[雇用創出効果]

 以下はワールドウォッチ地球白書1995ー96(ダイヤモンド社)第5章からの引用である。

 「再生マテリアル産業は、単にリサイクルを行うだけではない。新しいマテリアル経済への移行が進むにつれて、無数の人々が、これまではただ捨てられていたマテリアルや製品の収集、再収集、分別、修理、洗浄、処理、再処理のために必要とされよう。その背後には、新しい設計標準の作成、新しい製造技術の開発、そして新しい市場の開拓にたずさわる人々も必要である。また、雇用増大で労働コストは高まるかもしれないが、資本コストは下がるはずであり、財務収益から見て、再生マテリアル産業は従来の尺度で測ってもよい投資対象になりそうである。要するに、マテリアルをもっと効率的に使えという全世界的要請によって、過去100年にコミュニケーション革命が創出したのと同じくらいの数の専門職、会社、産業が生まれると考えられる。」

 「一次産品産業は、経済的産出一単位当たりの雇用で見ると、長いあいだ最下位に近かったが、この数十年間、とくに先進工業国においては、雇用の絶対数も同様に低下してきた。例えば、1980年から92年にかけて、米国では金属鉱業の雇用は45%減少し、一次金属製造業の雇用は38%減少した。大きな鉱業をもつほとんどすべての国が、同じような雇用低下を経験した。」
 「先進工業国にとって、この雇用減少の一部は、発展途上国への採取産業の移転によって引き起こされたものであった。しかし、移転先でも一次産品産業の雇用創出はわずかであった。」(同書152頁ー154頁)

環境消費税は再生マテリアル産業のエンジンとなって、初用材産業における雇用の減少を補って余りある雇用を創出すると期待できる。


Initially updated:January 18, 1998.