
序 章
〜冒険の書を作る〜
2001年8月某日某所。某局の24時間テレビPR番組を見てて、ここ数年の富士山チャレンジ企画
(今年はキリマンジャロだったが・・・)の回想をやっていた。「富士山かー。一度は登ってみたいよな。
でも卒業したらなかなかそんな機会もないよなー。そういや去年もケンケン達が登ったことだし、うーし
いっちょ今から企画すっかー!!」
これが今回の無謀な挑戦のささいなきっかけなのであった・・・
第 1 章
〜ルイーダの酒場に行く〜
まずは日程を考える。9月の頭に試験があるのでスケジュール的に試験後がベターか。9月だとちょっ
と寒いかもしんないけどさすがに雪は積もってないだろ。秋合宿にかぶらせるつもりはないのではたけ
にメールで日程を聞く。そしたらはたけは興味を示した様子。これでとりあえず一人ぼっちではなくなる
ことに一安心。海に行った時に聖に打診すると行きたいとのこと。これはいい感じで集まりそうだな、と
思ったら近くにいた1女達も行きたいと言い出した。まさか1女が山に登りたがるなんて・・・あまりにも
予想外の出来事。このままでは確実に大人数になってしまうのでその場はあやふやにして逃げ出した
(ズダダダダダ)。しかしまわりこまれた!!帰りの電車の中で伊藤と米田に聞かれたので他には口外しな
いよう約束して連れて行くことにする。その後みのる・かなすんも加わり、俺的にはもう十分なのでここ
から秘密裏に進めることにする。
第 2 章
〜しらべる&はなす〜
去年登ったりょーちんにおおまかな話を聞いたが、もっと詳しく調べるためにインターネットで検索をす
る。すると「あっぱれ富士山」というサイトがひっかかった。どうやらその筋では有名なサイトらしい。確
かにものすごく詳しくて自分の無知さを思い知らされた。なんと富士山は8月26日でほとんどの山小屋
が閉まってしまうのだった。そしてそれ以降はお勧めできないとのこと。真っ青になった俺はケンケンに
相談する。すると確かに厳しいけどケンケンも9月に登ったことがあるとのこと。この一言で俺は勇気付
けられ絶対に登ることを決意するのであった。
第 3 章
〜武器・防具をそろえる〜
試験勉強のためしばらく何も活動していなかったが、車の関係もあり人数決定に関して聖・はたけに頼
んで調整が行われていた。試験終了後、稔と一緒にドン・キホーテに道具を買いに行く。一番の目当て
はガスバーナーだ。どう考えてもこいつは必要だろ。1980円という激安のもあったが、ちょっと信用で
きなかったのでそれ相応の値段のを購入。あとは懐中電灯やら電池やらを買って装備品ゲットだぜ!!リ
ュック系のカバンは持ってないので稔から借りることにする。これで準備万端。あとは面子決定と車の手
配だけだ。
第 4 章
〜暗雲立ちこめる〜
パーティは紆余曲折の末、俺・稔・聖・はたけ・かなすん・伊藤・米田の7人で行っちゃうことにした。ここ
から想定外のアクシデント連発。前日の朝、近所のレンタカーに車の予約をしようと電話を入れたところ
なんと予約一杯で7人乗りの車がないというではないか!!焦った俺は方々に電話しまくり何とか自由が丘
の店で車を確保する。ほっとしたのも束の間、米田が体調不良で無理っぽいという連絡が。そうなると
当然伊藤も来ないわなぁ。ちゅうわけで結局野郎5人というアツイ旅に決定。ここで本心を言うと、華が
