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俺は今日、随分と久しぶりにアカデミーの収蔵庫に向かった。三代目に言い付かって、古い呪術の類の巻物
を探し出すためだ。昔からプロフェッサーと異名を持つ三代目のこと、あの年になっても旺盛な探求心は尊敬
に値するが、常々その資料探しに手足の如く使われるのには閉口した。火影の傍には秘書と名の付く役職
の者がいない。その必要性を何度も指摘してはいるものの、慢性的な人手不足でなかなか実現しないのが
現状だ。まぁ俺もガキの頃から世話になりっぱなしで、三代目には未だに頭が上がらない。これくらいのサー
ビス残業は仕方ないかと思いながらも、廊下を赤く染める夕焼けに溜息が出た。これからあの薄暗い部屋で
目当てのブツを探し出すのに一体どれくらいかかるのか。かなり古い巻物だからおそらく三つある内の一番奥
の収蔵庫だろう。あーぁ、帰りは気晴らしに一楽のラーメンでも食って帰るか。こんなだから彼女の一人も出来
ないんだよなぁ。
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