Iris L. (アイリス)・・・アヤメ科
北半球温帯に約200種、うち日本に7種自生する。
属名の由来については
@テオプラスツス(Theophrastus)が用いたこの植物のギリシャ名からであって、ギリシャ語の「虹」にもとづく。
Aギリシャ語イーリス(iris・・・虹)からであって、この植物が多彩で、また美しいことから、とするもの
Bギリシャ神話の虹の女神、神々の使者イーリス(Iris)からであって、その花の多彩なことからとするもの
などの説がある。
トマス・ブルフィンチによると、イーリスは次のように語られている。
「ヘーラーはゼウスの正妻で、また神々の女王であった。虹の女神イーリスが、女王の侍女となって使者の役をつとめ、七色の衣をまとい、大空を虹で染めながら使いをした。彼女はまた、ゼウスの使者であった」
属名の由来について、iris(虹)からとするものも、Iris(虹の女神イーリス)からとするものも、テオプラスツスがiris(またはIris)に基づいてこの植物をそのように呼んだ、ということに帰一されると思われる。
すなわち古代ギリシャ植物名を属名として適用したものであるとする@説が妥当であり、A・B説はその植物に与えられたギリシャ名のいわれを述べたものであろう。