ないのは残念だが裏を返せば気を使う必要がなくなって良かったかもしんない。いやあ(いろんな意味
で)まるいまるい。と思ったらさらに衝撃な出来事が!!夕方バスケやって終わって体育館の外に出たらな
ななななんと雨が降っているではないか!!朝の天気予報で雨降るなんて言ってなかったのに。このまま
だと富士山は雪じゃないのか?そうなったら中止にせざるを得ない。慌てて帰った俺はインターネットで
富士山の天気を調べまくる。さいわい山頂にも雪は降ってないらしい。気温も5℃前後。明日の予想は
降水確率40%。うーん微妙だ・・・その後こまめに天気をチェックしながら夜が明けてしまった。このまま
じゃ埒があかないので、行って雨が降ってたら中止にして金も俺が全てかぶる決意をして決行すること
にした。神様頼むよ〜!!
第 5 章
〜旅立ちの時〜
14時にはたけと渋谷で待ち合わせをしてドン・キホーテに行く。非常食(っつーか菓子)や紙コップetcを
買って準備OK。さーいよいよだ。
16時自由が丘に到着。ほどなく全員集合。イプサムに乗り込んでしゅっぱーつ!!ちなみにカーナビ付き
だったのだが、聖の家の車にあるのと同じヤツらしく操作方法を熟知してた。これは非常に助かった。
環八は予想通りの渋滞。ところが東名に乗ったらかなり空いててスピード出る出る。予定より早く2時間
程で御殿場に到着。適当にうろうろして夕食を取る場所を探す。美味そうなトンカツ屋に決定・・・のはず
だったが値段が貧乏学生にしては高かったので変更。カーサに入る。店員がカワイイと聖とはたけが盛
り上がる。おーい、鼻の下伸びてるぞ〜( ̄ー ̄)
そうそう、御殿場からは聖の運転。家で乗りまくってるだけあって取り立てにしては上手ですな。そして
ビックリなことにこの車バックする時カーナビのモニターに後ろが映ってるの。恐るべしハイテク。
コンビニで水や飲み物などを買っていざ五合目へ!!(聖の運転が続く)
第 6 章
〜ヒヤヒヤ豪雨の峠バトル!?〜
カーサを出たあたりからポツポツしだしてたのだが、登山道路に入った途端本降りに。それよりも焦っ
たのは濃霧。視界が10mもありゃしない。街灯なんて代物はなく辺りは真っ暗。聖くんドッキドキ。さら
に豪雨と化す。お先真っ暗。聖くん泣きそう。唯一の救いは対向車がなかったことだ。中止かと思うと俺
も泣きそう。一縷の望みにかけてとりあえず五合目までは行ってみることにする。道路はすごい傾斜で
セカンドでもあまり登らない。一気に2000mまで登るんだから当然か。頑張れイプサム(祈)!!途中後ろから2台ぐらい車がやってきた。俺たち以外にも物好き(バカ?)がいると知ってちょっと安心。そしてもう
すぐ終点・・・
奇跡は起きた。
雨が降ってない。霧もどっかいった。風が強いものの空は晴れていて星がキレイだ。どうやら雨雲は下
にあったらしい。神は見捨ててはいなかった!!山小屋がまだ開いているみたいなので中に入る。おばあ
さんがめっちゃ親切にしてくれて、お茶を入れてくれた上に着替え&仮眠用にと部屋の一角を提供して
くれたのであった。こうして1時間半ほど仮眠をとるのであった。
♪ちゃーらーらーらーらっちゃっちゃ〜♪
第 7 章
〜神のご加護があらんことを〜
22時に五合目出発。俺達の他にも2組登るグループがいた。1組は何と外人。しかも半袖にスポーツ
サンダル・・・なめてんのか!!

