ALFA ROMEO 155購入記(その3)
いよいよ具体的に155V6を購入する意思が固まりました。当時は、S(スポルティーバ)のV6と、SuperのTSが正規輸入車でした(もらったカタログにはまだSのQ4も載っていましたが、在庫は確かなかった憶えがあります)。S仕様のスタイルと、アルファ生粋のエンジンということで、はじめからV6に的を絞っていました。
カタログを頂いた、営業氏を訪ねて1996年の年末、C車のTMY店(?)に行き見積もりを頂きました。V6のLMTエディションもまだあったようですが、レカロのシートとツェンダーのエアロパーツも魅力でした(白いラインとヘビのステッカーは個人的にはやりすぎかなと。まあ悪くはないのですが)が、値段も高いし、ノーマルのV6で十分と思っていましたのでノーマルで見積もりをもらいました。そこでは、「今、試乗車がご用意できないので、また来週にでもいらしてください」とのことでした。
既にこの時点では、155V6は本国の生産を終えている(一説によると1996年5月で終了?真偽のほどは謎でしたが。)という噂もありました。

その翌週(ぐらい)試乗させて頂くお願いにいきました。当時、自分には足がなかったので、会社の同僚にクルマを出してもらい2人で行きましたが、担当営業氏は商談中で忙しい様子。合間を見て応対して下さった営業氏は「155のV6ですよね。この辺、道おわかりになります?左のMT問題ないですよね?」「はあ」と私。すると、なんと「では、このキーお預けしますのでお友達とお二人で適当にお乗りになってきて下さい。30分ぐらいで戻って頂ければ結構です。」とキーを渡してくれました。いいのか?でも向こうがいってくれてるのだからいいんだろう。まぁ考えてみれば向こうもいちいち説明しなくてもいいし、こっちも気を遣わずに試乗できるし…

というわけで、同僚と2人で自由気ままな試乗に出掛けました。乗り出しの感想は…「2.5LのV6はグワッと気持ちよく加速するし、音もいいなぁ…」そして途中で止めて、エンジンルームを開けて見ました。「これが、アルファのV6エンジンか!雑誌でよく見たメッキされたインテーク、これ見よがしのAlfa Romeoのロゴ、複雑な同弁系を物語るSOHCながらDOHCのようなカムカヴァ、シリンダブロックまでアルミのアルファ伝統総アルミエンジン…やっぱりいいなぁ。」車体も飽きるほど眺めて「いろいろいわれるけど、絶対カッコイイと思う…」ということで、試乗を終えた時点で「絶対買おうと心に決めました。」

「ありがとうございました」とキーをお返しすると、「他にもどうです?GTVもありますよ。また30分ぐらいしたら戻ってきていただければ」。味を占めた私は「いいんですかぁ。では」と当時2LターボであったGTVも試乗させて頂きました。ドライバーズシートに座ると、これは想像以上にスポーツカーでした。心地よい閉塞感と、ややビジネスライクな155と比べると、アルファらしくスポーツカーらしいメーターバイザー。2Lターボは速かったですが、感触は155のNA2.5Lの方がよく感じました。155V6にのめりこんでいたから正しい判断ができなかったからかもしれませんが…。

年末年始を経て、1997年初頭いよいよ契約に決心がつき営業氏に連絡すると「生憎次の週末はちょうど、輸入車ショウに出てしまってます。東京になってしまいますが、もしよろしければ現地までおこしいただけます?チケットは送りします。」との返事。足がないこっちにしてみると、C社TMY店でもBIGサイトも行く手間は大して変わらないし、輸入車ショウの見物もできるし、と思いOKしました。

輸入車ショウに行くと、MBのブースには華々しくデビューしたSLKの先行予約を行っていました。一瞬、「今SLK予約すれば、かなり早めのデリバリになる。その時点で、即売れば…ヘヘヘ」などよからぬ妄想が頭をもたげましたが、当然実行には移しませんでした。(後日、これを実行に移していれば○○万ほど利潤が出る情況になっていました。いやいやクルマを投機に用いてはいけません!!)

目的のアルファのブースにいくとそこには正規輸入が始まるTSのS(スポルティーバ)が展示してありました。「おぉ!」と思いましたが、心はV6に決まっていたので、もはや検討の対象になりませんでした。
いよいよ契約。それにしてもこのような自動車ショウの場で商談をしたのは始めてです。よく「商談コーナー」が設けられているのを見て、「中古車ショウならいざ知らず、こんなショウでクルマ見ていきなり商談する人なんていないよなぁ。いったいどんな人がこのコーナー使うんだろう。」と思っていましたが、「こんな人」が使うことがよくわかりました。

契約も無事終了し、納車は1月末となりました。

(つまらぬ購入記におついあい下しましてありがとうございました。)