第5回 国際バラとガーデニングショウ
埼玉県所沢 西武ドーム 2003.5.16〜5.21



 昨年は、ハンギングバスケット部門に出品しましたが・・・今年は作品の規模を大きくして、ベランダガーデン部門に応募しました。

 ベランダガーデン部門は、昨年まではガーデンCという名前で呼ばれていました。今年から、ベランダガーデンと名前を改め、ベランダをコンセプトに施工を行います。

 第一次審査に通過しなければ、実際に施工することができません。3月に一時審査通過のお知らせが届き・・・それからは準備に明け暮れる毎日・・・。1.8m×3.6mのスペースに展示を行うのですが・・・狭いような広いような・・・よく分からない感覚。

 準備期間にはいろいろとあったけれど、結果は「準優秀賞」を頂きました。

 作品は、あえて掲載しませんが・・・様子だけは記録に残しておこうと思います。





 
 搬入初日の超・早朝の様子・・・・。

 この日の為に、1tトラック(もちろんオートマチック車ね。オートマしか運転できないので。)をレンタルしました。

 で、これが積み込みが終わったトラック内部。

 展示のメインとなる寄せ植えが、荷崩れしないようにしっかりと固定させて・・・・

 小さなスペースに造園を行うのですが、それでもこれだけの量。これでも実はすべて揃っているわけではなく、ウォールバスケットと、多肉植物のコンテナが残っています。
 できるだけ徒長を防ぎたいので・・・これは施工の最終日に搬入することにしたのです。


 さて、会場に着きました。

 これが展示スペース内に荷物を下ろし終わったところ。

 結構な量で、スペース内がものすごく狭く感じられます。一体、これだけのスペースが・・・どのような変貌を遂げるのでしょうか!?


  
 床板、壁、フェンス等のペイントは、準備段階ですでに終わらせています。
机も脚と天板が外れるように設計して作ってあるので、現場では脚に天板を載せるだけでOKです。
 フェンス、壁は現場で組み立てていきます。狭いスペースで作業するので、思うように捗りません。果たして終わるのでしょうか・・・・。


 
 床板を敷き、フェンスを取り付け、壁を作り・・いよいよレイアウトです。会場に運ぶ前に、事前にリハーサルを行い、あらかじめのバミリを付けています。

 リハと現場ではやはり見た目が違うため、右から左へ、奥から手前へ・・・と、いろいろなものが移動することもしばしば・・・・。

 これは枕木をセッティングしたところ。さて、この上に何が置かれることになるのでしょうね。


 そして・・・・完成。

 あと2時間で日付が変わります・・・・。

 完成記念にパチリ。

 明日は・・・審査の日です。さてどうなることか・・・・。目指すは大賞の300万円!!!!





 昨日の夕方・・・事務局さんからお電話が・・・・。
 「準優秀賞にエントリーされましたので・・・・」

どうやら本当のようです・・・・。

 入賞の予想はしていたものの、改めて驚き。
 あの作品群の中では、抜群に光っている作品でしたから、入賞しないわけがないと思っていました。

 園芸の仕事を始めて、賞金がもらえる賞を頂いたのは、これが初めて。

 純粋に嬉しいデス。


 以下、作品タイトルとコンセプト

Painter's palette

 あなたの心には、どんな絵描きが住んでいますか?
 そして、その絵描きが手にしているパレットの上の絵の具は何色でしょうか?

 この空間は、どんな人の心にも必ず住んでいるという「心の絵描き」が、限りない人々の心を綺麗にするための絵を描く、必要な絵の具を混ぜ合わせるパレットです。

 しかし・・・心の絵描きがパレットに出した絵の具の色は、なんと植物だったのです。

 植物の葉の色は、決して緑色だけではありません。芽吹きのシーズンから、赤・黄・銀などの鮮やかな色を放つ色葉(いろは)の植物。時には、あたかも花のように葉が自分を主張します。葉に様々な色彩を持つ植物を用い、絵描きのパレットを表現しました。

 また、我々の心のどこかには心のゆとりを求めるべく、いつも風になびく草が存在しています。オーナメンタルグラスと表現される、風になびく草を用いて安らぎを創り出しました。

 朝起きた時、あなたが一番最初に足を運びたくなる・・・そんな絵描きのパレットを、少し覗いてみませんか?



