【ヨウスケのアカデミック園芸ワールド】12月
2001.12.31(月)・・・耐塩性 |
![]() 見事なシルバーリーフですね。文献によると、1属1種ということになっています。 Crossostephium chinese (L.) Makino. (Compositae・・・キク科)、(syn. C. artemisioides)という植物です。和名をモクビャッコウ。 本属はこの1種のみが、東アジアに分布しています。日本では、沖縄の海岸地帯、それも植物体に潮がかかるような場所に自生しています。 植物にとってみれば、苛酷な環境かもしれません。そのような環境の中で、進化した植物ということになります。 関東近辺では耐寒性があり、(ただし、北の方では無理と思います。本によっては、全く耐寒性がないと書かれたものも多く存在します。)しかも、耐塩性があるということなので、一風変わったカラーリーフプランツということになるでしょうか。 下葉が枯れあがる性質があり・・・・大株は、傘状に広がり、ドーム型をしています。 通常とは異なる環境で育つ植物は、独自の進化の仕方があります。こういった素材をもっと多く発掘し、育種を進めていきたいな、と思っています。 |
2001.12.29(土)・・・ブロンズフェンネル |
![]() Foeniculum vulgare ‘Purpureum’(セリ科) ヨーロッパ原生の1属1種の植物です。通常は・・・緑色の葉ですが、これは銅葉色の品種です。日本では、ウイキョウという名前でも知られています。 これは、種子でも葉色が遺伝するもので、こぼれダネでもよく増えます。しかも子供も・・・銅葉色となります。 草丈は・・・1mを優に超えます。冬場はこの色で・・・・夏場は多少後くらみするようです。 |
2001.12.28(金)・・・涼しい感じの・・・ |
![]() Senecio viravira(流通・異名はS. leucostachys)です(Compositae・・・キク科)。茎葉は、白い毛に覆われており、葉が羽状に深裂しています。 自生地は、南米のアルゼンチンで、耐寒性は十分あり、冬場の素材として流通しています。 夏場に少々蒸れるようで、下葉が枯れあがります。生育の状態としては・・・・やや匍匐する形で伸びつづけ、ピンチなどをしない限りでは、バサッと倒れこんできます。グラウンドカバープランツとして考えてもいいかもしれません。 冬場でSenecioといったら、S. cineraria(シロタエギク)ですが、葉が重たい感じがします。こちらは細い葉でいろいろな用途に使えそうですね。 |
2001.12.25(火)・・・クリスマス |
![]() ![]() さて、今日はバラの花・・・じゃなかった・・・、とある植物の冬の状態をお届けいたします。 Sedum spectabile ‘Brilliant’(左側)Sedum ‘Purple Emperor’(右側) です。左側は・・・水滴がついています。芸術作品ですね。 右側は・・・葉が紫色の品種で、したがって、冬のロゼットもこんなかわいい紫色をしています。まだまだ赤ちゃんで、もう少ししたら、紫色のバラへと変化を遂げるのです。 本当に、バラの花そっくりです。こういう冬の楽しみ方はいかがでしょうか? メリークリスマス! |
2001.12.24(月)・・・マルーン |
![]() ![]() さて、これは・・・・Chamaecyparis thyoides ‘Rubicon’(流通名‘Red Ster’)というもので、ヌマヒノキ(流通名でタマヒノキ)の園芸品種です。(ヒノキ属、ヒノキ科)北米が原生ですから・・・寒さはダイジョーブ。 樹形は自然に円錐形になります。 葉の色に特徴があり、今の時期、葉はmaroon色、すなわち・・・栗色・えび色になります。光と寒さにより、更に濃くなっていきます。ちなみに、右側は・・・光が当たっていない部分です。このように緑色をしています。 ブラック・クリスマスツリーなんていかがでしょう。 |
2001.12.23(日)・・・そして新たなHPが・・・ |
![]() ![]() で・・・この植物はCaryopteris × clandonensis Rehder.(以前はクマツヅラ科、現在はシソ科)といい、流通名は「花式部」です。 学名の表記を見てお分かりかと思いますが、種間雑種です。この植物はCaryopteris incana (Thunb.) Miq.(中国・日本のダンギク)とCaryopteris mongholica Bunge.(中国北部)の雑種により誕生したものです。 花はブルーで・・・とっくに見ごろは終わりすぎているのですが・・・私はこの冬の状態が大好きです。 よく見てください!ブルーシルバー色の新芽が出ています。枝全体に、小さな芽がたくさんついており、なかなかオシャレでしょ?冬のシルバーリーフ素材って、限られていますが・・・こんな植物もいかがでしょうか? 発想の転換って大事ですね。いろんな角度から物を見る力がないと・・・素材殺しになってしまう気がします。 |
