MD-MS100レポート
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- ・再生
- 再生は、ほぼCDと同じように扱うことができます。ただし、再生中に早送り(巻き戻し)をする際、少し間が空きます。早送りの最中も、音が雑な気がします。これは、MDが2秒を最小単位としているからでしょうか。一時停止をすれば、音は出ませんがスムーズに早送りや巻き戻しができます。
頭出しは、カセットテープとは比較にならないほど楽なので、これだけでもMDのよさが実感できます。操作時にガチャガチャうるさくないのもマル。
- ・録音
- 録音の信頼性はかなり高いといえるでしょう。カセットテープだと、うまく録音できたと思っていても、わずかに音が変になっているところがたまにあります。録音し直したくても、ちょっと気が引けます。MDなら、気の済むまで録音し直すことができます。
最もよいと思った点は、ボタンを押した瞬間から録音を始めてくれることです。シビアなタイミング(笑)で録音しなければならないとき、頭が録音されていないということがありません。また、録音開始前の何秒かをさかのぼって録音できる機能がある製品もあります。
MIDIデータを作成しているかたなら、作成中のデータを録音してみるといいでしょう。わざわざコンピュータを起動させなくても、すぐに聴けるようになります。また、何度も聴いていると、直したほうがいいところを発見できるかもしれません。
CDプレイヤーに光端子があれば、光ケーブルでデジタル接続をして録音することができます。私は最初、ちゃんと録音すればアナログ接続でも十分だと思っていました。しかし実際に聴き比べてみると、その違いに愕然としました(笑)。音の広がりや、小さな音のリアルさが明らかに違うのです。こんな音だったかとCDを聴き直したくらいです。第2世代へのデジタル録音ができなくしてあることもうなずけます。ちなみに、録音レベルの調節が必要ないのも楽でいいです。
光ケーブルを買うとき、どれも同じだと思っていましたが、これまた違いがあって驚きました。MDデッキなどに付属しているケーブルはひょろひょろで、単品として売っているケーブルのほうが、はるかに太いのです。また、その中でもグレードがあるようです。ところで、出力端子のほうにだけ接続してみると、本当に光が出ているのが確認できます。この光は赤いんですね。とにかく驚きの連続でした。
- ・編集
- 編集機能は、さまざまなものがあります。まず、ディスクに名前をつけられます。トラックごとにタイトルもつけられます。それから、曲の順番を入れ替えたり、曲をつなげたり切り離したりも自由にできます。特定のトラックを消したり、すべて消したりといったこともできます。
私が持っているのが、シャープのMD-MS100なんですが、これについて感じたことを書いてみたいと思います。
- ・大きさ
- 出始めのころに比べて、ずいぶん小さくなったものです。このサイズで録音までできるのですから、言うことなしです。今はもっと小さいのもありますが、とりあえずこれでいいです(笑)。
- ・スロットインメカ
- 思ったより便利じゃありません。挿入しにくいんです。もう少し挿入口を考えて作ってもらいたかったものです。しかしまあ、持ち運んで使っているときに、ディスクの入れ替えがスムーズにできるので、フタを開けるタイプのものよりは楽です。私が思うに、スロットインメカの長所は、フタの開け閉めがないため、故障しにくいことではないでしょうか。
- ・リモコン
- 再生(&一時停止)、早送り、巻き戻し、停止がひとつの大きなボタンになっています。これはとても使いやすいです。ボリューム調節もボタン式です。HOLDスイッチもあります。イヤホンとリモコンが分離でき、端子がミニジャックのため、いろいろなものへの接続ができて便利です。少し前のモデルもこのリモコンなので、きっと好評なのでしょう。ちなみに、その前のタイプのリモコンは、買う気が失せるものでした。
- ・イヤホン
- コードは、左が短く右が長い、最近では標準的なものです。右へのコードは、下から出るべきだと思うのですが(ちょっと言葉では説明しにくい)。イヤホンの作りは、まあまあでしょうか。私はいつも、低音を強調するパワーキャップとかいうのをつけています。はずれてどっか行ってしまうことが多いのですが(笑)、おすすめです。
- ・本体
- ボタンについては、再生だけならリモコンで操作できますが、録音や編集をする際には本体のボタンを必要とします。編集メニューのボタンは側面よりも上にあった方がよかったんじゃないかと思います。それと、端子の配置がちょっと気になりました。DC IN、PHONES、LINE INが3つ並んでいるので、アダプタを使いながら録音するとき、ぎゅうぎゅう詰めです(笑)。
