バナナ問題集
2001.8初出、2001年9小改訂

質問 バナナが実る植物は<木>でしょうか?草でしょうか?
ア:木である
イ:草である
* 木とは木質の幹を持つ植物のこと。
* 草とは木質があまり発達せず、地上の部分がやわらかいもの
このように簡単に考えてください。

結果

草です。バナナのからだはやわらかいです。まるで長ネギのように葉が硬くまいたようになっています。ですから、暑い地方でも台風のよく来る地方では栽培が難しいようです。
質問 普段私たちが食べているバナナの背丈はどれくらいになると思いますか。また、どのようにして仲間を殖やすのでしょうか?
予想
ア:50cmくらい
イ:1mくらい
ウ:2mくらい
オ:4mくらい

予想
ア:タネでふやす
イ:バナナの木の地下の茎から新しい芽が出て、それを植える。
ウ:バナナの葉を切って、地面に植えて育てる。

バナナの草?は栽培種では4〜7mと巨大です。一体どのくらいの期間でこれほどの成長ができるのでしょうか?図の吸芽というのが、バナナの木?の地下の茎から出てきます。これを土の中に植えておくと著しい高温下では8カ月で収穫ができるようになります。また、バナナ栽培の北限では17ヶ月以上かかります。現在の栽培バナナはほとんどタネができません。

質問 1本の茎からバナナはどのくらい実るのでしょうか?
予想
ア:一房で、30本程度
イ:2〜3房で100本程度
ウ:もっと多い

バナナは一本の木?に200本くらいの実ができます。実といっても、受精されているわけではなくて<種無し>の実です。あまりの重さに収穫までつっかえ棒をして支えます。バナナの子供は2列に並んでしだいに上に曲がります。また、1本のバナナの木からはひとつの花の咲く茎ができます。

質問 バナナを取り終わったバナナの茎?木?草?はその後どうするでしょうか?
ア:切り倒して、新しく芽を植える
イ:3〜4年はそのままで毎年収穫できる。

バナナは殖やすときには、吸芽という苗を植えますが、もともとバナナは多年性の植物なので、切り倒さなくても毎年、年中、開花と結実を繰り返します。しかし収穫量がだんだん減ることから、5〜6年で新しいバナナに更新します。
質問 バナナは好きですか。日本人一人あたり平均して1年間にどれくらいのバナナを食べると思いますか?
予想ア:10本くらい、イ:50本くらい、ウ:100本くらい、エ:もっと多い

日本人は年間に7Kgほど、本数で計算するとおよそ、50本くらい食べています。だいたい1週間に一本という割合になります。
質問 さてバナナは日本では栽培されている果物なのでしょうか?日本の都道府県の中でバナナを生産している都道府県はあるのでしょうか?
予想
ア:ある
イ:ない

日本では沖縄県や鹿児島県奄美諸島および東京都小笠原諸島で生産されています。ほとんどが自家消費用(自分たちが食べるもの)ですが、ごくわずかな量は本土向けにも出荷されています。
バナナは熱帯性の植物です。北緯、南緯30度以内で、冬季の月の平均気温も15℃以上となっており、<高温>でしかも<湿潤>な気候のもとで育ちます。

質問 バナナはデザートとして日本人は普通、生で食べます。しかし熱帯地方の国の人たちは料理として食べる習慣もあります。それでは世界的にみて<生食用バナナ>と<料理用バナナ>ではどちらが多く栽培されているでしょうか?
予想
ア:<生食用バナナ>が<料理用バナナ>よりもずっと多い。
イ:<料理用バナナ>が<生食用バナナ>よりもずっと多い。
ウ:<生食用バナナ>と<料理用バナナ>は同じくらいの生産量である
何か知っていることがあれば出し合いましょう。
<生食用バナナ>をたくさん生産している国はどこだと思いますか?
予想(        )
また、<料理用バナナ>とはどんなバナナで、またどのような料理法があり、食べている国はどんな地域なのかを予想してみましょう。
予想(          )

