橋本弥寿子の肩肘張らないボランティア・・・その7「”秘密の花園”は何処へ?」


○月×日、公園の草木が雨の恵みを受けて緑を増し、すくすくと育っている▼開園当時、「殺風景」「はげ山のよう」と言われたここ赤羽自然観察公園も、これから長い年月をかけて木々を茂らせ、草花を育み、生き物達を呼び寄せながら豊かに移り変わっていくことだろう▼鹿児島で育った少女時代、広大な田んぼの一部を埋め立てた小学校の敷地は、小川や小高い丘や小さな森に隣接し、それ自体が大きな公園のようだった。その敷地(校庭)の一角に、何代か前の卒業生からの贈り物として熱帯植物園が作られていた▼ヤシやバナナ、シュロなどの南国らしい木々が小さな散歩道をはさんで生い茂っているそこは、一歩足を踏み入れると異次元空間のような独特の雰囲気があって、空想好きな私と親友”セッちゃん”の休み時間の待ち合わせ場所になっていた▼私たちは、ここに来ると何故か男言葉で話す決まりになっていて、「きょう○○がこんなことをしたんだぜ」「ボクも昨日見たよ」などと、二人だけの秘密の会話を楽しみながら散歩に熱中したものだ。時々元の世界に戻りそびれて、家でも男言葉を使ってしまい、祖母にきつく叱られたことがある▼実家の商売が傾いて行方知れずにな ってしまったセッちゃんは、スラリとした長身で色白の美少女だった▼もしこの公園を訪れることがあって、そのときもっと緑が育っていたら・・・幼い頃の”秘密の花園”を思いだして
くれるだろうかーーー。

ひこばえ・・・石渡


 イギリスのエコロジーパークのコンセプトに倣って作られた、千葉県立博物館の「生態園」はちょど十周年を迎えています。どんぐりクラブの見学会で訪問してきました▼「生態園」設立の目的は、房総の自然の復元・保存ということでした。鴨川などから直接表土と樹木を移入したり、海浜の砂や岩を配置したり、当時は不慣れで大変な工事だったようです。解説して下さった大野学芸員によると、植栽した樹木は半分ほどが根付かず、十年たった今は実生から芽生えた樹木が主流になりつつあるそうです▼高木が倒れ、明るくなったギャップができると、土の中で今まで寝ていた種子が芽を吹き出します。初期にはヌルデやアブラギリなど一時的に繁茂しますが、十年もたつと立ち枯れ始めるのだそうです。やはり、鳥や風、動物の運んだ種子の芽生えが、林相を決めていくようです。「生態園」にとって大切なことは、生物が来訪しやすい環境であること。さらに、人間が手入れをせず、ほぼ放置といっても良い状態にしておくことが必要な条件なのだそうです▼開園した当初はさら地から始まり、オオアレチノギクやセイタカアワダチソウなどが繁茂したそうですが、今は林内の遊歩道の端に残るばか りです。また、最近はカシ林を予定していた群落の中に芽生えてきたエノキをどうするかなど、初めの計画を変更しなければならないこともあり、柔軟に対応して行く姿勢には、隔世の観を感じました▼大野学芸員に雑草の悩みを相談したところ、一つだけ「クズだけは初めに徹底して根絶しておかなければいけない。コントロールできなくなる」と助言してくださいました。「先達はあらまほしけれ」といったところです。赤羽自然観察公園のクズは将来憂慮されるだろうと心配になりました▼大切なことは、人間が自然をコントロールしようとするならば、何の為かを明確にし、合意・衆知すべきだということでしょう。今、公園は創世記として最も大切な時を迎えています。「生き物のルール作り」という話し合いも進行しています。どんどん参加して意見を述べていただきたい。また、クズ刈りは大変な仕事です。作業の時には是非ご協力下さい。


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