[環境消費税の低所得者への還付]

 所得税の課税最低限以下の低所得者には所得税の確定申告、簡易な記帳義務及び環境消費税の還付申告を条件にその支払った環境消費税を還付する。また、この還付が課税最低限を一定範囲で超える所得者にも漸減的に適用されるような、いわば「消失還付」の仕組みも設ける必要がある。

 一般に消費に対する税は低所得者の負担が相対的に大きく逆進性の弊害をもつと言われ、環境消費税もその例外ではない。しかし、逆進性問題のためにリサイクル社会の構築が阻害されてはならない。

 現行の消費税法では課税事業者についてのみその仕入消費税の還付が認められているが、環境消費税の逆進性を緩和するために、一定の条件を満たす低所得者に環境消費税の還付を認めることが合目的的である。

 生活必需品に対する低税率ないしゼロ税率、奢侈品に対する高税率という複数税率を設定するという考え方は様々な問題を孕んでいる。

 生活必需品非課税ないし軽課の問題は付加価値税制のアキレス腱であり、各国とも悩みに悩んでいると言われる。上述の低所得者層への環境消費税の還付という方法を採用し、パンドラの箱を開けて悩みを共有する途は避けなければならない。


Initially posted January 20, 1998.