【2002年 ヨウスケのアカデミック園芸ワールド】1月







2002.1.31(木)・・・疲れた・・・。
 前回の更新から、1週間経過しました。修了論文指導作業で・・・HPが更新できる環境ではなかったので・・・更新が滞ってしまいました。
 本日の夜中の0時に、修了論文の製本提出締め切りで、とりあえずこの地獄のような生活から抜けることができるようです。

 さて、1月最後の更新ですが・・・・
 
 Glechoma hederacea cv.(シソ科)です。これは散り斑の品種で、全体的に葉が白っぽく見えます。白くかすり状になっているところが・・・なんだかハダニの被害にあったみたいな感じです。

 耐陰性、耐寒性のある常緑のグラウンドカバープランツで、生育は非常に旺盛です。今の時期、少し株が痛みますが、春になると見事に生長します。


2002.1.25(金)・・・コトネアスター
 ガーデンの素材として、特にグラウンドカバープランツとしての利用が高まっています。公共の植栽でもかなり見かけるようになりました。

 Cotoneaster salicifolius ‘Repens’(Rosaceae・・・バラ科)

 品種名の通り、這い性の品種です。秋から冬にこのように葉の色が変わります。常緑のグラウンドカバーで、春と冬で葉の色が変わる、ということになります。

 花は白色で、初夏に開花します。秋には赤い実がなります。

 中国が原生で、耐寒性は抜群。なかなか良い素材だと思います。


2002.1.19(土)・・・これもgrass類・・・なのか・・・。
 まっすぐに上に伸びて・・・曲線を描くことがない植物です。

 Machaerina rubiginosa(Cyperaceae・・・カヤツリグサ科)和名をアンペライ、ネビキグサ、といい、イグサに近い仲間だとされています。

 grassというと、本来はイネ科植物を指すのですが、広い意味でカヤツリグサ科も入れています(Carex属=スゲ属など)。

 冬なので黄色になっていると言うのではなく、年中この色です。 高さ(桿・・・「かん」と読みます。の長さ)は・・・1mほどになります。赤褐色の花を咲かせます。

 植物体の材質は硬く、先端が非常に尖っており危険です。扱いには十分注意しないと、目を突くこともあるでしょう。
 
 耐寒性はあります。ほぼこの状態で冬を越してくれます。湿地に自生している植物ですので、水辺の環境を好むのですが、極端に乾燥しているところでなければ管理は通常で大丈夫です。

 まっすぐ上に伸びるgrassの素材は少ないように思うのですが・・・これはあまりにもまっすぐすぎて・・・枝のようにも思えてしまいます。


2002.1.17(木)・・・オーストラリアの・・・
 これも燃え立つようなワインレッド。光が当たると輝くような色に見えます。

 Dodonaea viscosa ‘Purpurea’(Sapindaceae・・・ムクロジ科)、該当する和名は存在しません。ムクロジ科って・・・あまり聞きなれない科名ですが・・・みなさんが良くご存知の・・・フウセンカズラ(Cardiospermum grandiflora)もムクロジ科の植物です。

 春から秋は黄緑色、ところが冬になるとこのようなワインレッドに変化します。強い光があたると、更に輝きが出ます。

 Dodonaea属は特にオーストラリアに多い常緑低木、または高木で、50種が知られています。

 これはかなりの耐寒性があり、このあたりでは露地植えも出来るので庭木として使えるでしょう。また、刈り込みにも耐えるので生垣などの利用も可能かと思われます。

 葉が細く、表面はザラザラしています。すごく生育旺盛・・・というわけではありませんが・・・それでも樹木の中では生育が早い方だと思います。


2002.1.16(水)・・・これもハーブ
 造形的な葉、模様ですね。特に真ん中に走る白い主脈が、そう感じさせるのかもしれません。

 Cichorium intybus(Compositae・・・キク科)、和名をキクニガナ、と言います。学名、和名だけでは聞きなれないと思いますが・・・「チコリ」という名前ならどうですか?聞いたことがある人は多いと思います。ハーブの世界では有名ですよね。

 西アジア、ヨーロッパ、北アフリカ等に自生する植物です。こんな色をしている植物だっけ?・・・と、疑問をもたれた方は・・・お見事!これは冬の色です。すばらしい色に紅葉します。

 春になると・・・草丈は1m以上になり、スカイブルーの花を咲かせます。2年草ですので、播種した年に開花は望めません。

 花は砂糖菓子、 若い根は乾燥させて炒った後、コーヒーに入れて使うなど(利尿作用)、用途はたくさんあります。
 冬場のアクセントとして・・・なかなかいいと思いません?


