155の生産台数(2) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
155が残念ながら「アルファの主力中型セダンとしては売れなかった」ということは(1)で触れた通りですが、ではその155の中では、どのグレード(というかエンジンですが)が売れてどのグレードが売れなかったのかを見ていきたいと思います。 搭載エンジン毎の生産台数と、総生産台数に対するそれぞれのエンジン搭載車の割合をまとめてみました。
TS系がやはり中心的存在で、その中でも1.8TSが全体の3割以上を占めています。それに2.0TSが続いていますが、実際には1.8、2.0とも8V・16Vを分けた資料がない為それらを合算していますので、公平に見るには1.7TS8Vと、1.6TS16Vとを合算すべきですね。そうすると全体の22.4%になり2.0TSの19.9%を越えます。 TS、それもどちらかというと小排気量のTSが155の屋台骨を支えていたようです。但し、ここに示した数字からは読み取れませんが、実は92−93では1.8が2.0を凌いでいましたが、94−97では逆転し2.0が1.8を上回っていました。また、1.8は92−93に対し94−97にかけて一万台ほど激減しているのに対し、2.0は逆に92−93より94−97の方が生産台数が増えています。 このことから、スーパーファイアを搭載したあたりから2.0が台数を伸ばしたと思われます。アルファ製フィアット製には拘らず、スペック性能が高い方が歓迎されたということでしょうか?やはりアルファには絶対性能が必要だったのかもしれませんね。 2.0がスーパーファイアが載った後半盛り返したことを考えると、1.8にも95年から早々にスーパーファイアが載っていれば或いはモデル後半の激減は避けられ、155全体の生産台数をもう少し増やすことができていたのかもしれませんね。 各排気量新旧TS合計で、155総生産台数の8割を占めています。 次に大きな勢力は、ディーゼルターボで全体の15%弱を占め、アルファといえども欧州においては高出力高性能車よりディーゼル車が重要であることを物語っています。2つのエンジンが用意されていたことも納得です。1.9TDの方が2.5TDに比べやや上をいっていますがそれほど大きな差はありません。1.9TDが実用普及バージョンで2.5TDの方が性能に余裕をもったやや贅沢バージョンだったんだなということで納得できる差異ですね。 残りのほんの5%強を高性能高出力車である2.5V6とQ4の2.0turboが占めています(1.8のフィアットDOHC8Vはモデル初期にラインナップされていた繋ぎのため(?)のモデルと考えていいと思ってます。1.7・1.6TS系の前座みたいなもの?) 155のフラッグシップまたはイメージリーダー的に用意されたものでしょう。アルファ(フィアット)にしてみてもTSとディーゼルでモデルが成り立つことはわかっている中、敢えて高性能バージョンを用意したのではないでしょうか?「デルタ・インテグラーレ云々」や「アルファ伝統」というプレミア付きのエンジンを投入してみたところに、”脚”を諦めさせた155に対する最大限の優遇措置が見られるような気がします。しかしここまで売れなかったことは予想していたでしょうか…。 1.8TSの後半のスローダウンと、高性能バージョン車の低迷がなければ、155全体でももう少し生産台数は伸びたのでしょうね。 |