 これは初日の様子。会場間もなくして、人が集まりだし・・・・



 午後少し前から、この状態がずっと続きました。押すな押すなの大混雑。とにかくじっくり鑑賞する方が多く、展示ブース前から人がなかなか動きません。





 18日の日曜日は、NHK−BS2で生中継が入ります。
 前日、この展示ブース前で柳生真吾さんとスタッフがゴニョゴニョとお話・・・・。噂によれば、この作品から紹介される模様・・・。なんでも、デザイナーからの一言、というコメントが面白いから・・・らしい。

 ちなみに、そのコメントとは・・・・

 「ほ〜ら、誰でもできるでしょ。」


 そう、誰もができそうな・・・そんなアイディアをたくさん盛り込んだ展示なのです。だからコメントもシンプルに。

 10時00分からの生中継を前に、2人組スタッフがやってきて、作品の前で何やら打ち合わせ・・・・。

 映るんですか?という質問に対し、この作品から紹介していきます、とのこと。

 やった〜!生中継!

 



 10時30分少し前に、カメラがやってきました。そして柳生真吾さんも・・・。

 

 柳生さんの「このコメント面白いじゃないですか」を合図に、一気に
作品の前を通り過ぎていきました。

 私は、映像は確認していないのですが・・・・おそらく30秒程度だと思います。

 でも、しっかり名前と作品は中継されていました。

 このあと柳生さんとお話してみたいと思ったけれど・・・風のように消えていきました。 

 この中継は、絶大な効果アリ。

 午後からのお客さんは、この作品を目指してこられた方も多く「あったあった!」と言う声も多々耳にしました。





 そして、あっという間に6日間は過ぎていき・・・・いよいよ撤収。

 撤収作業は、夜遅くまで続きました。こちらに戻って来たのは、深夜。


 この6日間で、非常に多くの方々に作品を見ていただくことができました。会場に用意してあった名刺750枚は、6日目の終了とともにきれいになくなりました。

 こういう機会は滅多にないので、大変良い経験ができました。

 撤収時に、入賞者は審査員からのコメントをもらうことができます。興味深い内容ですので、ここに紹介しておきます。


 すぐにでもマネをしたくなる、マネをできそうなアイデアがたくさんあり、好感度の高い作品。
 木工、ペイント美的センスバツグンです。特に寄せ植えが美しい。ただし全体に植物が細かく線が細いのでインパクトが弱まりました。
 たとえば手前に大きなもの、明るい色、奥に暗いもの、小さいものを配置すると、立体感がでてさらによかったでしょう。


 このコメントをもらい、こちらが意識してそれを避けたことが、意図としてはっきり相手に伝わったことを確信しました。

 あえて、ショウ的要素というのもを排除し、現実にグッと近づいた演出をしたいと思っていましたので、このコメントを頂くということは、それが確実に伝わったと言うことになるでしょう。

 次回、もしこういう機会があったなら、ショウ的要素というのを意識した展示を行うことにより、さらにレベルの高いものができるのかもしれません。本当は、今回のような展示の方が、ショウ的要素を含めた展示に比べて、レベルは高いんですけれどね。

 植物をうまく使い、緻密なモザイク画のような雰囲気を出すのは、相当なレベルがなければできないですからね。

 



 で・・・ここまで終わって・・・・あれ?作品の紹介はないの・・・・・??

 はい、そーです。

 作品の紹介はありません。これは実際に見に来ていただいた方の特権。

 あえてここでは紹介しません。

 ゴメンネ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!




 2003年 第5回 国際バラとガーデニングショウ報告 おしまい。