世界の生産量のグラフをみてみましょう。
おおおまかに言って、<生食用バナナ>が<料理用バナナ>のおよそ2倍くらいの生産量があります。
<料理用バナナ>は「プランティン」とよばれています。この「プランティン」はアフリカ諸国や南米諸国において多く生産されて大切なでんぷん源になっています。バナナというより<イモ>の感覚です。

単位は万t、全世界の合計では、およそ6000万tです。
国別では、インド1000万t、ブラジル580万t、エクアドル580万t、インドネシア480万t、フィリピン350万t、中国314万t、などです。

単位は万t、全世界の合計では、およそ半分の3000万tです。
国別ではこちらの方はウガンダ930万t、コロンビア260万t、ザイール230万t、ルワンダ230万t、ガーナ180万t・・・とアフリカ諸国が続きます。

質問 バナナはもともと、どこで生まれたものでしょうか?

予想
ア:南アメリカ
イ:アフリカ
ウ:東南アジア
エ:オセアニア、大洋州(ハワイ諸島など)

バナナの原種と推定されるものが今でも残っています。マレー半島とフィリピンには、アズキ大の種子が含まれているバナナが2種あります。この2つの雑種が現在世界中で栽培されているバナナの祖先ではないかとの推定があります。

約1万年ほど前の東南アジアのジャングルから、大きな果実があって種子の少ないバナナの苗を持ち帰り、家の近くに植えたというのが始まりという説や、また、自生しているバナナを育てて<栽培>するようになったのはインドではないかという説もあります。バナナの栽培が人類にとって簡単な農業の記念すべきスタート・ルーツであるとの考え方もあります。

質問 <生食用バナナ>の全世界の生産量約6000万tのうち、輸出されているのは、その約1/4の量の1400万tです。主な輸出国、また輸入国はどこでしょうか?
予想 輸出量ベスト3に入る国

予想 輸出量ベスト3に入る国

・主な輸入国と輸出国
輸入国 アメリカ400万t、ドイツ120万t、ベルギールクセンブルグ112万t、日本80万t、イギリス70万t、フランス61万t、イタリア55万t・・・と続きます。
輸出国
エクアドル400万t、コスタリカ220万t、コロンビア150万t、フィリピン130万t、グアテマラ70万t・・・と続きます。
輸出国では中南米が多いことが分ります。バナナは熱帯性の植物なので、バナナの移動も南から北に向かっています。

質問 日本人はバナナをいつ頃から食べ始めた(商品として取引されていた)と思いますか?
予想
ア:江戸時代前半から(1600年頃)
イ:明治維新文明開化の頃(1870年頃)
ウ:日露戦争の頃(1900年頃)
エ:太平洋戦争の頃(1930年頃)
オ:戦後の高度経済成長の頃(1960年頃)
カ:その他

バナナは高級品という感覚は現在ではあまりないのではないでしょうか。しかし、バナナが大変な高級品だったこともあります。
さて、日本におけるバナナの歴史を簡単に書いてみましょう。
日本人が最初に食べたバナナは台湾産のものです。その台湾でも栽培が始まったのは比較的新しく18世紀に中国大陸の福建省から導入されました。
1903年(その当時台湾は日本の領土だった。)台湾の物産を日本に送り出していた商人:都島金次郎が日本郵船の西京丸で魚かごにつめて7カゴ神戸に送ったことから日本人とバナナの付き合いが始まっています。
日本向けのバナナの生産は、植民地台湾に日本人自らがバナナ栽培の研究をして、日本で国産果実の出回りの少ない4-6月を目指して送り込んだことから始まりました。
こうして大正の末期1924年には移入業者の数は400にものぼるようになりました。日本人がたべるバナナはこうして、第二次大戦後もずっと台湾からの輸入ものでした。
1963年にバナナの輸入自由化が始まると、台湾産のバナナは供給の不安定なことなどから南米のエクアドル産のものにとってかわられるようになりました。
また、1960年代末期からはアメリカ商社は日本向けのバナナプランテーションをフィリピンで開始してからは日本における輸入のうちフィリピン産のものが圧倒的に増えました。
一大転機はやはり、1963年の輸入自由化でしょう。これを境にしてバナナの輸入量は飛躍的に増えて<高級果物>というイメージをどんどん失っていきました。
1998年のデーターでは日本の輸入バナナ80万tのうち、70%はフィリピン、エクアドルは17%、台湾が6%、残り5%はその他の国です。やはり今では台湾バナナは希少価値かもしれません。また、沖縄産のものとなるとほとんど市場には出回っていません。



