【2002年 ヨウスケのアカデミック園芸ワールド】2月







2002.2.26(火)・・・センニチコウのミニ版みてーだなぁ。
 なんとなくアップで花を見ると、ヒユ科の植物のように見えますが・・・

 Antennaria rosea(キク科)という植物です。

 日本ではエゾノチチコグサ(Antennaria dioica)と親しまれている植物と同属のものです。ただし画像の植物はヨーロッパのもので、日本のものではありません。エゾノチチコグサは日本のもので、属名の和名が「エゾノチチコグサ属」なので、Antennaria roseaもエゾノチチコグサとして流通しています。

 ですから、この花をエゾノチチコグサと呼ぶのは本来は間違いです。あえて言うなら「アカバナエゾノチチコグサ」でしょうか。
 私はこの花の色を「赤花」と表現しましたが、英名はPink pussytoesと言われるように「ピンク色」という認識のようです。

 葉がシルバーで、花がなくても十分楽しめる植物ですね。


2002.2.22(金)・・・黒葉のラナン。
 ヨーロッパから西アジア、北アフリカに分布する小型の宿根草。これは塊根性の植物で、黒紫色の葉をもっています。

 Ranunculus ficaria ‘Brazen Hussy’(Ranunculaceae・・・キンポウゲ科)

 左の葉だけの画像は、昨年11月末に撮影したものです。発芽して間もない頃は非常に黒い葉をしています。
 右はつい数日前に開花したときの画像です。黄色〜クリーム色が混ざっており、よく見ていただくと分かるのですが、ペンキを塗ったような色のつき方です。

 花が咲く頃になると、やや葉色は緑がかったようになります。

 落葉性で、夏場には上部が枯れて葉がなくなり、晩秋〜冬に葉が出現します。低く這うように生育します。


2002.2.22(金)・・・東京ドーム世界ラン展2002(内覧会)
 今年の日本大賞です。
花笠のような・・・造花のような・・・オミゴトっ!!

 × Doritaenopsis Sweet Wine ‘Empress’

 Dritis属とPhalaenopsis属の属間雑種です。

 国分寺洋蘭園(埼玉県)の出品。
思わぬスリーショット。
左から・・・須和田農園園主の江尻光一先生、
シュミエンコンビの吹田明日香ちゃん、柳生真吾さん


 

 おっと・・・この髪型は誰だ・・・・?

 も、もしや・・・・・
 そうです。

 私が、日本国のソーリ大臣、
小泉純一郎だっ!

 出品作品を見て・・・
「感動したっ!」・・・と言ったかどうかは分かりません・・・・。

 小泉さん、国会はダイジョウーブなの?


 すごい警備で、写真をとるのも一苦労。


2002.2.21(木)・・・「幻の植物」といわれたHelleborus
 1869年、中国の奥地に動植物を求めて歩き回っているフランス人宣教師がいた。Armand David氏である。

 ダヴィッド神父が、雪の降る季節もパンダを求めて歩き回っていた時、「雪の中から白い花を咲かせる」植物に出会った。それが中国のクリスマスローズ、学名Helleborus thibetanusである。

当時、成都盆地から西部の山域は、西洋人の認識ではチベットであったことから、この名前が付けられ、1885年、フランスの分類学者Adrien R. Franchetによって記載された。

 このとき、ダヴィッド神父は標本を採集しただけで、生きた植物は持ち帰らなかったため、120年余り、Helleborus thibetanusは、文献上でのみ、その存在が知られる「幻の植物」だった。

 1989年10月10日、それを再発見したのが荻巣樹徳(おぎすみきのり)氏であった。1991年、イギリスで自生地の開花写真をスライド上映した際、聴衆らは気を失い、イスから転げ落ちた。
                                               以上、「幻の植物を追って」荻巣樹徳:著(講談社)より抜粋、編集

 Helleborus属の中でも、これは落葉種で、夏には地上部が枯れてなくなってしまいます。 淡いピンクが宝石のようですね。あえてこれ以上の説明は要らないでしょう。。。


