【2002年 ヨウスケのアカデミック園芸ワールド】11月







2002.11.23(土)・・・サルビア!?
 これ、サルビアに見えますか?

 Salvia iodantha(シソ科)

 メキシコのサルビアです。言われなければ、サルビアには見えないかもしれませんね。

 草丈が非常に伸びる割には、花は意外と地味です。が、この花色はとてもステキです。
 深みのある色ですね。サルビアの中で、この色をもつものは非常に少ないと思います。

 花は小さいのですが、固まって咲くので美しさが前面に押し出されます。

 半耐寒性で、やや寒さに弱いのですが、ベランダだと十分越冬します。軒下でも越冬可能かもしれませんね。

 これは3号ポットで管理しています・・・。ただし、大きな植木鉢の上に乗っていますので、ポットの底から根が出ています。本来なら2mを超える草丈なのですが、これだと1mほどで収まっています。


2002.11.18(月)・・・おもしろ素材
 トップページに掲載している、寄せ植えの画像にも写っている植物です。

 Corokia cotoneaster
 
 科名に関しては、RHSのPlant FinderではEscalloniaceae・・・エスカロニア科、The Plant BookではGrossulariaceae・・・グロッスラリア科となっています。どちらも属の和名が見当たらないので、カタカナ読みにしています。ミズキ科(Cornaceae)に近縁という見解もあります。

 6種がニュージーランドに自生している植物で、常緑の低木です。枝はクネクネ曲がり、全体的にみると、シルバーのスプレーを吹きかけたような印象を持ちます。

 葉はご覧のように小さいものなのですが、表面はダークグリーンのシルバーの毛、裏は真っ白で、一応裏表は区別できます。

 葉の裏表が入り混じり、遠くから見ると、株全体はシルバーに光っています。とっても面白い素材で、寄せ植え材料として使いやすいと思います。

 日本で生産しているところはおそらくなく、輸入によるものです。最近、一部で見かけることはありますが、ほぼ流通していない、といってもよいでしょう。
 在庫がありますので、ご入用の方はメールでお申し込みください。

 


2002.11.17(日)・・・シルバーリーフ
 匍匐性のシルバーリーフ素材です。

 Helichrysum argyrophyllum ‘Mo's Gold’(キク科)

 ヘラ状の硬い葉が、冬の寒い時期は・・・寒さを運んでくるような気がします。夏は涼しさを運んでくる・・・・?

 南アフリカのケープ州東に自生する、ヘリクリサムの1種です。乾燥した土地を好み、高温多湿を嫌います。今の時期が一番キレイな葉をしています。

 耐寒性はやや弱く、0℃以下ではかなり株が弱ってくるでしょう。霜に当たると、葉は多少傷みます。ベランダでは問題なく越冬します。

 初夏にクリームイエローのカイザイクに似た花(本当は花ではない)をたくさんつけます。分枝性もよく、ピンチすればたくさんの花を見ることが出来ます。


2002.11.16(土)・・・ヒマワリのような・・・
 冬に咲く花って良いですね・・・。

 Sanvitalia ‘Sunbini’(キク科)

 サンビタリアという植物で、春から夏にかけて出回る植物です。非常に生育旺盛で、株張りは40cmほどになります。

 アメリカ、メキシコに7種が分布しており、そこそこの耐寒性はあります。霜があたると少し傷みますが、屋外越冬は可能です。

 匍匐性の素材で、ハンギングバスケット、ウォールバスケト、寄せ植え等で利用できます。

 パッとした黄色が・・・暖かさを運んできてくれます。


2002.11.15(金)・・・デッペ〜
 葉の模様を鑑賞するのかな??

 Oxaris tetraphylla(カタバミ科)

 テトラ・・・とは、「4」という意味です。海に行くと・・・テトラポットというのがあるでしょ?あれと同じ「4」という意味のテトラです。

 以前は、O. deppeiと呼ばれていました。

 日本は何でもブームにしたいのか、なにか関連性をもたせたいのか分かりませんが・・・幸せを呼ぶクローバーとして売り出されています。クローバー属(Trifolium)と全く別物なのですが・・・。

 花の色はサーモンピンク〜レッドで、とても魅力的。寄せ植えのアクセントと捨て最高です。クローバー属の中にもこのような歯の色を持つ品種がありますが、高さがありません。その点で、この植物は高さが確保できるため、魅力的です。

 11月のマリポサ講座で持っていきましたが・・・人気ナシ!!みんな、目が肥えてないな〜!!コプロスマ、キンセンカのつなぎには、この素材は最高です。特にアジュガを使った方にはお勧め素材でしたが・・・・見向きもされないようでした。まだまだお勉強が足りませんね、みなさん!(だから私の仕事が成り立つのか・・・・。)


