スピカ プロローグ
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『だーかーらーじゅうろくだっつってんだろーよさっきから何度も何度もよッッ!!チョーウゼーんだよ同じ事云
わせてんじゃねーーッッ!!』
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ガラガラガッシャンと破壊音が上がり同時に蹴り上げられたテーブルが宙を舞った。このマジックミラー越しで
も腹に振動が響くのだ、一人相対する医療班主任ナイトウの恐怖はいかばかりだろう。
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あの時、別れ際最後に交わした言葉は何だったのか。__『阿呆』だったか『馬鹿』だったか。
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吊り上がった眦でナイトウばかりか周囲を睨め付ける眼前の上忍、はたけカカシの肩も腰も二の腕も全身す
べてが今、云い合いの果てケンカ別れしたあの朝より一回り、いや二回りは細く華奢な身体となっている。
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『テメーらじゃ話になんねーんだよ、ジジイ出せよ、ジジイッッ!!さっさと呼んでこいっつってんだよッッ!!』
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ギロリと殺気立ったオッドアイがこちらに向けられ、イルカは思わず後ずさった。いや向こうからは見えていな
い、いない筈ではあるが上忍の経験と勘から、己が隣室から被検体の如く観察されているのはとうに知れて
いるらしかった。
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通常は薄い目蓋の奥に伏せられている写輪眼が、明らかな敵意と苛立ちを伴い収縮と拡散を繰り返す瞳孔
の形態が分かる程に見開かれている。__その殺意とも呼べる気を放つ、赤。
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顔を背け眼を逸らそうとも尚も喰らい付くかの如き赤い瞳から、息を潜め身を翻した。
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