2002.1.15(火)・・・これが我が家の・・・
 これが我が家のベランダです。実は、アカデミックにベランダを登場させるのは、これが2回目。あれからいろいろな植物が入れかわり・・・・現在はご覧のとおり。

 ただ・・・・あの時と同じなのは・・・・足の踏み場がなく、ごちゃごちゃしている、ということ。このベランダは、苗床であり、遺伝資源の収集でもあり、生産の現場でもあり(講習会用などの苗を生産している)、一部はディスプレイの場所でもある・・・言わば、「何でもベランダ」なのです。

 足の踏み場がないぐらいに・・・ではなく、本当に足の踏み場がなく、ベランダの端から端までを一続きであるこことが不可能です。

 従って、水やりはアクロバット状態。片足を上げて・・・・左手でガラスドアを支えにして・・・・右手は伸ばすところまで伸ばして・・・水をやります。約100リットルの水を使います。

 ここには、大小あわせて約300鉢以上の植物があるわけですが・・・全て把握しています。どれも大事な私の財産。

 んで・・・・これはベランダですが・・・実は・・・・玄関を出た外の廊下にも・・・・植物満載なのですが・・・ベランダと違うところは・・・「飾ってある」ということです。だから、少しキレイです。


2002.1.14(月)・・・またニューサイラン
 先月も紹介しましたが・・・再びニューサイランです。

 Phormium ‘Platts Black’

 謳い文句は・・・「衝撃的なブラックリーフ!」なのですが、確かに、株元の方は黒色です。まだ、株が小さいのですが草丈は90cmほどになるようです。

 「ブラックに近い、黒紫ブロンズ葉」という説明もあるようです。

 これでニューサイランは・・・3品種紹介しましたが・・・あと数品種登場予定です。

 あ、今日は・・・世の中は一般的に成人式だそうで、お休みだそうです。


2002.1.11(金)・・・うーむ。。。
 シルバーリーフのCentaureaです。

 Centaurea ‘Silver Passion’(Compositae・・・キク科)、ヤグルマギクの仲間(同属)だそうです。品種名は・・・「銀の情熱」。余談ですが・・・「銀の雨」・・・は松山千春の初期の作品。。。。

 で、そんな話はどうでもいいのですが・・・確かに、Centaurea属にはシルバーリーフのものがいくつか存在します。いろいろと調べてみたのですが、どの種(しゅ)に当たるのか、特定できていません。RHSのPlant Finderでも確認をしてみたのですが、この品種名はありませんでした。

 お話によると、ピンク色の花が咲くそうです。咲くまでは真意は分かりません。

 おそらくヨーロッパに存在する種(しゅ)でしょう。耐寒性は強いようです。


2002.1.10(木)・・・ミニヘリクリサム
 ちょっと画像がよくありませんが・・・これも葉の表面に白い毛があり、シルバーリーフとして利用されている植物です。

 Plecostachys serphyllifolia(Compositae・・・キク科)という植物です。

 販売されている名前は、ミニヘリクリサム、Helichrysum microphyllum(葉が小さい、の意)、ヘリクリサム(ミクロ)・・・などです。以前はHelichrysum属に分類されていたようですが、現在はPlecostachys属に入れられているようです。

 南アフリカのケープ原生の植物で、1m四方に枝を広げます。
 
 高温多湿に弱く、蒸れると下葉から枯れあがってきます。また、霜や強い寒さにもめっぽう弱く、ひどい場合は枯死します。今の時期に流通することが多いのですが、この時期に外で管理するのは・・・・霜と寒風が当たらなければ問題はありません。

 日本での利用は・・・いまいち、と言ったところでしょうか?あまり見かけることはありませんねぇ。。。


2002.1.9(水)・・・Senecioの近縁属
 葉表面が白い毛で覆われており、典型的なシルバーリーフです。

 Brachyglottis × monroi ‘Drysdale’(Compositae・・・キク科)

 ニュージーランド、オーストラリア原生の低木で、約30種が知られている植物です。聞きなれない属ですが、以前はSenecio属に分類されていました。

 低木、と書きましたが、1〜1.5mほどの高さになり、初夏から黄色の花を咲かせます。花の形は・・・小菊と同じような形。
 
 よく似たものに、B. greyi、Dunendin Hybrids Group(デュネディン ハイブリッド グループ)の‘Sunshine’などがあります。

 日本での大株は見たことがないのですが、イギリスでは垣根代わりに多く使われていました。宿根草、という扱いより、花木と言った方がしっくりくる植物です。

 寒風に多少弱いようで、少し葉が痛むことがありますが、0℃程度なら十分冬は越すことができます。


2002.1.8(火)・・・ツルマサキ
 この植物もグラウンドカバープランツとして利用できます。

 Euonymus fortunei ‘Brondy’(Celastraceae・・・ニシキギ科)、ツルマサキの園芸品種です。

 春から秋は、グリーンとホワイトのコントラストですが、冬になると・・・・赤みを帯びてきます。耐寒性もあるので戸外でOKです。

 和名のとおり、ツル状に伸びていきますから、地面を這わせたり、壁に這わせることもできます。イギリスなどでは、ツルアジサイと並んで壁面に利用されている重要な植物です。

