【ヨウスケのアカデミック園芸ワールド】4月
2001.4.29(日)・・・世界で一番小さいペチュニア |
![]() ![]() この世界で一番小さなペチュニアについて、私が学生時代に受けた講義について少し紹介しようと思います。 このペチュニアは・・・正確にはCalibrachoa属の植物ですが、広義の意味でPetunia属です。@Calibrachoaには、約35種の原種があり、その多くは木本です。染色体数は2n=18です。一方APetuniaには20種の原種があり、草本です。染色体数は2n=14です。 @の中に、C. pygmaea(白)・・・以下py、とC. parviflora(紫)・・・以下paという種があります。種小名はいずれも「小さい」という意味で、花は約1cmの大きさです。Calibrachoaは、この2種のみ、草本です。性質として・・・pyの花は、晴天時に閉じ、夕方から香りを漂わせます。そして自家不和合性です。paは晴天時しか開きません。そして自家和合性です。ベクター(花粉媒介者)はpyは「ガ」でpaが「ハチ」です。 面白いことにこの2種は、他のCalibrachoaとは交雑できません。これは自然界でも起こりません。理由は・・・ベクターが違うからです。要するに、この2種の間でしか交雑が出来ないのです。 そこで・・・この2種を交配することにします。両種とも花粉稔性は90%以上です。組合せは・・・py×paが便利です。paは自家和合性ですから、除雄をしなくてはならないから面倒です。・・・出てきた子供は・・・やや花が大きく一日中開いています。花粉稔性は・・・5%にまで落ちていました。類縁関係が遠いということになります。 出てきた子供に・・・戻し交雑をして・・・さらに交配を重ね・・・世界で一番小さなペチュニアが誕生したそうです。 参考文献:Watanabe,H.,T.ando,S.Iida,K.Buto,T.Tsukamoto,G.Hashimoto and E.Marchesi. 1997. Cross-compatibility of Petunia pubescens and P. pygmaea with Native Taxa of Petunia. J.Japan.Soc.Hort.Sci.66:607-612 |
2001.4.28(土)・・・2回目の登場 |
![]() ゴマノハグサ科のMimulus aurantiacus Curtisです。これがMimulusだとは思えませんよね。 ところで、なぜMimulusという属名がついたか・・・ですが、ラテン語のmimus(道化師)、あるいはギリシャ語のmimo(サル、人まねをする者)に由来し、本属のある種の花冠が、歯を剥きだしたような奇抜な形をしていることに因んでいます。 M. aurantiacusの英名はbush monkey flower、名前の通り木質化するMimulusです。 北米のオレゴン州からカリフォルニア州にかけて分布している低木(高さ1mほど)です。茎葉に細い腺毛をもち、ベタベタします。葉の表面は光沢があるので、見た感じはベタベタするとは思えません。 花は腋生し、舷部5裂片が同じ大きさ、裂片の先端はフリンジがかかっています。 喉部は白色で、ヤマブキ色の2本のラインが入ります。 挿し木は・・・非常に発根率が悪く、また、挿し木の時期も適期が不明です。 |
2001.4.25(木)・・・園芸学部で開花中 Part5 |
![]() ![]() Rosaceae(バラ科)のPrunus laurocerasus 和名をセイヨウバクチノキといいます。ヨーロッパ東南部からアジアにかけて分布する、常緑のPrunusです。 高さは3〜6mになり、樹皮は老木になると剥がれ落ちます。 樹皮が剥がれ落ちる様を、博打に負けて身包み剥がされる人間に例え、このような名前になりました。 日本にはバクチノキ(Prunus zippeliana)があり、こちらは高さ10m近くになる高木です。 |
2001.4.22(日)・・・葯が魅力! |
![]() Rosaceae(バラ科)のAronia arbutifolia (L.) Pers. ‘Brilliantissima’です。北米に3種が分布している落葉低木です。日本ではほとんど扱われていません。 A. arbutifoliaは、北米のカナダ、ミシガンからフロリダにかけて自生している、高さ3mほどになる低木です。 花も魅力的ですが、秋になるとリンゴを小さくした(小指の爪程)ような、真っ赤な果実が稔ります。画像のワインレッドに見えるものは葯です。まだ開葯していない状態で、開葯すると・・・葯は反転するため白色になります。 英名はRed Chokeberry。秋の紅葉も魅力的で、株元から出る吸枝(suckers)で広がっていきます。 半日陰でも、乾燥地でも湿潤地でも適応能力があり、素晴らしい植物です。もっと日本でも普及してほしいですね。 |
2001.4.19(木)・・・園芸学部で開花中 Part4 |
![]() 葉は対生で、雄蕊は5本、雌蕊が1本の合弁花です。 葉腋から、対になって花柄を出し、花も対になって開花します。花は密になってつき、株全体がピンク色に染まるほどです。 |
2001.4.18(水)・・・園芸学部にて開花中 Part3 |
![]() ![]() エゴノキ科なので・・・そっくりなわけです。 花は、葉腋に2〜5個群生し、広鐘形の長さ1.5cm程度。花冠先端は浅裂します。 花後の果実には4翼があり、3cmほどの大きさになります。 |
2001.4.17(火)・・・園芸学部にて開花中 Part2 |
![]() 花は開葉と同時に開き、穂状花序は5〜7cm。萼は4〜7裂し、花弁はありません。したがって・・・白い花に見えるものは・・・雄蕊で15〜20本あり、特に先が肥大した白色の花糸が目立ちます。 花後にできる果実は・・・とても硬い朔果で、嘴上の突起があります。紅葉(黄葉)がとても美しい植物です。 |
