【ヨウスケのアカデミック園芸ワールド】10月

2000.10.31(火)・・・御岳山フロラ調査・最終回
 
 最終回の今日は・・・セキヤノアキチョウジ【Plectranthus effusus】(シソ科)です。

 全体的な姿がアキチョウジ(Plectranthus longitubus)に似ていますが、葉は長楕円状狭卵形で、先は細く尖っています。

 花柄は1〜2.5cmと長くなっていて毛がありません。また、がくの上唇の裂片がアキチョウジでは短く先が細いのに対して、本種は披針形で尖っています。

 山地の木陰にたくさん自生していました。群落を作って自生しており見事でした。実際の花の色はもう少し水色でさわやかな色です。

 さて今回連続で紹介してきました【御岳山フロラ調査】はいかがでしたでしょうか。最終回を目前にして更新が止まってしまい申し訳ありませんでした。

 9月は銚子市の犬吠埼フロラ調査で、海岸型植物を紹介しました。今回は山地です。場所も環境も違うと植生は全く異なり、いろいろ見て歩くと面白いですよ。
Citation: Plectranthus L'H駻., Stirp. Nov.: 84
Date: Mar 1788 - Apr 1788
Nomenclatural detail: nom. cons.
Type: P. fruticosus L'H駻.
Group: DICOTYLEDONES: LABIATAE


2000.10.30(月)・・・御岳山フロラ調査・第10回
 
 第10回目の今日は面白い和名の植物、オヤマボクチ【Synurus pungens】(キク科)です。岐阜県から北海道にかけて分布しています。明るい草地に自生していました。高さは1〜1.5mほどで大型です。葉は長さ30cmぐらいで、裏面に白いくも毛が密生し、ゴボウの葉に似ています。

 頭花は4〜5cmで、総苞片は硬く尖り、外片は反り返ります。花筒は短くずんぐりしていてどことなく愛嬌があります。

 「ボクチ」とは火口(ほくち)・・・火を移しとるもの;で、乾燥したこの葉から綿毛を取り出して使ったことに由来します。
Citation: Synurus Iljin in Bot. Mater. Gerb. Glavn. Bot. Sada S.S.S.R. 6: 35
Date: 28 Feb 1926
Type: S. atriplicifolius (Trevir.) Iljin (Carduus atriplicifolius Trevir.)
Group: DICOTYLEDONES: COMPOSITAE


2000.10.29(日)・・・御岳山フロラ調査・第9回
 第9回目の今日はウメバチソウ【Parnassia palustris】(ユキノシタ科)です。湿り気のあるところに自生していました。多年草です。

 根生葉は長い柄があり、数枚が固まってつきます。葉身は円形、または腎形で基部は心形となります。高さは10~40cm程度、1枚の葉と1個の花をつけます。

 花茎につく葉は柄がなく茎を抱く形となっています。花は梅の形に似ています。仮雄しべが15〜22裂します。

 和名は梅鉢の紋を連想してつけられたと言われています。
Citation: Parnassia L., Sp. Pl.: 273
Date: 1 Mai 1753
Type: P. palustris L.
Group: DICOTYLEDONES: SAXIFRAGACEAE


2000.10.28(土)・・・御岳山フロラ調査・第8回
 第8回目の今日は2つの植物を紹介します。まず左側ヤマシャクヤク【Paeonia japonica】(ボタン科)です。高さ40〜50cmになる多年草で、葉は3〜4枚が互生し、2回3出複葉です。葉の裏面には毛がなく白色を帯ています。

 がく片は緑色の卵形で普通は3個あります。これは花後の様子です。赤と黒真珠のコントラスト、どうですか?美しいでしょう。
Citation: Paeonia L., Sp. Pl.: 530
Date: 1 Mai 1753
Type: P. officinalis L.
Group: DICOTYLEDONES: PAEONIACEAE

 右側ゲンノショウコ【Geranium thunbergii】(フウロソウ科)です。またの名をミコシグサ

 高さ30〜50cmになる多年草で、葉は3〜5個に中〜深裂し、紅紫〜白色の花をつけます。昔から下痢止めに使われ薬効が速やかにあらわれることからこの名前がつきました。
 