2001.12.22(土)・・・今日で2周年 |
![]() ![]() その間、延べ18000人を超える方にアクセスしていただきました。どうもありがとうございます。 さて、今日は・・・・Libertia peregrinans(Iridaceae・・・アヤメ科)という植物です。 Libertia属は、9種が知られており、分布は、オーストラリア、ニューギニア、ニュージーランド、アンデスとなっています。 葉の先が非常に鋭利で、ピンとしています。草丈は40〜50cm。地際部の色が、橙色、黄色、黄緑、茶色が混ざっており、非常に美しいと思いませんか? 白い花を咲かせ、クリーム色の果実をつけます。 |
2001.12.19(水)・・・ロベリア |
![]() Lobelia fulgens ‘Queen Victoria’ 日本のサワギキョウと形態は同じですが、これはセイヨウサワギキョウの品種です。真っ赤な葉に、真っ赤な花をつけます。 非常に優れた植物で、湿地、水辺、通常の畑地、どこでもOKで、順応してくれます。サワギキョウは、水辺の植物ですから、本来の姿で楽しむのが一番良い方法かもしれません。 赤い花は好きではない、という方が非常に多いように感じるのですが、色合わせの問題だと思います。「○○が嫌い」というのは、その植物を上手く使うことができないから「嫌い」になるのではないでしょうか? 植物を嫌いになるのではなく、その植物を使ってあげることができない自分を「嫌い」になってください。花は何も悪くない・・・・と思うのです。 |
2001.12.16(日)・・・クローバー |
![]() Trifolium repens ‘Harlequin’ ややシルバーがかった葉に、グリーンとブロンズの斑が入っています。 常緑ですから、冬場もこのような状態です。非常に強健で、こちらもグラウンドカバープランツとして【充分利用できる植物です。 |
2001.12.15(土)・・・ヘリクリサム |
![]() Helichrysum thianschanicumもしくはH. lanatum 立ち性のヘリクリサムで、高さ60cmほどに生長します。初夏に黄色い花を咲かせます。 見た目は、ハーブの世界で「カレープラント」と呼ばれているHelichrysum italicumにそっくりです。ただ、こちらはカレーの香りはしません。 夏の暑さにやや弱い(下葉が枯れあがる)のですが、それはそれで形を楽しむ、ということに発想を切り替える必要があります。 |
2001.12.13(木)・・・トリカラー |
![]() Salvia officinalis ‘Tricolor’ 品種名通り、トリカラー(3色)です。エッジが白い斑の部分と、ややピンクがかったものとが混ざっています。 こちらも耐寒性は抜群、ロゼットになることもなく、このような状態で、寒い冬を乗り切ってくれます。ハンギング、寄せ植え等に充分使える「ハーブ」です。 |
2001.12.12(水)・・・黄金葉の品種 |
![]() Helichrysum petiolare ‘Lime’ 葉色以外は、先日紹介したものと何ら変わりがありません。ただ、耐寒性は、シルバーのHelichrysum petiolareよりかは、幾分劣るようです。 私は、この植物と、オレンジ色の花と合わせるのが気に入っています。 |
2001.12.11(火)・・・タスマニアの植物 |
![]() ![]() Dianella tasmanica ‘Variegata’(Phormiaceae・・・ニューサイラン科、もしくはLiliaceae;ユリ科) あまり聴きなれない植物だと思います。20種が、東アフリカ、マダガスカルなどに分布しています。 葉のつき方は、ニューサイランと同じ感じで(地際部より上になるにつれて、葉が開いてきている。)、アヤメ科などとは違うことが分かります。 日陰でもOKということで、日本でも流行るかもしれません。 |
2001.12.10(月)・・・強健! |
![]() Dichondra sericea(Convolvulaceae・・・ヒルガオ科) 非常に強健で、優秀なグラウンドカバープランツです。シルバーリーフで、親指の爪程の大きさの葉を広げ、地面を這っていきます。 夏の蒸れに注意すれば(ただし、屋外の露地なら、さほど問題ない。)どんどん殖えていきます。3号ポット苗を春に植え付けると・・・・半年で1uにまで広がります。 法面緑化植物として使うことができます。 |
2001.12.9(日)・・・耐寒性は・・・? |
