【ヨウスケのアカデミック園芸ワールド】2月


2001.2.25(日)・・・変種か!?
 またまたオーストラリア原生の植物です。この時期どうしても重なってしまいます。
 さて、これはHardenbergia violacea(マメ科)です。ただし・・・右と左で葉の大きさ(形状)が異なります。左は・・・丸葉で小さく、右は・・・細葉で大きいですよね。右の方が一般的によく出回っています。左のものは偶然見つけました。
 左の方は、品種名でしょうか【Mini Hana】と表記がしてありました。おそらく生産者が選抜したものと思われます。コンパクトにまとまっていて草姿は抜群です。


2001.2.24(土)・・・こんな色のミカンの花があったらいいなぁ。
 またしてもオーストラリア原生の植物です。
 Boronia crenulata(ミカン科)です。常緑低木で、葉に芳香があります。ハッカというか・・・ニッキというか・・・鼻にツンとくる香りです。

 Boronia属は非常に多くの種があります。ピンクだけではありません。もっと驚くような花もあります。それは次回紹介することにします。だから驚いてね。


2001.2.23(金)・・・東京ドーム世界ラン展2001・内覧会
 一足先に東京ドーム世界ラン展に行ってきました。内覧会です。特別内覧会に招待を受けたので、開会式、表彰式から参加させて頂きました。渡邊恒雄氏、海老原勝二氏、森英恵氏、などをお迎えしての開会式です。森総理大臣は、公務多忙のため出席できず、副官房長官が出席となりました。上段右側の右端の黒服サングラスの女性が森英恵氏です。

 さて・・・今年の日本大賞は・・・Lycaste skinneri ‘Mt.Oku Iou’に決定しました。出品者は・・・石川県の指江正敏氏です。(上段左画像)表彰式の時、指江氏は平服でした。そのわけは・・・「自分が受賞するなんて思ってもいなかった」だからだそうです。22日の朝に石川県を発って、夕刻に会場に到着。そして今日の朝、帰ろうと思っていたそうです。そしたら突然の受賞・・・ということで表彰式の前に・・・ホテルに連泊の予約をしてきたそうです。ホントに思いがけない受賞だったようです。賞金200万円と、副賞としてメルセデツベンツの新型を頂いたようです。

 栽培の苦労話として・・・グァテマラの気候に近づけて栽培しているのだそうですが・・・なかなか思うように毎年咲いてくれず、この受賞花は、3年前に株を手に入れてからの初花だそうです。気難しいものを扱っているので大変だと仰っていました。

 最後は・・・お手伝いさせていただいたスズキラン園のディスプレイです。トロフィー賞を頂きました!!どうですか?


2001.2.22(木)・・・エンドウマメ?
 さて、これはエンドウマメではありません。Polygala × dalmaisiana Hort.(マメ科)です。面白い形の花を咲かせます。流通では(もしくは店頭で)P. grandifloraという名前で出ています。非常にややこしいですね。500種もある大きな属です。

 これは、P. oppositifolia L.(南アフリカ原生)とP.myrtifolia L.(南アフリカ原生)との交雑で誕生した種間雑種で四季咲きの性質を持っています。

 葉は十字対生で小低木、若茎はプラスチックのようにツルツルしています。


2001.2.21(水)・・・特別編【東京ドーム世界ラン展2001・搬入初日】
 来る2月24日から3月4日までの間、東京ドームで「東京ドーム世界ラン展2001」が開催されます。昨年と同様、私はスタッフとして、搬入からお手伝いさせていただくことになりました。といっても・・・搬入の1日だけですが。昨年はフル日程12日間働きました。
 それでは・・・今年の搬入の状況をご覧ください!

 ドーム内にトラックが入り、荷物の搬入が始まりました。トラックは電光掲示板下の入り口から入り、左回りの一方通行です。
 バックネットに横付けでしか駐車できないので・・・ドーム内に入ってもスペースがなければ永遠に外周をまわり続けなければいけません。だから・・・ドーム内の空気は濁っています・・・。
 上段の右画像は・・・入賞したランをディスプレイするシンボルタワーです。まだ何も運ばれていません。さて、今年は誰が、どんなランが日本大賞となるのでしょうか?