 別名のミコシグサは、果実の裂開した形が、神輿の屋根に似ていることに由来しています。
Citation: Geranium L., Sp. Pl.: 676
Date: 1 Mai 1753
Type: G. sylvaticum L.
Group: DICOTYLEDONES: GERANIACEAE


2000.10.27(金)・・・御岳山フロラ調査・第7回
 
 第7回目の今日はヨーロッパで大人気と言われている日本の植物、ミヤマシキミ【Skimmia japonica】(ミカン科)です。高さ50cm〜1mの常緑低木で葉は枝先に集まって互生し、披針形で革質になっています。表面は光沢があり腺点が散在します。雌雄異株で花弁は4個となっています。

 真っ赤な果実深緑の葉のコントラストが美しく、ヨーロッパの家庭の庭では大人気だそうです。ヨーロッパではクリスマスシーズンにミヤマシキミの枝を盗む人がいるそうです。それほど人気者なのです。

 これはシーボルト日本からヨーロッパへ持ち込んだ植物の1つで、日本以上に愛されている樹木の1つではないでしょうか。
Citation: Skimmia Thunb., Nov. Gen. Pl.: 57
Date: 18 Jun 1783
Nomenclatural detail: nom. cons.
Type: S. japonica Thunb.
Group: DICOTYLEDONES: RUTACEAE


2000.10.26(木)・・・御岳山フロラ調査・第6回
 
 第6回目の今日は美しいバタークリーム色の花、キバナアキギリ【Salvia nipponica】(シソ科)です。やや木陰に自生していました。

 葉は対生し、長い柄があります。三角状ほこ形で長さ5〜10cm、縁には鋸歯があります。茎の先に花穂をつくり、黄色の唇形花が段になってつきます。上唇は立ち上がり下唇は3裂して前に突き出ます。がくは唇形で毛が生えています。

 和名のキバナアキギリは「黄花秋桐」でキリの花に似ており、秋に黄色の花を咲かせることに由来しています。

 花の中心がピンク色になっており、表情がキレイですね。
Citation: Salvia L., Sp. Pl.: 23
Date: 1 Mai 1753
Type: S. officinalis L.
Group: DICOTYLEDONES: LABIATAE


2000.10.25(水)・・・御岳山フロラ調査・第5回
 第5回目の今日は猛毒の植物、ヤマトリカブト【Aconitum japonicum var. montanum】(キンポウゲ科)です。高さ80〜150cmになります。中ほどの茎葉は円心形で深く3〜5裂し、裂片は披針形または卵状披針形であらい鋸歯があります。

 ヤマトリカブトはオクトリカブト(Aconitum japonicum)の変種で、青紫色の花の外側には曲がった毛が生え、内面にも曲がった毛と真っ直ぐな毛が生えます。

 和名のヤマトリカブトは「山鳥兜」で鳥兜とは花の形が舞楽の時にかぶる冠(鳥兜)に似ていることによります。花の形にとても愛嬌があると思いませんか?

 有毒植物ですので取り扱いには注意が必要です。
Citation: Aconitum L., Sp. Pl.: 532
Date: 1 Mai 1753
Nomenclatural detail: nom. cons. prop.
Type: A. napellus L.
Group: DICOTYLEDONES: RANUNCULACEAE


2000.10.24(火)・・・御岳山フロラ調査・第4回
 第4回目の今日は・・・面白い名前の植物です。学名から行きましょう。Parabenzoin praecox】(クスノキ科)です。和名が・・・【アブラチャン】。。。ぷっ、と思わず顔がほころびます。

 高さ3〜6mになる落葉低木です。樹皮は灰褐色で小さな皮目が多く、葉は互生します。長さ5〜9cmの卵型、先は尖り基部は広いくさび形になっています。また、葉柄は赤みを帯びています。

 雌雄異株で総苞片は褐紫色で通常4個存在し、小花柄は有毛です。雄花序には3〜5個の雄花が付き、花被片は6個雄しべが9個あります。雌花序には3〜4個の雌花が付き、花被片は6個葯のない仮雄しべが9個雌しべが1個あり子房は球形です。

 果実は直径1.5cmほどで黄褐色に熟すと不規則に裂けます。(画像からお分かりでしょうか?)

