が行えます。
- エクスクルーシブを送りたいトラックに移り、[ } ]キーを押す。
- 音源側で送信操作をする。
- [ESC]キーを押す。
これで数値を入力せずともトラックエクスクルーシブができあがっています。これを使うだけで、エフェクトの設定などの大半の機能を制御することができますし、打ち込み間違いも防げるので、ぜひ活用しましょう。
XG音源では、送信機能のない機種でも、ショーエクスクルーシブ機能はあると思うので、表示された数値をそのままトラックエクスクルーシブに書き込むだけで済みます。このとき、先頭のF0を書く必要はありません。
- ・ピッチベンドの細かい数値の変更
- 大したことではありませんが、VELの位置で[ROLL UP][ROLL DOWN]キーを押すと、大まかにしか数値が変化しませんが、GTの位置なら1ずつ変化します。ただし、一定の値まで行ったら止まってしまうので、VELの位置での変更との併用になります。
なお、これらについてカモンミュージックに問い合わせても「サポート対象外の操作です」という回答しか得られないと思います。
STはステップタイムで、GTはゲートタイムですが、慣れるまではこの2つがそれぞれ何を意味するのものなのか、よくわからないと思います。
STは音符や休符の長さを表すもので、タイムベースが48の場合、4分音符のSTは48になります。というより、4分音符のSTが48のものを、タイムベースが48といいます。しかし、この説明だけでは理解しづらいでしょう。正確には、次のステップに行くまでの時間のことで、ここで設定した時間が経つまで、次の行が実行されない、と言ったほうがわかりやすいかもしれません。
GTは、ノートオンが送られてからノートオフが送られるまでの時間のことです。音が鳴っている時間と考えてもいいのですが、音がすぐに消える、あるいはなかなか消えない音色を使ったり、ホールド1を使ったりしたときは、音が鳴っている時間とGTは違うので注意してください。
タイムベースが48として、例を挙げます。
STが24で、GTが12だとしたら、8分音符なのですが、実際には16分音符の長さしか発音しないということになります。でも、8分音符の長さ分の時間は確保しているので、その間は次の音は鳴りません。
では、STが0で、GTが12だったらどうなるでしょう。16分音符の長さだけ発音しますが、STが0ということで、同時に次のステップへ進み、次の音も発音するのです。
だから、以下のものはドとミの和音になるわけです。
NOTE K# ST GT VEL
C 4 60 12 100
E 4 64 12 12 100
また、以下の場合、一瞬早くC4が発音し、すぐにE4が発音します。結果的には和音になりますが、このように少しだけずらす方法は、ギターの演奏を再現するためによく使うので、覚えておいて損はないでしょう。
NOTE K# ST GT VEL
C 4 60 1 12 100
E 4 64 11 11 100
- ・キー操作をカスタマイズしたい
- レコンポーザではキー操作を変更することはできませんので、常駐ソフトで対処します。私はYKBDRVというフリーソフトで、ダイヤモンドカーソルが使えるようにしてあります。また、[ Q ]キーに[SHIFT]+[f.10]を割り当てて、終了がすぐに行えるようにしてあります。
- ・キーリピートを速くする
- 私は、数値を入力するより、[ROLL UP][ROLL DOWN]で上げ下げするほうが多いので、キーボードの、リピートするまでの時間とリピート間隔を短くしています。KEYSPというフリーソフトを使っています。
- ・RPNやNRPNの入力
- 毎回RPNやNRPNを調べて入力するのは面倒なので、パートセーブをしてPRTファイルにしておいて、その都度呼び出したほうが楽です。また、RHELPというフリーソフトを使えば、機能を選択するだけで、自動で入力してくれます。
- ・マウスを使う
- RAIDというフリーソフトを常駐させると、DOS版のレコンポーザでもマウスが使えるようになり、機能も拡張されます。私はほとんど使っていないのですが、愛用している人は多いようです。
- ・RCPファイルを標準MIDIファイルに変換する
- レコンポーザには、標準MIDIファイルにするためのコンバータがついていますが、私はフリーソフトのCVS(名前が同じでややこしいですが)を使います。変換精度はかなり高いですが、トラックメモの前後のスペースが詰められてしまうようです。
- ・標準MIDIファイルをRCPファイルに変換する
- MSRというフリーソフトが存在します。レコポのコンバータでも変換できますが、変換する手段はいくつかあったほうがよいでしょう。
- ・ファイルをコンパクトに
- RCPファイルのサイズを減らしたいときは、RCCというフリーソフトでコンパクトにできます。コンパクトにするレベルも決められます。レベルによっては、小節線を取り払って、できるだけくり返しを使うなどの処理が行われるため、編集作業は困難になります。よって、もうファイルを編集するつもりがなく、配布する直前に用いられます。
- ・MIMPIで早送り
- レコンポーザには直接関係ありませんが、MIMPIで再生しているとき、ADDKEYというフリーソフトを常駐させておくと、[GRPH]+[f.2]〜[f.5]で2倍速〜5倍速の早送りが行えます。[GRPH]+[f.1]で、もとに戻ります。WRDの確認作業を行う際に役立つでしょう。
- ・データのチェック
- レコンポーザでは、RPNやNRPNで設定した値を、演奏時に確認できません。私はいつも、きちんと設定できているかどうかをnplay55で調べます。じっくり見ていると、意外な場所でミスが見つかるものです。なお、データの密集度もわかるので、同時にチェックします。あらゆる環境で正確な演奏を行えるよう、あまりに集中している部分は、ステップタイムを使ってわずかにずらしたり、エクスプレッションなどの情報を間引くなどの対策が必要です。特に演奏前のセットアップは集中しがちなので、意図的にずらしながらデータの送信を行うように心がけましょう。
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