【ヨウスケのアカデミック園芸ワールド】9月


2000.9.26(火)・・・シルバーリーフ
 さてシルバーリーフの美しい花木をご紹介いたします。最近は鉢ものでもで回るようになってきた植物、学名をLeucophyllum frutescens(ゴマノハグサ科)といいます。お店での販売・流通名を【ニーオン】といいます。何の意味があるのでしょうか???

 テキサス・メキシコ原生の植物で、無霜地帯では無条件で越冬するそうです。高さ2mほどになる小低木です。シルバーリーフと花色のコントラストが非常に人目を引きます。
 花の形はAsarinaによく似ていますね。というわけで私が勝手に和名をつけました。流通名の適当さに肖って・・・【アサリナボク(アサリナ木)】。どうでしょう?
Citation: Leucophyllum Bonpl. in Humboldt & Bonpland, Pl. Aequinoct. 2: 95
Date: Apr 1812
Type: L. ambiguum Bonpl.
Group: DICOTYLEDONES: SCROPHULARIACEAE


2000.9.21(木)・・・アキシラリスが咲きました!
 さぁ、皆さん!投稿写真です。この花に見覚えがありますね!?その通り!Petunia axillarisです。5月より【茄子のご陽庭】で頒布したPetunia axillarisですがたくさんの応募がありました。

 これは茨城県にお住まいのH.O様からの投稿です。(茨城県大子町・八溝山のある町だそうです。HPはこちら)一番花です。(9月7日、開花)どうでしょう?なかなかの出来ですね。第1花はだいたいこれぐらいの大きさです。左側の苗の状態もいいですね。
 今回頒布した種子は自家不和合性ですので、いくつかの株のグルグル交配を行わないと種子が形成されません。O様、頑張ってください。Keep up the good work!

 なお、頒布しました種子で開花したものがあればぜひ画像を送って頂きたいと思います。デジカメがなければ写真でも結構です。皆さまからのたくさんの「咲いたよ!」の報告、心よりお待ちしております!

メールは→こちら
Citation: Petunia Juss. in Ann. Mus. Natl. Hist. Nat. 2: 216
Date: 1803
Nomenclatural detail: nom. cons. des.
Type: P. nyctaginiflora Juss.
Group: DICOTYLEDONES: SOLANACEAE


2000.9.18(月)・・・犬吠埼フロラ調査・最終回
 犬吠埼フロラ調査の最終回です。今まで紹介してきた植物たちが自生していた場所です。写真はいずれも屏風ヶ浦です。左の画像は屏風ヶ浦へと続く遊歩道みたいなものです。遊歩道といっても湧き水が出ていて地面が湿っておりツルツルと滑ります。この上から降りてここへたどり着きます。右の画像が屏風ヶ浦です。ご覧のように断崖絶壁です。波しぶきがすごくて下まで降りて行くことはできませんでした。

 どうですか?このようなところにも植物は自生しているのです。当たり前のことですがやはり驚きます。


2000.9.17(日)・・・犬吠埼フロラ調査・第5回目
 犬吠埼フロラ調査の第5回目です。これはお馴染みですね。これは・・・ノアザミと思われます。学名をCirsium japonicum DC.(キク科)といいます。これも犬吠埼灯台下の海岸近くに自生していたものです。砂利が多く、ジメジメしたところでした。

 なぜ「〜と思われます。」と弱く書いたかと申しますと・・・「おそらく」そう思われるからです。海岸性の植物は内陸と同じものでもビックリするぐらい姿や形が違うものがあるからです。一種の種内変異(エコタイプ)というヤツです。
 
 ハマアザミ(ハマゴボウ)はもっと鋭利でトゲトゲしく、光沢のある葉なので違うと思われます。それから茎の上部の方まで葉がついています。一方、ノアザミはもっとヒョロっとした感じをよく見かけますが、草姿や葉の感じからこれもノアザミ(Cirsium japonicum)と思われました。これも【海岸型】ですね。
Citation: Cirsium Mill., Gard. Dict. Abr., ed. 4: [334]
Date: 28 Jan 1754
Type: C. heterophyllum (L.) Hill (Carduus heterophyllus L.)
Group: DICOTYLEDONES: COMPOSITAE


2000.9.16(土)・・・犬吠埼フロラ調査・第4回目
 犬吠埼フロラ調査の第4回目です。なんとなくみたことある花と思いませんか?学名をEupatorium lindleyanum DC.(キク科)和名をサワヒヨドリといいます。そうです、フジバカマと同じ属ですね。葉柄がなく対生葉に細かい毛と腺点があるのが特徴です。

 これは犬吠埼灯台の下の海岸近くに自生していました。ここにもモチロンClematis ternifloraBoehmerria bilobaも自生していました。やや湿地を好むようで、崖から水がしみ出ているようなところを中心に分布していました。直立している株はなく、みな地面に倒れるような形でした。葉はガサガサしています。