 日本のものですから、気候の面では問題ありません。ただ、株姿が暴れるので、適宜、ピンチをするなどして形を整えると良いでしょう。


2002.1.7(月)・・・またヒューケラ
 これも昨日紹介した植物と同じ属のものです。

 Heuchera ‘Can Can’という品種で、葉の縁部がラッフル状になっています。比較的株がしまっている(葉柄が短い)ように思えます。

 冬になり、更に赤みが増してきています。こちらも白花で目立ちません。

 Heucheraもいくつかコレクションしており、Ajugaとともに、カーペットを作りたいな・・・と思っているのですが・・・いつになることやら。。。


2002.1.6(日)・・・ヒューケラ
 最近、通信販売のカタログなどでも、いくつかの品種を手に入れることができるようになった植物です。ギボウシもさることながら、こちらの植物も非常にたくさんの品種が存在します。

 Heuchera ‘Beauty Color’(Saxifragaceae・・・ユキノシタ科)、ツボサンゴの園芸品種です。園芸書では、ホイヘラ、ヒューケラなどとも表現しています。ホイヘラって・・・一体どういう読み方をしたらそうなったんでしょうね・・・。

 Heuchera属は55種が北アメリカに分布している、常緑のグラウンドカバープランツです。また、同じ科のTiarella属との属間交配も行われ、× Heucherellaという属間雑種まで誕生しています。

 日本では数品種ほどしか手に入りにくいようですが、海外ではギボウシまでは及ばなくとも、非常にたくさんの品種を見ることができます。特にイギリスでは、ガーデンセンターに非常に多くの品種が置いてありました。

 半日陰でも十分生育しますので、これからもっと伸びていく素材でしょう。

 この品種は、春から秋は緑色の葉をしています。冬場はこのような紫の葉になります。葉に入る網目がシルバーで、日に当たるとギラギラ輝きます。花は目立たない白色で、主に葉色を楽しむ植物です。


2002.1.5(土)・・・鼈甲色
 鼈甲の色をしています。オレンジと、黄色、黄緑、茶色が混ざった色・・・・。なんともいえない良い色合いです。

 Calamagrostis arundinacea(Gramineae・・・イネ科)

 世界に230種も分布する大きな属の植物です。

 常緑の植物で、耐寒性は、ご覧のとおり外でも大丈夫。霜柱が立つようなところに植えていますが、問題なく冬を越せそうです。

 春から夏は、緑〜黄緑色をしていますが、晩夏からオレンジ色が混ざってきて、とてもいい色になります。

 冬はこのような状態で、株の姿は・・・左側は横から見た状態、右側は、上から見た状態です。比較的立ち上がる性質があるようで、噴水のようにふわっとした感じのgrassだと言えるでしょう。


2002.1.2(水)・・・白毛のサルビア
 すごーい毛深い植物で、葉が白く見えます。

 Salvia argenteaという植物です。

 南ヨーロッパ、北アフリカに自生している、草丈90cmほどの宿根のサルビアです。

 宿根草なのですが、比較的短命の宿根草で、播種後2年目で開花し(白花)します。花後、種子をつくるのですが、そのままにしておくと株が枯れてきます。株を残したいのであれば、花後に花茎を早めに切り取らなくてはなりません。

 日本の高温多湿に弱く、なかなか大きくなりません。鉢で管理して雨を避けるようにして栽培する方が賢明かもしれません。

 これは、昨年の夏、露地植えにしたものです。冬場はこのように、特にロゼット状態になります。

 非常にすばらしい種類のサルビアではないでしょうか?
 
 学名を少し覚えたての人なら・・・・種小名のargentea(アルゲンテア)を・・・・アルゼンチンに自生している植物だ!と思うかもしれませんが・・・正しくは「銀色の」という意味です。お間違えのないように。


2002.1.1(火)・・・今年もよろしく
 2002年のスタートです。お正月だからといって・・・別に変わったこともありませんが。。。
 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 2002年の最初にお届けするのは・・・

 Ficinia truncata(Cyperaceae・・・カヤツリグサ科)

 Ficinia属は、60種が知られており、原生は南アフリカです。そのうち50種が、南アフリカのケープ州に自生が限られているという植物です。

 クリスタルグラスという名前で流通しています。よく見ていただくとお分かりかと思いますが、葉の縁がパリパリしています。激しく触れると、取れてしまうのですが・・・。
 また、葉の先端は何かに食いちぎられたようにギザギザしています。蒸れに多少弱いようですが、それ以外はほとんど問題なく栽培できます。
 詳細はここまでしか分かりません。この種(しゅ)が記載された文献まで行きつく事ができれば、また情報を加えたいと思います。