2002.11.14(木)・・・常緑素材
 枯れ行く植物の中で、ダークグリーンの葉が生き生きとして見えてきます。

 Euphorbia robbiae(トウダイグサ科)

 アジアに自生が確認されているユーフォルビアで、この時期、ダークグリーンのつややかな葉の美しさを鑑賞することが出来ます。

 早春には、黄色い花を楽しむことが出来、なおかつこぼれ種で、広がっていきます。やや生長は遅いようです。

 栽培しやすく、ガーデンプランツとしては最高です。耐陰性もあり、どんな場所にで適応する素晴らしい植物です。


2002.11.13(水)・・・造花?
 造花か・・・?と思うほどの素材です。

 Coprosma repens(アカネ科)・・・の1品種

 コプロスマは、ニュージーランド等に自生している植物で、90種もある大型の属です。

 このテカテカした葉がとても魅力的です。紅葉する常緑樹で、春はグリーンと黄色を中心とした色彩、冬場は赤、ピンク、グリーン、黄色と、カラフルになります。飴細工のような葉は・・・ため息が出ますね。

 数品種が出回っていますが、札落ちが多く困り者です。赤黒く紅葉するもの、黒く紅葉するものが出回っています。これも品種名はありますが、明かさないことにします。

 11月のマリポサの講座で、使用した素材です。これは特別に生産してもらった植物で、日本ではまずこの品種は手に入らないでしょう。
 


2002.11.12(火)・・・ヨモギ
 これは・・・Artemisia属の植物です。属名の和名は・・・ヨモギ属。本属には、アサギリソウも含まれます。

 Artemisia ‘Powis Castle’(Compositae・・・キク科)

 葉は、羽状複葉で、香りがあります。

 シルバーリーフの中では、比較的夏にも強い部類に入り、蒸れて枯れるようなことはあまりないように思います。きれいなシルバーリーフで、夏場は、やや青みがかった色になりますが・・・秋からまたきれいにシルバーに変身します。

 生長もすこぶる早く、寄せ植え等の主木としても利用できる素材です。

 


2002.11.11(月)・・・ブルーグリーンの・・・
 これも草ですが・・・

 Carex grauca(カヤツリグサ科)

 これもカレックスです。グラウカという種(しゅ)で、その名の通り、ブルーグレー色です。じっくり見るとなかなかよい素材です。

 草丈10cm未満で、耐寒性のある常緑素材で、グラウンドカバープランツ等に利用できる素材です。強健な草で、この画像の大きさでも、1年も経つと、3倍近くにまで増えます。

 寄せ植え素材として、オアシス、マリポサで使用しました。


2002.11.10(日)・・・白斑の草
 全体の姿をみると・・・ヤブランですが・・・

 Carex morrowii ‘Silver Sceptre’(カヤツリグサ科)

 あまり見かけないCarexですね。一見、ヤブラン(Liliope)に見えるのですが・・・手触り、葉の幅が全く違います。

 この植物は、横井先生により紹介されました。C. ‘Ice Dance’ほど早く広がることはないのですが、C. ‘Goldband’よりは、生長は早いようです。

 また、やや葉が垂れる性質があるようで・・・ただしこれは栽培環境でコントロールできそうです。耐寒性の常緑素材です。

 ほとんど普及していませんが、とてもよい素材です。


2002.11.9(土)・・・草・・・。
 草と言われたらそれまでですが・・・・

 Carex testacea(カヤツリグサ科)

 ニュージーランドに自生する、日本で言う「スゲ」の仲間です。オリーブグリーンの葉が、春から秋まで続き、その後はオレンジイエローに紅葉します。

 常緑の草なので、また春にはオリーブグリーンに戻ります。キレイに紅葉させるためには、春からしっかり日光に当て光合成を促すこと、潅水、肥料を晩夏以降は控えることで、最高のパフォーマンスを得ることが出来ます。

 この株もだいぶ色づき始めましたが・・・本来の色になるまでにはまだ時間がかかりそうです。

 なかなかよい素材です。


2002.11.8(金)・・・日陰の優秀素材
 日陰と言えばコレ!

 Sarcococca ruscifolia(ツゲ科)

 非常に耐陰性のある常緑樹で、すばらしい植物です。春には白い花が咲きます。現在は蕾の段階です。

 秋には果実が赤く色づき、十分観賞価値があります。このつややかなダークグリーンの葉に、赤い果実・・・ガーデンプランツとしては最高でしょう。

 11種が、アフガニスタン、中国、フィリピンに分布しており、そのうち日本では、この種(しゅ)を含めて2種が利用されています。

 日陰の植栽には是非!グラウンドカバープランツとしての利用が出来ると思います。
 


2002.11.7(木)・・・直立
 真っ直ぐに上を向いて生長する・・・・

 Hedera helix ‘Russelliana’(ウコギ科)

 ヘデラの直立種は、数品種販売されています。‘Erecta’などありますが、どれも線が弱く(茎の部分が弱い)、且つ、性質も弱いのが難点です。

 ここに紹介するヘデラは、直立種の中では大型で、1mほどに生長します。ただ、非常に成長が遅く、1年で数センチメートルしか伸びません。

 ガッチリとしたこの姿が、私は気に入っており、寄せ植え等にも利用しています。日本では、この品種、まず手に入れることは不可能で(あれだけヘデラが扱われているのに、なぜか入手不可能)、貴重品種です。

 生長が遅いため、増殖にも時間がかかります。なので、まだまだ高価なもの・・・と言うことになります。

 すごく良い品種ですよ〜。欲しい方います???