初めは森の中を突き進む。気が付くとペースが速くなってる。ちゃんとセーブしとかないと後が大変だ。
片手に懐中電灯、もう片方に杖をもって黙々と進む。途中3回休憩をとりながら1時間半ぐらいかけて
六合目到着。当然山小屋閉まってます。というか解体されてたのはナゼ!?

この辺りから木々は低くなりまばらになっている。同時に壁となるものがないので風が容赦なく吹き付
けてくる。登ってる最中は汗をかいてちょうどよいが、長いこと立ち止まってると途端に寒くなる。ズボン
重ね着すりゃ良かったなとちょいと後悔する。ま、スキーで寒さには慣れてるからどうってことないけど
ね(強がり)。
1時。七合目に到着。このままのペースで行くとちょっと早過ぎるか。頂上で時間を過ごすのはよろしく
ないのでどこか風の遮れる場所で休憩したい。ここには太陽館っていう今でもやってる山小屋があった
が、さすがに深夜には入れてくれない。風はますます強くなり我々の体力を蝕んでいく。ここで俺はトイ
レ小屋に鍵がかかってないことを発見。多少臭うが風をしのげる方のがデカイ。みんなをそこに招き入
れ、山小屋の人に見つかるとヤバイので静かにしてる。ここで1時間ぐらい居座るつもりだったのだが
、さっきの外人どもがガヤガヤ騒いで通り過ぎてった。それで起きてしまったのだろう。あっけなく小屋
のオバサンに見つかってしまう。「こんな時期の夜中に登るなんて非常識だ」とグチグチ言われる。怒ら
れて他の4人はヘコんでるっぽかった。「そんぐらい承知で登っとるんじゃぁ〜!!」とキレたかったが我慢
する。このオバサンも商売してるんで中に入れてくれるわけもなくとぼとぼと登り始める。
第 8 章
〜体力ゲージ黄色だよ〜


登ってる間はそんなに寒くないのでずっと登ってたかったが休憩しないわけにはいかない。ここで役立
ったのがはたけに持ってきてもらった温かいお茶。これは生き返ります。お茶なかったら(俺以外の)誰
か力尽きてたね。あと飴やチョコやビスケットなど甘い物食べて体力&気力回復。1時間弱で八合目に
到着。ここで1時間程待機することにする。
(実は八合目というのは間違いで本七合目だった。
この勘違いが後々の精神的ダメージ
を引き起こす・・・!!)
ここで登場したのがガスバーナー♪さっそくお湯を沸かしてどん兵衛を作る。いやマジうんめぇ〜!!そし
て食後はコーヒー。これで体の内側から温まった5人は今度は外側から温めるべく、う○ち○ま○ゲー
ムを始めるのであった!!これはまさしく最高高度での○ん○ん○んゲーム記録に違いない。すごいぞ俺
達、アムレの鑑(笑)!!
3時半を過ぎ、下のほうからライトの光がちらほら見え始める。どうやら宿から出てきたようだ。というわ
けで俺達も登山再開。あとひと踏ん張りだ!!(←大きな勘違い)

第 9 章
〜ズガガガッ!痛恨の一撃!!〜
40分程登って次の山小屋に到着・・・あれ、八合目?じゃあさっき休憩してた所は何?ちょっぴり萎え
ながらさらに40分登る。・・・本八合目?どうなっとるんじゃ?この調子だと日の出までには山頂に着き
そうにもない。先ほどの長い休憩が痛い。もっとあっぱれ富士山を熟読しとくべきだったと後悔するも後
の祭り。とにもかくにもここで河口湖口ルートと合流。ここから傾斜がきつくなっている。しかも滑りやす
い。俺は大丈夫(根性×2!!)だが他の4人、特に稔はしんどそうだ。
何とか九合目に到着と思いきや・・・立て看板には八合五勺の文字が。
もはや5人は言葉を失った。恐るべし富士山。日の出時間近くになったのでここで御来光を見ることにす
る。ちょうど山小屋の名前も御来光館だったし・・・
雲海の向こうから出てくる太陽はちょっぴり雲に隠れてて全開とはいかなかったが、それでも俺の心に
深い感動を与えた。


これを見るために今まで頑張ってきたのだ。疲れなんかぶっ飛んだ。
さて残るは頂上を目指すのみ。気合入れて行くべ〜。しかしその気持ちばかりが前に進み肝心の体が
前に進まない。明らかにペースダウン。山小屋に泊まってた人たちが次々と追い抜いていく。俺1人な
らムキになって張り合うところだがそうもいかない。稔・かなすんは相当キツそうだ。反対に聖・はたけは
何だか元気になったみたい。徐々に2人と2人の差が開いていく。俺はボランチのポジション(笑)。最終
ラインをケアしつつ果敢に前線に飛び出す。そう、俺はダーヴィッツ(意味不明)!!
九合目を通過し視界に山頂を捉えることが出来るようになった。日はすっかり昇っており、夜中に震えて
たあの寒さが嘘のよう。太陽の偉大さが身に染みた瞬間だ。
第 10 章
〜そして山頂へ〜
山頂の鳥居が段々と近づいてくる。これまでの経験から、まさかあれは九合五勺じゃねーだろうなと一
抹の不安を抱えながらどう見ても山頂じゃんと自分に言い聞かせて一歩ずつ登る。そして・・・
ついに登頂\( ̄▽ ̄)/~
約8時間の行程の末の達成感。筆舌に尽くし難いこの気持ち。今まで生きてきた中で最高に嬉しいで
す(パクリ)!!と感慨に耽るつもりだったのだがそんな俺の淡い幻想を打ち砕くかのような猛烈な風が襲
う。真っ直ぐ立ってるのもままならない。5人で記念写真を撮ったものの強風の影響で全員変な顔・・・