2001.4.15(日)・・・園芸学部にて開花中 Part1 |
![]() ![]() マメ科のアメリカハナズオウ・・・Cercis canadensis L.です。北米の中〜東部に分布しています。淡紅桃色の花を、節(前年の葉腋)に5個前後つけます。 Cercis属は、一般的に・・・花冠が不完全な蝶形で、竜骨弁が旗弁や翼弁に比べて大きくなっています。雄蕊は10本で離生します。 日本でよく見かける種は・・・C. chinensis Bungeで中国産。これはアメリカハナズオウという和名で、あまり見かけない(一般化していない)種です。 |
2001.4.14(土)・・・輝くような・・・ |
![]() ![]() Onagraceae(アカバナ科)のOenothera ‘African Sun’です。マツヨイグサの園芸品種ですね。 花が大きくとても綺麗です。やや這性のようですので、吊り鉢などに向いています。 |
2001.4.13(金) |
![]() うち、オーストラリアに110種分布しているので、流通ではオーストラリアの植物とされているようです。 草姿は非常に弱々しいですが・・・花色は何ともいえないオレンジ色で、どことなく愛嬌があります。 |
2001.4.12(木)・・・縦長でスミマセン。 |
![]() 赤花のトリカブトではございません。Delphinium nudicale(Ranunculaceae・キンポウゲ科)です。Delphiniumの中で赤花を咲かせる、と言えばこの種というほど有名です。他に赤花では、D. cardinaleという種があります。 では黄色の花を咲かせる種はあると思いますか? ・・・実はあります。D. zalilというものです。どちらも有名な種ですので・・・覚えておくと何かいいことがあるかもしれません。 |
2001.4.11(水)・・・再びEremophila |
![]() 最近の雑誌では・・・キンギョソウみたいな花、といわれています。206種もあり、これを全て集めるのは不可能だと思います。が・・・集めたいですね〜。 |
2001.4.10(火)・・・? |
![]() 品種名の意味する【彗星・ほうき星】と・・・花形は似合ってますかねぇ? タマシャジンの仲間です。 |
2001.4.9(月)・・・普通は・・・ |
![]() ![]() 左側が一般的に見られる(山に自生している)もので・・・右側は、その園芸品種と思われます。ピンクがかった非常に綺麗なキブシです。 樹高2〜4mの落葉樹で、湿気と日陰を好みます。雌雄別株となっています。画像はどちらも雄花の方です。 穂状花序は美しいのですが・・・葉も幹も紅葉も・・・これと言って観賞価値のある木ではありません。 昔は・・・髄を灯心に、果実に含まれるタンニンを、お歯黒に用いたことで有名です。キブシという名前の由来は・・・果実を五倍子(フシ)の代用として、黒色の染料にしたことによります。要するにお歯黒ですね。 |
2001.4.8(日)・・・出まわり出して・・・20年 | ||||
我々が知らない・・・もっと素晴らしい種は・・・広大なオーストラリアの土地に、今も花をつけているはずです。 |
2001.4.7(土)・・・ヒメリンゴの花 |
![]() ![]() 落葉低木で・・・由来は・・・ズミ(M. sieboldii)とM. pumilaとの雑種という説、中国から導入されたイヌリンゴ(M. prunifolia)と同じ物という説、エゾノコリンゴとイヌリンゴの雑種(M. × cerasifera)などという諸説があります。 ほんのり淡ピンクの花は、かすかに香りがあって気品溢れる一花。 確実に結実するように・・・人工受粉をしたばかりです。 春がきたぞ〜。 |
2001.4.6(金) |
![]() alomaticな葉で、ケープではお茶に使われるようです。耐寒性があり−3℃までOKと言うことです。 |
2001.4.5(木)・・・素晴らしい形だと思いませんか? |
![]() ![]() どちらもAizoaceae(ツルナ科)に属するPleiospilos neliiで、左側は園芸名を【帝玉】、右側を【紫帝玉】と呼びます。南アフリカに4種が分布しています。左は一般的ですが、右側のものは貴重品です。 紫色の色素は・・・赤色を示すアントシアニンではなく・・・ベタレインという色素です。ツルナ科の赤色はベタレインという色素なのです。 サボテン類は自家不和合性が多いので、緑色に紫色のものを交配して種子を採ろうと思っています。そして、紫をたくさん増やして商売するのだぁ〜ッ。ぐわぁっし。 |
2001.4.4(水) |
![]() 常緑低木で、高さは約2mにまでなります。葉は刺状の針葉、管状の花を下垂させて開花し、花筒長は約4cm。ラッパ状に開花し、花冠部は、画像のような白色の他に、ピンクなどもあります。また、花筒部は画像の赤の他に、黄色などもあります。 用途は・・・庭園樹として用いられているようです。 |
2001.4.3(火)・・・アンバランス |
![]() ![]() 花の大きさは(花筒長)・・・約6cm。株立ちは約2cm未満ですから、いかに花が大きいかが分かると思います。 たぶん自生地で見るとギョッとすると思います。素晴らしい!そして・・・花色も・・・画像ではあまり綺麗ではありませんが、ベルベット調の素晴らしいブルーです。 アルプス・ピレネーの高山に自生していますので、もちろん耐寒性はありますよ。 |
2001.4.3(火)・・・Kennedia特集 | ||||||||
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