2002.11.6(水)・・・白覆輪
 常緑の草です。

 Carex conica ‘Snowline’(カヤツリグサ科)

 これもCarexの1種で、耐寒性のある常緑の草です。手触りはカサカサしております。鮮明な白覆輪で、遠目からもはっきり分かるほど。

 グラウンドカバー等に利用できるでしょう。草丈20cmほどです。


2002.11.5(火)・・・冬の花もの
 冬場は素材が限られますが・・・そういう面で貴重な花もの素材です。

 Alternanthera porrigens(ヒユ科)

 千日小坊という名前で出回っています。センニチコウ(千日紅)と混同しそうな名前ですが、センニチコウはGomphrena属の植物ですので、別物です。

 短日性が非常に強く、秋から出回るものは、シェード栽培(短日処理)を行って出荷されています。

 本来の開花は、11月末頃からになります。従って、冬場の素材として利用できるわけです。

 強い霜が降りなければ傷むことなく、鑑賞できます。

 本来は1mほど生長する草なのですが、わい化剤、挿し芽時期等の調節により、ポット苗で出回っています。切花でも人気がありますね。

 ただし、近年は極端にわい化されたものがあり、風情を損なっているものが多くなりました。


2002.11.4(月)・・・斑入り
 なんとなく斑が入っているのが分かりますか?

 Pyracantha ‘Harlequin’(バラ科)

 ピラカンサの斑入りです。葉が小さいので、斑入り度も多少、といったところでしょうか。さりげないオシャレですが・・・けっこう、遠目からでも目立ちます。

 さて、冬になって霜が降りるようになると、この葉はピンク、赤、白、グリーンと、いろいろな色が混ざって華やかになります。最高の時ではないでしょうか。まさに、品種名の「ハーレクイン」です・・・。

 多少、トゲがあるのが気になりますが、まぁ、メギもそうですからね・・・・。

 これも10月のマリポサで使用した素材です。


2002.11.3(日)・・・黄金葉の・・・
 植物自体は、もうお馴染みでさほど珍しくないのですが・・・・

 Hedera helix ‘Buttercup’(ウコギ科)

 ヘデラの黄金葉です。春から秋はライムグリーン、夏は本当にゴールデンになります。今は・・・ご覧のとおり。やや白っぽくなっています。

 生長は遅いように思います。

 ヘデラの黄金葉は、何品種かあり、これはもっとも有名な品種です。

 これもトップページの寄せ植えに入れています。


2002.11.2(土)・・・熱帯花木ですが・・・
 オレンジと赤が映えますね。

 Hamelia patens(アカネ科)

 16種がアメリカ(フロリダ)、西インド諸島、ボリビアなどに分布しています。挿し芽をして育てていますので、草と勘違いするかもしれませんが、本当は樹木です。

 あまり耐寒性のない植物ですが・・・もしかしたら霜に当てなければ、寒風に当てなければギリギり越冬するかもしれませんね。

 グリーンの葉(現在は寒さの影響で、赤黒くなってきている)と、赤とオレンジの花がアクセントになります。

 花後は液状の果実が出来ます。

 これも10月のマリポサで使用した素材の1つです。寄せ植え素材としては、比較的使いやすく、オススメです!(トップページの寄せ植えにも入れています)


2002.11.1(金)・・・針葉樹のようで・・・
 昨年は、11月からカラーリーフ月間として、数多くの植物をほぼ毎日紹介しました。

 今年も・・・と思ったのですが・・・やめました・・・・。今年は思いつくまま、いろいろ紹介したいと思います。

 ではまず最初は・・・

 Eupatorium capillifolium(キク科)

 非常に線が美しく、どことなくホウキグサに似ています。

 これはピンチをしていますが、そのまま育てると、2mほど伸びます。円錐形になり、針葉樹のようです。

 冬季は上部をなくして越冬します。耐寒性のある素材で、有望でしょう。

 右側画像は花です。花自体は目立たないですが、ビッシリつくので、遠くから見ると白く霞がかかったようになります。
 紅葉もキレイで、黄金〜赤になります。

 10月のマリポサ講習会で使用した植物の1つです。