環境消費税を税収中立の前提の下で導入しようとする場合には、既存税制との調整が必要となる。特に、経済主体の行動に影響を与えうる水準での環境消費税の導入を考え、しかも、グッズへの課税からバッズへの課税に移行し持続可能な経済社会への道筋を用意しようとするときには、基幹税である法人税、所得税の根本的な見直しを避けることができない。低迷する日本経済に活力を取り戻し、高齢化社会への円滑な移行を準備することも視座にすえながら税制改革の手法を考えてみたい。その基本的方向は以下のとおりである
なお、本章で記す税収見積りは、各税目の増減税影響額の相対的な大きさに着目しながら、税制改革に関して我々がどれだけの自由度を持っているのかを測ろうとしたものであるから、絶対的な正確性は意図していない。数値を億円単位まで記述しているのは検算の便宜のためであって、億円単位までの有効数字を意図していないことも勿論である。