Salpiglossis World

Salpiglossis sinuata Ruiz et Pavon.という花をご存知でしょうか?
ここではこの花について少し解説します!


 図1> Salpiglossis sinuata Ruiz et Pavon.(左から3枚)・<図2>Petunia(右)

 サルピグロッシス(Salpiglossis sinuata Ruiz et Pavon.)<図1>は、チリを中心に分布する南米原産のナス科(Solanaceae)の植物です。花の形や茎葉に粘りがある点は、同じナス科のペチュニア(Petunia)<図2>に近く、やや切れ込みのある葉と直立した茎を持つのが特徴です。(2=44)

 高温などの環境条件が悪化すると、閉鎖花をつけるのも特徴です。閉鎖花とは、花冠の一部が開かずに自家受精をして一生を終えるという花です。大きさも通常(5〜7cm)に比べると小さく、約1cmほどです。論文では「遺伝も関係する」と書いた海外の研究者もいますが、私自身が採種した閉鎖花の種子を播いたところ、閉鎖花ではなく通常の花に戻りましたので遺伝はどうも考えられにくいのです。その他いろいろな条件でも閉鎖花が発生しているので、これを解明するにはまだまだ時間がかかりそうです。

 この花の最大の特徴は何といっても独特な花色です。黄・橙・赤・紫・茶など、バラエティーに富んでいるのです。そしてその花弁はビロード状に怪しくテカっているのです。
 花弁にはもう1つ特徴があります。それは黄金色の斑紋(スポット)が走っている点です。このスポットはヨーロッパ人が好むようで、日本人はあまりお好きではないご様子。これは困った・・・。

 このような強烈な個性をもったコマッタチャンは今まで敬遠されがちであったのですが、近年のガーデニングブームの中、草花の多様性が求められるようになってきました。
 そんなブームにはもってこいの花ではないでしょうか?大いなる可能性を秘めた花だと自分自身思っています。


1・栽培方法&実験開始前に。。。 簡単な栽培方法と実験を開始するまでの作業について。
2・交配 交配したらどうなるの!?
3・育種の試み 網目なしの花を目指して交配を行いました。
4・閉鎖花について 閉鎖花ってナニ?
5・閉鎖花発生要因について 研修論文の一部を抜粋してみました。
6・写真館 サルピの写真を集めてみました。