フレーム修正
2003年末に保険会社のいうところの全損車となった155ですが、オーナーの希望を叶えるべくディーラーが行った無謀な提案にオーナーが乗って、あわや鉄屑から、再び走る機械に復活したときの記録です。

画像は修理完了時にディーラーから提供を受けた写真からです。

GOAボディの体当たりを受て、大きく損傷した右前方部です。

修正にはフランスのセレット社製のフレーム修正機が使われたようです。セレットはメルセデス、BMW、ポルシェなどの指定を受けた修正機のようです。傍ら(というかこの画像ではコッチが目立つ?)に写っている隣りの修正機はイタリアのカーベンチ社製で、こちらはフェラーリ、ロールスロイスなどから指定を受けているようです。(馬のマークが入ってますね。)

フレーム修正の現場を見たわけではありませんが、位置決めのためのジグがセットされたベンチに乗せられたクルマを固定しながら引っ張って各部を本来の位置に合わせていくといった感じでしょうか?セレットを扱っている会社の説明によると、ジグはミリ単位で固定されるそうです。

右フェンダー部の内側から

そしてこちらは外側。もうグシャグシャですね。

これを慎重に引っ張って本来の形に修正していきます。(見たわけではないですけど^^;)

あーら不思議、全損車がクルマのカタチに。未塗装の新品外装品(フェンダー、エンジントフード、バンパー等)が仮組みされ、組み付けのチェックが行われています。

未塗装新品パーツ、再塗装必要パーツの各部は塗装ブースで塗装されます。後ろに写っているのが塗装ブースでイタリアのサイコ社製の塗装ブースのようです。

フェンダーは組み付けてからの塗装のだったようです。ナンバー読める^^;まぁいいか。これは塗装ブース内の様子です。

ドアの再塗装も塗装ブースで行ってもらえたようです。床の感じからもサイコ社製のようです。その手のサイトを見ると、塗装ブースを使って高温で塗装することを前提とした塗料と常温の屋外での塗装を前提とした塗料は質が異なり、後者の場合その特性上早期に艶が飛んでしまうことがあるようです。では前者は本当に艶が飛びにくいのか?今後が正念場ですね。

全損車が見事に復活!直せば直るもんですね。修正機や塗装ブースなど、完璧に近い状態に「直す」ことに拘りをもった道具が存在したりそれを使いこなすことがステータスになっているように感じられるにも関わらず、それらに出会うことなく保険会社の査定であっさり廃車解体になってしまう車ががなんと多いことか…。ただ費用を考えると致し方ないのかも。一流といわれる修正機等が一流の工作機械を作る日本製ではなくヨーロッパ製であることもこのあたりに関係しているのでしょうか。

その後、一年以上走りに関しても特に問題は感じていません。フロント部分のサブフレームは交換可能なので交換してしまっているし、ティーポ2/3車は外装パネルが応力を持たない着せ替えグルマであることなどからも比較的大修理に耐えるクルマだったのかと想像しています。