![]() Helichrysum petiolare ‘Variegata’(Compositae・・・キク科) 非常にソフトなテクスチャーで、冬場の素材としても有用であると思うのですが、いまいち耐寒性に劣るようで、全くの戸外だと、特に霜が当たるようなところでは・・・・葉が痛んできます。痛んで茎だけになりますが、春にはまた芽吹いてきます。 生育旺盛、春から夏場にかけて大きく成長します。 |
2001.12.8(土)・・・ハーブ、と言われていますが・・・。 |
![]() Salvia officinaris ‘Icterina’(Labiatae・・・シソ科)、和名はヤクヨウサルビア。 南ヨーロッパ原生の耐寒性の常緑低木(亜低木、という方が正しいかな?)です。 ゴールドリーフで、斑入りです。ハーブの世界では・・・・このサルビアは、セージとして流通しています。 日本は全ての植物がカテゴライズされているため、ハーブはハーブの世界にしか目を向けず、樹木は樹木の世界にしか、目を向けない傾向があります。ハーブとして販売されている植物の中にも、様々なものがあり、毛嫌いしていると、面白くてすばらしい素材を見落としていることも多々あります。 もっと大きな視点、すなわち「植物」というもっとも基本的な考えで、ガーデンや寄せ植え、ハンギングに使える植物を探していかなければ、と思います。 |
2001.12.7(金)・・・再びニューサイラン |
![]() ![]() Phormium ‘Jester’ ライトグリーンの地に、淡いピンクの縞が入ります。スマートな株姿の小型タイプなのでコンテナや寄せ植えに最適、とあります。 葉のテクスチャーが柔らかいので、ふわっとした感じの雰囲気を作りたいときには良いかもしれません。 ニューサイランは、あと数品種コレクションしていますので、いずれご披露いたします。 |
2001.12.6(木)・・・日陰のグラウンドカバープランツ |
![]() 花は目立ちませんが、冬に果実が真っ赤に熟すことで知られています。 葉の形、色に変異が多いため(葉芸という。)、江戸時代から愛培されつづけている、古典園芸植物です。 Ardisia japonica ‘御代錦(Miyonishiki)’(Myrsinaceae・・・ヤブコウジ科) この品種は、突如としてアルビノ(真っ白)になったり、散り斑になったりと、1個体でいろいろな変異を持っています。 ヤブコウジも大好きで、いくつかコレクションをしていますが、お気に入り品種の一つです。 |
2001.12.5(水)・・・ニュージーランドだから新西蘭 |
![]() ![]() ![]() 「新西蘭」で「にゅうさいらん」→「ニューサイラン」という流れになります。名前のごとく、ニュージーランド原生の植物です。「マオラン」とも呼ばれており、葉から繊維をとることでも有名な植物です。 Phormium ‘Sundowner’(Agavaceae・・・リュウゼツラン科) この品種は「ブロンズがかったグリーンの地に、黄色いストライプと濃いローズピンクの縁取り。」という説明でした。草丈100cmになるようです。 寒さと日光にあたることにより、更に赤みが増してきます。以前、トップページで紹介したCarexとの寄せ植えに使っていたものです。 草もの類が関心を集めていますが、このニューサイランも人気素材の一つです。我が家には、あと数品種コレクションがあります。追々、紹介していくことにしましょう。 |
2001.12.4(火)・・・ヒサカキ |
![]() これはEurya japonica ‘Yellow-mottlde’(Theaceae・・・ツバキ科)です。和名をヒサカキといいます。 アジアを中心に約70種が確認されています。 Eurya japonicaは、岩手県から小笠原諸島まで分布している雌雄異株の常緑低木です。刈り込みに耐えるので、垣根などに利用されています。 これとよく似ている種類に、ハマヒサカキ(E. emarginata)があります。 花は3〜4月で、ガスの香りがします。現在、ハマヒサカキの開花時期です。こちらもガスの匂いがします。この時期、ガス漏れ騒ぎが起きるのは、この花が原因であることが多いんですよ。 ガス臭い花って・・・・そう多くありませんよね。 |
2001.12.2(日)・・・もう12月。なのに・・・。 |
![]() ここ数ヶ月で、生活ペースが一気に変わりました。今年も、忙しいまま・・・・年末を迎えそうです。 さて、これはHydrangea macrophylla ‘Gold Leaf’です。名前の通り、黄金葉のアジサイです。花は薄ピンク〜青。 まだ3号ポットの苗です。 霜があたっていませんので、落葉していません。春先とこの時期が一番キレイな黄金色です。 直射光線下では葉が焼けるようですが、逆に、日があまりないところでは、緑色になってしまいます。 |