って変な顔してんの俺だけじゃん(爆)
火口の方に向かうとさらに風速アップ。まさに台風並。暴風域。自然の脅威。下の写真は超わかりにく
いけど、火口は畏怖の念を抱くに十分な存在感を醸し出していた。何十年何百年後にこんなでっかい
穴からマグマが噴出すのを想像すると身の毛もよだつ。そしてふとドラゴンヘッドを思い浮かべる俺。

もっと山頂にいたかったけど、こんな強風ではそういうわけにもいかずちょっと下る。そしたらパッタリと
風が止んだ。ほんの数m上は相変わらず暴風だというのに不思議だ。これ幸いと岩場に腰掛けてちゃ
んとした休憩をとる。そして再びガスバーナー登場。コーヒー・稔持参の味噌汁を作り、めっちゃ冷えて
るペットの生茶を温める。味噌汁はめーちゃめちゃ美味かった!!日本人の心ですね。などと幸福に浸り
ながらふと隣を見るとかなさんが横たわっているではないか。まさか死にかけ?

実はマジでヤバかったらしいのだが、当時そんなことを知る由もないメンバーはこの光景を見て笑って
た。大事に至らなくてよかったです、ハイ。
十分な休憩をとった後、5人の戦士は五合目に向けて日本の最高地点から下り始めるのであった。
第 11 章
〜リレミト唱えてぇ〜
でも5人は戦士だから魔法は使えないんですね。
とまあ冗談はさておき、下山道はブルドーザーの通り道を下っていく。傾斜がきついので膝が悲鳴を上げ
る。実はこの頃から俺は両足に靴擦れを起こしていてかなり痛かったのだが、ポーカーフェイスで走って
下っていく。何か歩くよりも走った方が膝も靴擦れも痛くなかったからだ。上りとは比べ物にならない速さ
で七合目に到着。ここからは砂走りといって地面がすごく柔らかくて砂煙を巻き上げながら走って下って
いくのが醍醐味である。一旦走り出したらもう誰か止めてくれ状態。すごく楽しかった。


1回休憩しただけで後はノンストップゴーゴー(笑)。あっという間に五合目まで来てしまった。途中で風穴
らしきものを発見。入ってみたい衝動に駆られたが、そこまで辿り着くことが難しそうだったので断念。後
ろを振り返ると青空の下富士山が映えている。そしてキノコ雲がかかっていた。

この雲が富士山のまわりを不穏に渦巻いている。そして裾野の方から雲がどんどん頂上の方へ向かっ
ていっている。これはそのうち天気が崩れそうですな。そして俺達はラストスパートと言わんばかりに森
の中へ入っていくのであった。
第 12 章
〜迷いの森。そして凱旋〜
下りはここが一番しんどかった。地面には結構根がはびこっているし、前日の雨でぬかるんでるし、蜘蛛
の巣ウザイし。何よりも想像してたよりも距離があって俺達はルートを間違えたのかと焦ったものだ。それ
でも下山道の標識を(疑心暗鬼ながら)信じて進むこと30分。とうとうスタート地点に戻ってきた!!精根尽
き果てた5人を暖かく迎えてくれた。ていうか、賑わい過ぎ。昨夜のもの寂しさは一体どこへ?どうやらみ
んなキノコ狩りに来てるらしい。店の人からキノコ汁を頂いて一息つく。いろんな人から山頂まで行ってき
たことをチヤホヤされて一端の英雄気分。仮眠させてもらった店にお礼がてら寄って食事をする。あむれっ
たーへのお土産も買って一同は帰宅の準備をする。この難行をやり遂げた5人の顔は自信に満ち溢れ、
貴重な体験これからの大きな糧となるに違いない。5人の戦死の将来に栄光あれ!!