[規制と経済的手段]

 環境政策の手段は規制による方法(Command and control)と経済的手段(Economic Instruments)の二つに大別される。

 前者は、例えば二酸化硫黄の排出基準のような一定の基準を設けこれを超えて排出をする者は権力作用をもって取り締まるというように、命令と規制によって直接的に環境管理を行なおうとする方法である。

 後者は、環境汚染の社会的コストを製品やサービスを産み出すための原価や販売価格に反映させることにより、各経済主体の経済的意思決定=経済行動を通じて間接的に環境管理を進めようとする方法である。

 近年、直接規制の限界や非効率が認識されると共に、経済的手段の優れた点が経済学者ばかりでなく政治家、財政当局をはじめ多くの人々に受け入れられるようになってきた。


Initially updated:January 18, 1998.