 搬入は、21・22日の2日間のみです。23日は、内覧会です。私も招待を受けましたので足を運びたいと思います。そして、一足先に日本大賞を見てきたいと思います。


2001.2.21(水)・・・花弁がない!
 これは・・・オオミスミソウ(Hepaticaです。ユキワリソウという名前の方が知られていますね。キンポウゲ科の植物で、無花弁花です。要するに花弁(花びら)がないのです。じゃぁ・・・この画像の白い花弁に見えるものは一体何じゃいな?と言うことになりますが・・・これは萼片です。萼が花弁化しているのです。もっと正確に言うならば・・・萼片ではなく、総苞葉と呼ばれる葉の一種です。

 ん〜・・・恐ろしいですねぇ。花じゃないんですよ・・・あの白いものは・・・。このようなアピールの方法、私も身につけたいです。魅力的な花です。


2001.2.20(火)・・・ポインセチアと同じ仲間です。
 これはEuphorbia fulgens(トウダイグサ科)といいます。メキシコ原生の小低木です。茎が細く、枝がやや下垂します。葉はマイハギのような感じで、表面がややビロード状です。短日植物です。

 花色には幅があり、濃オレンジ、黄白色、ピンクなど様々です。見てのとおり集散花序ですね。ポインセチアと同じEuphorbia属ですので、花弁状に見える部分は萼です(5裂しています)。
 日本の市場には、近年よく出回りだしています。


2001.2.19(月)・・・ワックスフラワー
 今日もフトモモ科でオーストラリアの植物です。Chamelaucium uncinatum、ワックスフラワー(waxflower)という名前で知られています。切り花でよく使われますよね。オーストラリア南西部原生の常緑低木で21種が分布しているといわれています。

 葉は対生し、細く無毛です。散房花序をなし、その花の質からワックスフラワーと呼ばれています。葉を揉むと・・・なんか懐かしいにおい・・・。駄菓子のラムネ(プラスチックのラムネ瓶の縮小版に入っている、白い小さなラムネ・・・30円?)の香りです。まさにその香り!

 てなわけで、またもやオーストラリア花だよりでした。


2001.2.18(日)・・・ユキヤナギのような・・・
 細くて細かい葉が密につくこの植物は・・・Astartea fascicularis(フトモモ科)といい、オーストラリアに8種が分布しているそうです。

 今の時期はオーストラリアの植物が豊富に出回っていますよね。寒さにはそこそこ耐えますが・・・日本の夏でほぼダメになってしまいます。
 
 オーストラリアは確かに暑いですが・・・日本のようにジメジメした暑さではないからです。このあたりをもっと改良していくことがこれからの育種の課題でしょうか。

 この花は、今年2月の頭に池袋で開催された「関東東海花の展覧会」で出品されていましたね。


2001.2.17(土)・・・ブルーハイビスカス
 またまた更新をサボってしまいました。穴空きだらけの日記です。さて、画像だけやたらと並べてみました。後日、学名等を載せていこうと思います。この中で、皆さんはいくつの花の名前を言えることができますか?全く分かりませんか?

 これは・・・Alyogyne huegelii、ブルーハイビスカスと呼ばれています。アオイ科です。4種がオーストラリアに分布しています。乾燥地に自生しているとのことですので、我が家では少し水を切らし気味に栽培しています。つい先日、待望の1輪が開花しました。pure purpleの落ち着いた色彩です。
 昨年夏に、3号ポット苗が98円で売られていた物を購入し、現在が初花です。四季咲きということになっていますが・・・日本ではいささか不明です。


2001.2.3(土)・・・厳寒期に咲く花
 昨日はすごいものを紹介しましたが・・・今日はオシャレに行きたいと思います。厳寒期に咲く花は可憐ですねぇ。「冬を選んで咲く花もある」by金八。
 Narcissus romieuxii var.mesatlanticus(ヒガンバナ科)要するにスイセンです。花茎はわずか5cmほどです。

 これはモロッコに自生している種で、Narcissus romieuxiiよりも遅咲きです。微香があります。。交配してタネを採ろうと思っています。


2001.2.2(金)・・・奇形の○○○○だそうです。
 コンニャクの花が咲きました。なんともいえない色です。学名をAmorphophallus rivieri var. konjacといいます。学名に「コンニャク」と付いているんですね。サトイモ科ですので、切り花でお馴染みの「カラー(Zantedeschia)」に似ていますよね。

 これは研究室で開花したものです。高さ160cm程度。ビッグな姿です。画像右側の白いプツプツが花で、こういう姿をした花を肉穂花序といいます。サトイモ科は肉穂花序です。

 コンニャクの花は強烈な匂いを発します。生臭いようなタマネギの腐ったようなにおい。鼻が曲がるほどの悪臭です。

 さて、学名の「Amorphophallus」ですが・・・「Amorpho」とは「奇形の」という意味です。で、次が問題。「phallus」とは専門的に言うと「陰茎」という意味です。要するに「チンポコ」です。奇形のチンポコで悪臭を放つって・・・オイオイ・・・。どうでしょう?