作業 せっかくだからバナナをあらためて食べましょう。バナナは1年中とれますから、いつでも主食の代用ができます。また、カロリーがご飯の60%、主成分の炭水化物はほとんど果実性糖分なので体内で効率よくエネルギーにかわるのでスポーツ選手のも良く食べています。そして、栄養的にもコレステロールが0など、栄養のバランスもよくたいへん優れた健康食品です。

■ バナナあれこれ
Qバナナに黒い点が出てきました。もうだめでしょうか?
A日本向けのバナナがフィリピンを出るとき、まだ緑色です。次第に色がついてきて黄色くなっていきます。そして、黒い点が出はじめた時が一番の食べごろです。最も甘くなった時です。また、ガンなどの病気をおさえる力も強くなってきています。またバナナはもともと熱帯の植物なので、買ってきたバナナも冷蔵庫には入れない方がよい。入れるとまずくなるそうです。
Qバナナは食べるだけなの?
A葉はお皿かわりに、つぼみはタケノコのようにサラダ、煮物、揚げ物で食べられます。また茎本体は繊維質が多く、紙を作る原料にもなれます。
Q 台湾バナナはいつスーパーに並ぶの?
A台風の時期をさけて、春先に並ぶことが多いそうです。

付録 バナナの叩き売りを知っていますか?
始まったのは、九州の福岡県北九州市門司区にある門司港です。バナナは日持ちがしないために「これだけまけてもまだ買わねえか」との口上で大正の末期から始まりました。きっとその頃は高級品だったはずです。門司区ではバナナの叩き売り口上の選手権のようなものまであります。門司区のホームページをみてみましょう。バナちゃん道場という「バナナの叩き売り」の後継者育成兼観光振興組織もあります。

●後書き
この「バナナ」について勉強してみるきっかけは、7月の札幌たのしい授業サークルで丸山さんから『3年の科学』学研という雑誌をもらったことがきっかけでした。
4ページにわたって、バナナのことが書かれていましたが、とても新鮮な内容で、「あんまり好きではなかったバナナ」がおもしろい存在になってきたように思いました。
今回はほんの<バナナ>問題集としてのまとめです。頭の回転の遅い僕のノーミソで「お〜すごい!」と驚いたことや「へえ〜そうだったのか」と理解できた限りのことを書きました。
「ひょっとしたらバナナから、世界が見えてこないかなあ・・」
と欲張ろうとしましたが、バナナをかじりながら、「<ほ〜>と納得してもらえればいいや!」と気軽に作ることにしました。
それでは・・・
「間違いじゃないの?とかもうちょっと詳しく調べてよ!」というところがあれば遠慮なく、教えていただけると嬉しいです。
インターネットでも検索して調べました。
引用したり、参考にした書籍やホームページ
『バナナ』社団法人 国際農林業協力協会
『バナナと日本人』鶴見良行著 岩波新書
『栽培植物と農耕の起源』中尾佐助 岩波新書
『キンダーブック バナナ』
『3年の科学』学研
・ 日本バナナ輸入組合のホームページ「バナナ大学」http:/www.banana.co.jp/
・ http:/www1.plala.or.jp/maui/starch/banana.htm
・ 他

●使用させてもらった図版は書籍からのコピーです。
・『バナナ』社団法人 国際農林業協力協会
バナナの全体図版、仮茎の図版、:焼きバナナの写真
・『バナナと日本人』鶴見良行著 岩波新書
  グラフ(日本のバナナ輸入量変遷)
・『キンダーブック バナナ』
バナナの子どもの図版2枚
・『3年の科学』学研
タネありバナナの写真
・http:/www1.plala.or.jp/maui/starch/banana.htmのホームページから
   プランティンの写真

・世界のバナナ生産量などのグラフは森永作成
データーは、『バナナ』社団法人 国際農林業協力協会や「バナナ輸入組合」の方から教えていただきました。