 【アブラチャン】の「チャン」とは瀝青(れきせい)のことで、昔、果実や樹皮の油を灯用にしたことによるそうです。

 3〜4月に開花しますが、もう花芽はできていました。果実はクスノキ科特有の良い香りがあります。


2000.10.23(月)・・・御岳山フロラ調査・第3回

 第3回目の今日はヤマゼリ【Ostericum sieboldii】(セリ科)です。渓谷の縁や林の中に自生していました。高さ50〜120cmの多年草です。葉は2〜3回3出羽状複葉で小葉は卵形、あらい鋸歯があります。小形の複散形花序に白い小さな花を密につけています。

 現在はAngelica属に移ってしまったようです。
Citation: Ostericum Hoffm., Gen. Pl. Umbellif.: 162
Date: 1814
Type: O. pratense Hoffm., nom. illeg. (Angelica sylvestris L.)
Group: DICOTYLEDONES: UMBELLIFERAE


2000.10.22(日)・・・御岳山フロラ調査・第2回
 
 第2回目の今日は園芸植物として多数の品種が存在するお馴染みの花です。ツリフネソウ【Impatiens textori】(ツリフネソウ科)といいます。高さ50〜80cmになる1年草です。

 茎はやや赤みを帯び、節が膨らみます。花序は葉の上部に斜めに立ち距(きょ)が著しく後ろに突き出て渦巻状になるのが特徴です。葉は菱形楕円形で先は尖り、鋸歯があります。

 よく似たものとしてハガクレツリフネ【Impatiens hypophyllaがありますが、葉の脈上に白色の毛がある、花序は葉の腋から出る、葉の裏に隠れる(=ハガクレ)距は渦巻状にならないのが特徴です。

 種子を飛散させて子孫を増やしていきます。園芸品種の種子よりこちらの方がサイズが大きいように思いました。

 花の形からするとI..repensなどと同じように見えます。交配したら雑種が出来るでしょうか?
Citation: Impatiens L., Sp. Pl.: 937
Date: 1 Mai 1753
Type: I. noli-tangere L.
Group: DICOTYLEDONES: BALSAMINACEAE


2000.10.21(土)・・・御岳山フロラ調査・第1回
 
 今日から連続で(たぶん)フロラ調査をお届けします。場所は奥多摩にある【御岳山】です。比較的近場で十分楽しめるところでした。紅葉はまだ早く、11月に入ってからだそうです。

 第1回目の今日は・・・サラシナショウマ【Cimicifuga simplex (DC) Turcz.】(キンポウゲ科)です。12種が分布しています。茎が40〜150cmにもなり葉は2〜3回3出複葉です。

 柄のある白い小さな花を密につける総状花序で、雄しべは多数、雌しべは2〜8個で柄があります。和名のサラシナショウマは「晒菜升麻」で若菜をゆでて水で晒(さら)して食することに由来するそうです。
 花には芳香があり観賞植物として十分使えます。落葉樹林内に自生する植物です。
Citation: Cimicifuga Wernisch., Gen. Pl.: 298, 321
Date: Jan 1763 - Sep 1763
Type: C. foetida L. (Actaea cimicifuga L.)
Group: DICOTYLEDONES: RANUNCULACEAE


2000.10.18(水)・・・もう1種追加。
 以前紹介したPseuderanthemum(キツネノマゴ科)ですが・・・今日はもう1種ご紹介します。Pseuderanthemum sinuatumです。ニューカレドニア原生の多年草で小苗でもよく開花します。茎と葉の裏が淡紅色を帯びてキレイです。