本体にもHOLDスイッチがあります。これは、リモコン側とは独立しています。つまり、「本体だけ操作できる」「リモコンだけ操作できる」「どちらでもできる」「どちらもできない」の4種類が選択できます。持ち運んで使うときに、このような配慮はありがたいものです。
- ・充電池
- リチウムイオン充電池を使います。再生時間は4.5時間。メモリ効果が起こりにくいので、途中で充電しても平気(なはず)。1本で3.6Vもあるんですね。性能のよい充電池なだけに、1本5000円もします。
- ・録音
- シンクロ録音が非常に便利です。たとえば、CDの再生と同時に録音を開始して、演奏が終わると同時に録音を停止します。このとき、スタンバイ状態になっており、またシンクロ録音ができるようになっています。シングルCDを次々に録音するのに便利な機能です。トラックマークを自動でつけるかどうかの設定もできます。自動でつけると、音がない部分でついてしまうことがありますが、取り除くことが簡単なので、特に大きな問題にはなりません。
シンクロ録音については、ソニーのMDデッキは今ひとつに思えます。自動で録音はスタートするものの、自動で止まりません。ただし、そのまま次の録音を始めると、長い空白が3秒に縮められるという機能はあります。でも、自動で止まってくれないと、放っておけなくて不便に思うのですが。スマートさに欠けるこの機能は、ソニーらしからぬ感じがします。全体的にも、シャープのMD-MS100のほうが使いやすいと思いました。私の慣れもあるのでしょうが、デッキタイプよりポータブルタイプのほうが使いやすいと思った私って?
- ・文字入力
- カナ入力ができます。言葉を短くまとめられるということで、やっぱりカナ入力はできた方がいいと思います。ところで「・(中黒)」がないのはなぜ?
順番に並んでいる文字を、ひたすら選んで入力していくのですが、この機種は前後の文字へのアクセス時間が短いので、慣れればかなりのスピードで入力できます。ただ、カタカナよりもアルファベットをデフォルトにしたほうがいいんじゃないかと思いました。邦楽でも英語のタイトルが多くなりましたし。
小文字にするには小文字ボタンを押すというのが、少々面倒です。全部大文字で入力してからカーソルを戻し、小文字ボタン→カーソル移動の連打で、ある程度我慢できますが。それか、入力するときに左手で小文字ボタンを押すかまえをしておいて、文字を決めたらすかさず押すということで、それなりに速く入力できます。よく考えてみれば、大文字、小文字の個別のモードがあっても、それはそれで面倒なときもありますね。どっちもどっちでしょうか。
- ・編集機能
- DISC NAME、TRACK NAME、ERASE、ALL ERASE、COMBINE、MOVE、DIVIDEなど、たいていのことはできます。ディスクの最適化なんかしてくれるといいのですが、これは私の気分的な問題ですね。
- ・低音の調整
- BASS OFF、BASS 1、BASS 2、BASS 3 があります。順番に、「音が軽〜い」「うむ、なかなか」「おっ、けっこうくる」「こりゃきっついわ」という感じです(笑)。私のデフォルトは「おっ、けっこうくる」です。付属のイヤホンだと、やはり低音が弱く感じるので、この機能は必須です。
- ・その他
- ボタンを押したときにBEEP音を鳴らすかどうかを設定することができます。それから、停止後そのままにしておくと、2分後に電源が切れます。これは、私に言わせればおせっかいです。一時停止にしておいても切れるのは納得できません。ちょっと止めておいて、ほかの作業をすることが多いので、勝手に切れないでほしいのです。せめて5分なら、まだましだったのに。なお、電源を入れたときには、止まっていた場所から再生が始まります。
普段、コンピュータ、テレビやラジオ、CDなどから録音をよくする人にとっては、買って損のないものだと思います。音質にさえこだわらなければ(とはいえ十分なものですが)、この操作性と編集機能は強力です。もうカセットテープを使う気は起こりません。
ポータブルタイプは各社から発売されていますが、ひと昔前は、性能が同じでメーカーだけ違うという機種がたくさん出ていました。そういうものは、好みや値段で選べばよいでしょう。現在はどうなんでしょうね。実際に使ってみないと、善し悪しは分かりにくいものですが、文字入力の操作性や、シンクロ録音の機能はチェックしたほうがいいと思います。
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