【2003年 ヨウスケのアカデミック園芸ワールド】2月







2003.2.28(金)・・・青
 目が覚めるような青。

 Phacelia campanularia(ハゼリソウ科)

 150種が北西アメリカ、南アメリカ等に分布している植物です。

 何と言っても花の色が最高ですね。今の時期、本当にキレイな青い色が楽しめます。

 葉や茎にも注目してもらいたいのですが、いぶし銀のような葉色で、茎と葉柄は赤色。これは実生個体からの選抜です。山梨県で作ってもらい、平地に下ろしてきました。

 草姿がイマイチなのが欠点で、何とか鉢物化できないかと大学時代に作ってみましたが、この欠点はどうにもなりませんでした。わい化剤を使用したら、どんな感じに仕上がるのでしょうね。


2003.2.27(木)・・・おもしろ模様
 葉の模様が面白いですね。

 Pinus densiflora ‘Oculus-draconis’(マツ科)

 アカマツの園芸品種で、切花等に詳しい方は「ジャノメアカマツ」という名前でピンと来るはずです。蛇の目と言われるように、葉の模様に特徴があります。黄色の斑入りということになります。

 昔からある素材ですが、こうしてじっくり見ると、なかなか面白く使える素材だと思います。お庭が明るくなりますよね。

 アカマツですから・・・秋にはマツタケが・・・・!(それは違うと思います・・・。)

 マツにもいろいろと園芸品種があり、樹形にバラエティが富んだ品種があるのですが、そういう点で、葉色の変化は更に面白みがありますね。


2003.2.17(月)・・・宇宙人
 久しぶりの更新です。お待たせ〜。

 さて、ユニークな形の植物を紹介します。宇宙人みたいなこの姿の植物は、花を観賞する植物?それとも葉を鑑賞する植物?・・・・第一の目的から言うと、どちらにも当てはまりません。
 
 Brassica oleracea var.gongylodes(アブラナ科)

 英語ではkohlrabi(コールラビ)といいます。和名はカブカンラン。カブのような姿で、キャベツ(カンラン)の仲間(要するにBrassica)ということから、この名前が付きました。

 目的が当てはまらないと書いたのは、これが理由です。だって、食べるもんだから。

 でも、これを寄せ植えの素材に使う変わった人もいます。トップページの画像の寄せ植えに使っているのは、このコールラビです。


2003.2.5(水)・・・これ食えるの?
 こうやって写真に撮ると、結構すごい色してますね・・・。

 Brassica rapa var. chinensis(アブラナ科)

 学名で聞いてもピンと来ないでしょうから・・・中国名で・・・紅菜苔(フォンツァイタイ)、日本ではコウサイタイと呼ばれている中国野菜の1つです。

 中国では、唐代から栽培されている古い野菜です。揚子江中流域の湖北省、湖南省を故郷とし、このあたりが産地となり生産されています。

 どこを食べるのかは・・・それはお料理の本を見てくださいネ。すごくおいしい野菜ですよ。

 で・・・こういう素材も、寄せ植え等に入れると、名脇役として活躍します。花や野菜と区別をしていたのでは、視野が狭くなります。いろいろな「植物」を知ることで、使う素材のバラエティは無限大に広がるでしょう。ただ、こういった素材はこのような形で出回ることは皆無でしょうから、自分で作るしかありません。

 お気に入りの素材です。


2003.2.4(火)・・・さわやか素材
 こんなものにまで斑入りが・・・・!

 Bronia ‘White Love’(ミカン科)

 ボロニアの斑入りです。すごくさわやかな感じで・・・夏が似合う・・・でも花は春・・・。

 マリポサガーデニング基礎講座の6月に、デモンストレーションで持っていった寄せ植えの中に入っていた一鉢です。あの時、皆さんが「何これ〜!」と、騒いでましたっけ。

 右の画像でお分かりのとおり、非常に律儀な覆輪の斑入りです。見事にキレイに入っています。

 この品種は登録品種で、千葉大・別科で私と同じ専攻だった同級生の女の子のお父さんが登録した品種なのです。井上さんと言います。オーストラリアのものを結構生産してらっしゃる方です。

 なかなかお気に入りの品種で、葉も花も楽しめる、貴重な鉢花だと思います。寄せ植えにも使いやすくて、オススメ素材です。


2003.2.3(月)・・・銅葉の・・・
 銅葉・・・チョコレート色・・・・

 Geranium sessiliflorum subsp. sovae-zelandiae ‘Nigricans’(フウロソウ科)

 ふぅ〜長い名前・・・・。ゲラニウムの銅葉ちゃんです。この銅葉に・・・なんと白い花が咲きます。それはとってもとってもかわいいモンです。

 銅葉のゲラニウムは、夏に弱いという事が言われていますが・・・確かに株は少し小さくなるものの、枯れることはありません。また、ピンク花よりも白花の方が夏の暑さには強いようで、結構ガンガン日が当たるところでも、傷むことなく夏は越えました。

 イギリスなどでは、大株をたくさん見てきました。本当に素晴らしいものです。

 まず園芸店では見かけない素材ですね。お問い合わせはメールにて。


2003.2.2(日)・・・毛モサ。
 毛がモサモサしている子です。

 Origamun dictamnus(シソ科)

 観賞用(?)のオレガノです。非常に葉の色がキレイで、よく見ると、産毛がいっぱい生えています。

  英名はDittany of Creteと言い、その名前の通り、原生はギリシャのクレタ島です。樹高30cmくらいの亜灌木になります。

 初夏から夏にかけて、ピンクの小さな花をぶら下げます。料理で使うオレガノと比べると香りはなく、サラダやワインの風味付けに用いられる程度です。

 なんとなく姿がかわいいですよね。

 園芸店で見かけない素材だと思います。ハーブ屋さんでも売られているところは少ないんじゃないかな?オススメ植物です。お問い合わせはメールにて。


2003.2.1(土)・・・常緑で・・・
 常緑の良い素材です。

 Phormium ‘Jack Spratt’(マオラン科、リュウゼツラン科)

 ニューサイランの小型で銅葉の品種です。前回のアカデミックで、グリーンの小型を紹介しました。前回は‘Sufer’という品種名でしたね。

 日本ではなぜか、‘Sufer’を、サファーグリーンという名前で呼んでおり、今日紹介したものをサーファーブロンズと兄弟品種のように扱っています。

 サーファーブロンズとして流通しているもののほとんどは、 ‘Jack Spratt’と同じものと思われます。

 きちんとした品種名があるのに、名前変えるなっちゅーの!!くだらん園芸店が多くて困ります。あんたの店の名前、違う名前で呼んでやろうか?・・・と、きっとこの植物は思っているハズ。

 常緑でよい素材です。乾燥気味に管理する方が、結構安全だったりします・・・。