2002.2.16(土)・・・ヒメキランソウ
 この属の植物が好きな人なら、花を見ただけで分かるはずです。

 Ajuga pygmaea(シソ科)、和名をヒメキランソウといいます。

 海岸性の植物で、このあたりでは見かけることがありませんねぇ。。。本州に分布しているキランソウよりも、大群落を作って生育します。

 沖縄あたりでは一面に蔓延っているのを確認したことがあります。非常に生育旺盛な植物で、Ajuga reptansよりも大きな面積を覆うでしょう。

 A. reptansのように、穂状花序を形成しないので、また違った雰囲気を持っていますね。


2002.2.15(金)・・・アネモネ
 純白の花(正確には花ではない)で、質感がなんともいえない柔らかく、日本のものではないけれどどこか日本風。

 Anemone sylvestris (キンポウゲ科)

 ヨーロッパからシベリアにかけて分布する宿根草です。冬季は上部が枯れてなくなってしまいますが、寒さには非常に強く、今後幅広く普及するかもしれませんね。

 これは加温して開花させたもので、草姿がヒョロヒョロしていますが、通常はもうすこしガッチリしています。

 この花には香りがあり・・・香りといってもパンジーのような香りですので・・・好き嫌いがあるかもしれません。

 半日陰にも耐えるので、シェードガーデンの素材としてもっと利用できると思います。


2002.2.14(木)・・・コデマリの斑入り
 ハダニの被害で葉が真っ白になった・・・というわけではないのですが、そういう風にも見えなくはないですね・・・・。

 Spiraea cantonensis(Rosaceae・・・バラ科)の散り斑品種です。

 コデマリは中国に自生している落葉低木です。これはハウス内で育苗されているので、この時期でも葉がついています。

 見事な散り斑で気に入っています。葉に斑が入っている以外は・・・花の色も何もかも、普通のコデマリと同じです。


2002.2.13(水)・・・斑入り
 これも・・・前回と同じKalanchoeです。が・・・前回のとは少し違います。

 Kalanchoe tomentosa ‘Tsukitoji Nishiki’(月兎耳錦・・・つきとじにしき)もしくはK. tomentosa f. variegata

 月兎耳の斑入り品種です。不鮮明ではありますが、斑が入っています。

 霜が降りて凍るようなところでは、越冬させるのはムリですが、霜・雨・寒風に当てなければ戸外でも越冬できます。


2002.2.12(火)・・・副兎耳
 真っ白な毛に覆われて・・・なんとなく見ているだけでかわいいと思える植物。

 Kalanchoe eriophylla(ベンケイソウ科) 園芸流通名を「副兎耳(ふくとじ)」といいます。マダガスカルに自生している種(しゅ)です。

 Kalanchoe属も非常にバラエティがあり、形態に大きな変異が見られます。これはビロード状の白い毛で覆われています。

  生育は非常にゆっくりとしています。


2002.2.11(月)・・・観葉植物の銅葉
 観葉植物の銅葉、と表現できる植物です。

 Cordyline terminalis cv.

 コルジリネ(センネンボク)の銅葉品種です。(品種名は不明)

 センネンボクの銅葉品種で有名なのは、‘愛知赤’ですが・・・‘愛知赤’の特徴は、銅葉に紅赤色の斑が入るのですが・・・ここに掲載した品種は、全くの銅葉で、単色です。

 キレイなチョコレート色です。センネンボクの単色は珍しいんじゃないでしょうか?


2002.2.1(金)・・・種間雑種
 2月に入りました。この時期といえば・・・Helleborusですよね。園芸店、ホームセンターなどで、大量に扱われるようになってきた植物です。

 クリスマスローズ、と書くと、分かりやすいのかもしれませんが、本来のクリスマスローズは、Helleborus nigerを指し、これに対して与えられた名前であるので、全てをクリスマスローズと呼ぶのはナンセンス・・・なのですが・・・今は、属の総称として使われています。

 これは・・・Helleborus × sterniiという種間雑種です。H. lividusH. argutifolius(=H. corsicus)との雑種です。

 この個体は、グリーンですが、育種者の選抜の違いで、色も様々、葉の様子も様々、草姿も様々です。もっとアズキ色もあります。葉も美しいHelleborusと言えるのではないでしょうか。ただ、極端な寒さには弱いようですが、これも様々なタイプが出ているようです。

 さて、クリスマスローズですが・・・さだまさしの【心の時代】(’98.9.23発売)というアルバムの2曲目に「クリスマス・ローズ」という作品が収録されています。思い出、というのがコンセプトです。

 その中に「桜の下にクリスマスローズを植えて、それが今も咲いている」、というような歌詞があります。彼は、歌の中によく花の名前を入れます。今月27日に発売される彼のアルバムのタイトルは・・・『夢百合草〜あるすとろめりあ〜』。なんだか楽しみです。