155V6 SPEC



全長 4,445mm
全幅 1,730mm
全高 1,425mm

ホイールベース 2,540mm
トレッド(F/R) 1,500mm/1,430mm
最低地上高 165mm
車輌重量 1,370kg
車輌総重量 1,645kg
トランク容量 525l




総排気量
ボアストローク
最高出力(DIN)
最大トルク(DIN)
燃料タンク容量
2492cc
88.0mm×68.3mm
160ps/5800rpm
22.0kgfm/4500rpm
63l
変速比
1速
2速
3速
4速
5速
後退
3.500
2.235
1.522
1.126
0.914
3.545
最終減速比 3.176 

155V6が日本に導入された年即ち155がマイナーチェンジを受けた年1995年に日本で売られていた輸入車のスペックです。2Lクラスのセダンを中心に集めてみました。

全長×全幅×全高 WB 重量
アルファロメオ アルファ155V6 4,445×1,730×1,425 2,540mm 1,370kg
フォード  モンデオLX 4,485×1,750×1,410 2,705mm 1,320kg
オペル ベクトラGLS 4,430×1,695×1,400 2,600mm 1,230kg
ローバー 620SLi 4,645×1,715×1,380 2,720mm 1,360kg
VW ヴェントGLi 4,370×1,695×1,420 2,475mm 1,190kg
サーブ 900S2.0i 4,635×1,710×1,435 2,600mm 1,350kg
シトロエン エクザンティアV−SX 4,445×1,755×1,385 2,740mm 1,380kg
ルノー ラグナRXE 4,500×1,745×1,435 2,670mm 1,360kg
メルセデス C200 4,495×1,720×1,420 2,690mm 1,390kg
プジョー 405MI16 4,410×1,720×1,390 2,670mm 1,280kg
BMW 320i 4,435×1,695×1,395 2,700mm 1,270kg
アウディ 80 2.0E 4,485×1,695×1,400 2,610mm
オペル カリブラ16V 4,495×1,690×1350 2,600mm 1,320kg
プジョー 306S16 3,955×1,690×1,380 2,580mm 1,240kg
シトロエン ZXクラブ 4,070×1,695×1,405 2,540mm 1,110kg
フィアット クーペフィアット 4,250×1,765×1,340 2,540mm 1,320kg
ランチア デルタ コレツィオーネ 3,900×1,770×1,330 2,,480mm 1,340kg

実際は、表のアウディ80までが2L級セダンとして横並びに比較されるべきクルマ達ですが、その中で155はホイールベースが短い、つまり一クラス下からの派生種であることがわかります。ご存じティーポ2/3シャシの影響ですね。似たようなことは、ゴルフIIIベースのヴェントにも見られます。

年々同クラス車のボディが大型化していく中、ここに示した95年セダンたちの中では、もとが92年デビューの155は新しい部類に入らないのでやや不利ですが、それでもモデル末期のアウディ80、PEUGEOT405やデビューが155より前のBMW3でももっと長いホイールベースをもっていますので、155のボディは小さい部類といって良いと思います。

シトロエンZXやPEUGEOT306並ということからも、一クラス下のハッチバック用ホイールベースということが見えてきます。まさにフィアット・ティーポにドンピシャのホイールベースですね。

全長に目を転じると、長い部類には入らないもののそれほど他車と比べ短くなっていません。シトロエン・エクザンティアとの比較だと、あちらはホイールベースが155より200mmも長いにも関わらず、全長は同じです。シトロエンの、「ロングホイールベースに短い全長」はBXでも実現していた特長のひとつでもあるので、あれはあれで特別ですが、それにしても155は全長を切り詰めていないことがわかします。ひとつはV6を収めるためのフロントオーバーハングが効いているのでしょう。あと分厚いトランクを寸詰まりに見せないためにもリアオーバーハングも切り詰めていないのでしょう。

こうして見ていくと、155V6というクルマの特殊性が見えてきます。クルマの格は、ホイールベースからみる限りわかりやすくいえば、PEUGEOT306です。3HB並というのが乱暴だとしても、同年代の2L級セダンより小型なクルマであることは確かです。

2Lを積んだTSにしても、比較的小さなボディに大きめのエンジンということができるぐらいだと思います。これに2.5LV6を積んでいるのですから、小さなボディに大きなエンジン、その逆がフランス的だとしたら、いかにもイタリア的発想のクルマなのかもしれません。小さなボディに高出力を与えるときに、難しい飛び道具を使わず、単純に排気量を上げるという発想。ここを2.5LSOHCV6に留めたところがなんともいえない匙加減ですね。

しかもこの高出力V6バージョンが無目的。ホモロゲを取るためでもレースに出るためでもなく、ただ積んでみたかったから積んだ、といった感じです。しかも売り上げは散々であったことから確固とした売り上げを見込んで積んだわけでもないでしょう。その割には最初から積む気で設計してますけど。

なんで、この大きさのボディに2.5LSOHCV6というなんともいえないポジションイングのエンジンを積んできたのか?乗っている人でそれぞれ使い方、楽しみ方を考えてください、ということでしょうか。