相続税

 相続税は、その納付義務者が相続人であって被相続人でないが、相続財産は被相続人に属していたという特殊な性格を持っている。もし、相続税の納付先を自由に選択できるようにし、例えば自分の生まれ育った町とか、配偶者が生活する市のような地方公共団体に、被相続人の遺志によって納付することにしたら、納税意欲も高まって海外に遺産を隠すようなことも減り、また、地方公共団体間の競争も促されて、相続税の納付先を選ぶという(多少の)老後の楽しみも生まれるのではないだろうか。所得税から環境消費税への税源シフトによって、地方公共団体の直接収入が減少することを緩和する効果もある。

 ちなみに、相続税の1996年当初予算額は2兆5540億円であって国税である。一生に一度だけ納めたいところに税金を納める制度も粋だと思うが、いかがだろうか。


Initially posted January 15, 1998.