 犬吠埼の崖地には茎が詰まり葉も小型で厚くなったものが多くありました。このようなものを【海岸型】といいます。ちなみに海岸型の名前は【ハマサワヒヨドリ】です。
Citation: Eupatorium L., Sp. Pl.: 836
Date: 1 Mai 1753
Type: E. cannabinum L.
Group: DICOTYLEDONES: COMPOSITAE


2000.9.15(金)・・・犬吠埼フロラ調査・第3回目
 犬吠埼フロラ調査の第3回目です。これはお馴染みですね。そうですイソギクです。学名をChrysanthemum pacificum(キク科)といい、海岸の崖などに自生しています。(屏風ヶ浦にて撮影

 千葉県の犬吠埼から静岡県の御前崎にかけての太平洋側の海岸と伊豆諸島に分布する野ギクで、これとは逆に茨城県から北の太平洋側に分布するのはハマギク(Nipponanthemum nipponicum・・・キク科) で両者は共に秋の海辺の風物として好まれ、園芸的に栽培されています。
 
 花は黄色です。もう少し待たないと花は咲きません。蕾が見える株はザッとみたところ確認できませんでした。生育は非常に旺盛で一面を覆っていました。種内変異(エコタイプ)があるのか、葉の形が様々丸葉のものや切れ込みが激しいもの細葉のものなど多種多様でした。残念ながらその写真を撮ってくるのを忘れました。でも、数本だけ挿し穂を失敬してきました。うまく発根するでしょうかねぇ。
Citation: Chrysanthemum L., Sp. Pl.: 887
Date: 1 Mai 1753
Type: C. coronarium L.
Group: DICOTYLEDONES: COMPOSITAE


2000.9.14(木)・・・犬吠埼フロラ調査・第2回目
 犬吠埼フロラ調査の第2回目です。これはあまりお馴染みのものではないかもしれませんね。なんだかボコボコした葉、なんとなく奇妙・・・。

 学名をBoehmerria biloba Wedd.(イラクサ科)といいます。和名はラセイタソウ。科名も和名も難しいですね。同じ仲間(科)としてはPilea(ミズ属、ピレア属)などです。(屏風ヶ浦にて撮影

 ラセイタとは、ポルトガル語のラシャを表したもので、葉の短毛、凸点があって厚ぼったい感じに由来しているそうです。
 
 屏風ヶ浦、犬吠埼ともに急崖地にいくつもの群落を作り自生していました。分布の状態・草姿から剛草という感じがしました。なかなか見ごたえがありましたよ。


2000.9.13(水)・・・犬吠埼フロラ調査・第1回目
 去る9月11日(月)、小雨&大雨の中、千葉県銚子市へ足を伸ばしました。主な見学ポイントは屏風ヶ浦、犬吠埼などで、そこでフロラ調査を行いました。これから数回にわたり、植物を紹介したいと思います。本日はおなじみの植物を。
 
 これは屏風ヶ浦で撮影したものです。花をよくご覧ください。何か思い当たる花はありませんか?・・・そうです。クレマチスです。学名をClematis terniflora(キンポウゲ科)といいます。和名はセンニンソウ日本に自生しているクレマチスの原種です。写真では分かりませんが葉は対生、羽状複葉になっており、半つる性の小低木です。とてもよい香りがします。

 屏風ヶ浦のほかに犬吠埼でも見かけました。遠目でみると群生しているところは白いレースのカーテンのようで非常に美しいものでした。


Citation: Clematis L., Sp. Pl.: 543
Date: 1 Mai 1753
Type: C. vitalba L.
Group: DICOTYLEDONES: RANUNCULACEAE


2000.9.8(金)・・・ヨウスケの園芸ワールド
 陽介ファン必見の1枚をご紹介します!これがヨウスケの趣味の館です。水切れで多少傷んでいる植物もありますが、概ね元気です。このベランダには57属62種36科の植物が存在し、私の心を和ませてくれます。また、【ヨウスケのアカデミック園芸ワールド】に豊かな情報を提供してくれます。ベランダという狭いスペースですが57属もの植物が存在しているのです。この反対側に水生ガーデンが存在します。

 潅水、追肥、防除と管理が大変ですが・・・。もちろん育種もやっています。当然ですよ!このベランダから市場流通する品種が誕生するかもしれませんね。

 陽介を慕ってくださる皆様、私生活がすこし覗けてドキドキしましたか?ふふふ・・・。やっぱり陽介と植物は切り離せないっ!

 この館から植物たちが今日もまた【ヨウスケのアカデミック園芸ワールド】へ紹介されるのです。


2000.9.7(木)・・・夜に香る花
 

 またまた夜に香る花をご紹介します。Jasminum multiflorum(モクセイ科)・・・ホワイトジャスミンです。東南アジア熱帯雨林気候区のインド・東南アジアが原生です。葉は対生し小枝は淡黄色の柔毛に覆われます。集散花序で頂生します。花後の「がく」がヒトデ状になりそれもキレイです。甘い香り・・・・これも銀座マダムかしら!?
Citation: Jasminum L., Sp. Pl.: 7
Date: 1 Mai 1753
Type: J. officinale L.
Group: DICOTYLEDONES: OLEACEAE