 よく開花はするのですが密集して咲くものではありませんのでなんだかままばらな感じがします。

 以前紹介したP.laxiflorumはフィジー原生(9月に紹介)でした。同じ属でも種(しゅ)が違うとこんなにも違う印象をもちます。

 パッと見はラン科植物かな?とも思えるような花の形です。
Citation: Pseuderanthemum Radlk. in Sitzungsber. Math.-Phys. Cl. Konigl. Bayer. Akad. Wiss. Munchen 13: 282
Date: 1883
Type: P. alatum (Nees) Radlk. (Eranthemum alatum Nees)
Group: DICOTYLEDONES: ACANTHACEAE


2000.10.10(火)・・・あまりお見かけしませんねェ。
 さて、【茄子のご陽庭】にふさわしくナス科の植物を紹介します。植物自体は珍しくありません。ちなみにBrugmansiaです。(種名不明)もうお馴染みの【Angel's Trumpet】(エンジェルス・トランペット)です。しか〜しっ!斑入り(Variegated Plants)なのであります。どうです?キレイでしょ?バタークリーム色の斑が印象的

 今年の夏に所用で我孫子へ出かけた際、細い路地を入ったところにあった小さな小さな花屋の奥の奥で、ヘナヘナになってかろうじて生き延びていたコイツを譲ってもらいました。草丈15cmの代物でした。

 早速、ご飯と水をあげお相撲さんにしてみました。そしてこれが今の状態です。草丈は80cmを超えています。今年は花は咲きそうにありませんが・・・。

 斑入り個体の出現は、種子1000粒の中に1個体ぐらいは混ざっています。すなわち、1000粒分の1株の割合で区分キメラ(sectorial chimera)が出現するのです。これをしぶとく育てていけば周縁キメラ(marginal chimera)に発達します。区分キメラから普通に戻ることはあります。しかし周縁キメラは安定しています。

Citation: Brugmansia Pers., Syn. Pl. 1: 216
Date: 1 Apr 1805 - 15 Jun 1805
Type: B. candida Pers. (Datura arborea Ruiz & Pav. non L.)
Group: DICOTYLEDONES: SOLANACEAE


2000.10.6(金)・・・【イモノキ】の別名があります。
 さて、この植物は一体なんだと思いますか?実は・・・キャッサバ、タピオカと呼ばれているものです。トウダイグサ科Manihot esculentaManihot esculenta ‘Variegata’(斑入り)といいます。南北アメリカに約160種あります。乳状樹液を持つ雌雄同株の草本、低木または高木となっています。葉は互生し、一般に掌状葉脈で分裂します。花は無花弁で腋生し総状花序をつくります。M.esculentaはブラジル原生で高さ2mほどでよく分枝する常緑低木です。ただし寒さには弱いので(越冬は15℃以上必要)注意が必要です。地下に大きなイモをつくり、それをキャッサバやタピオカといい主食とされています。ただし毒があるので注意が必要です。
Citation: Manihot Mill., Gard. Dict. Abr., ed. 4: [851]
Date: 28 Jan 1754
Gender: f
Type: M. esculenta Crantz (Jatropha manihot L.)
Group: DICOTYLEDONES: EUPHORBIACEAE


2000.10.3(火)・・・これもナス科なんです。
 ヒョロっと長いタコの口のようなこの花、コイツもナス科なんです。学名をIochroma cyaneaといいます。柏市にある大きなガーデンセンターで忘れ去られたように売られていました。ラベルも何も付いていません。花の名前を店員に尋ねても「現在調査中で我々も分からない」とのこと。私もこの時は「何処かで見たことあるケド・・・?」と思っていましたが・・・・数日後ふと思い出しました。あぁ!そうか!今年の3月頃、わが掲示板でモウ様からの質問があったアレだと!

 そうだそうだ。文献で調べたところやはりそうでした。15種が南米に自生する低木です。数種が薬用として使われているそうです。

 花色はディープ・ブルー以外にも黄・白・スカーレットなどがあるそうです。
Citation: Iochroma Benth. in Edwards's Bot. Reg. 31: ad t. 20
Date: 1 Apr 1845
Nomenclatural detail: nom. cons. emend. des.
Gender: n
Type: I. tubulosum Benth., nom. illeg. (Habrothamnus cyaneus Lindl., I. cyaneum (Lindl.) M. L. Green)
Group: DICOTYLEDONES: SOLANACEAE